幼い妹との秘密の遊びは、妹が突然母に言いつけたことで終わりました。
その後は妹は二人きりになっても私に近づいてくることはありませんでしたし、私も近づくことはありせんでした。
以前は、妹の方から私にちょっかいを出してきて、それが「遊びがしたい」という合図のときもあったのですが、
母に知られた日を境に、ぱたりとなくなりました。
僕は母が父にこのことを話したらどうしようと、そればかり気にしていました。
「一生、父から軽蔑されるのだろうか」などと考えては怯えていたのです。
幸い、母が父に報告したということはなかったようでした。
それから3カ月くらい経過して、母から話があると呼ばれました。
家の中で母と二人きり。僕は異常に緊張していました。
妹とのことを父に話したのではないか、そう考えたからです。
目の前の母は、大きくため息をついてから僕に向かって言いました。
「あの子、あれからあんたにちょっかいかけたりしてないよね」
はぁ? それ主語が逆じゃないの? 僕は母が緊張して間違えたのだと思い、
自分は妹に何もしていないと答えました。
すると、母は、「違うわよ、あの子があんたになにもしてないかって聞いてるのよ」
母は僕が妹からも仕掛けられていないと答えると、僕に話し始めました。
妹の同級生の母親から「娘さんのことで」と電話があって、話してみると母にとっては、信じられないことを言われたといいます。
妹が同級生と性器を触りあいっこをしているというのです。
同級生が自分の母親にそのことを話して、僕の母に抗議をしてきたそうです。
同級生の母は、僕の妹がいやがる同級生にそうした行為をさせたと決めつけていて、「何を証拠にそんなこといってるの」と怒鳴りつけたといいます。
事実がどうあれ、何とか表沙汰になることは避けられ、お互いの付き合いをやめさせることに決めたそうですが、母としては、妹の行動からいろいろ心配が膨らんできたようでした。
妹にそのことを告げ、事の真偽を確かめようとしましたが、妹は「ごめんなさい」といったきり、口を閉ざしてしまったまま。
「こんなこと聞くのもおぞましいと思うから、最初にあの子からあんたとのこと聞いた時は聞かなかったけど、あの子とどうしてそんなことになったの? 何をしたの? いってみなさい」
母は冷静な態度でしたが、表情は、疲れ切った、少し怯えたような感じでした。
それを見た時、僕は、サディスティックな感情にとらわれました。
具体的な説明を控えて、ごまかし続けることもできたと思いましたが、逆に本当のことを細かく話してやろうと考えたのです。
どうしてそういう感情になったのか、いまだに、自分でも分らないのですが・・・。
きっかけは、妹が僕の股間を手で触ったりして刺激したこと。それから「お医者さんごっこ」と称して、触ったり触られたり、僕が射精するところを見せたこと。
妹は一度も「お医者さんごっこ」を嫌がらなかったこと。パンツに手を入れて刺激すると、顔を赤くして、足を広げて、自分から僕の唇を欲しがったこと。。。。
僕は、話し終わった時の母の表情をいまだに忘れることができません。
そのときはぽかんと口を開け、あまりのことにびっくり、あきれているとしか思えなかったですが、
ずっと後になって、その顔は、性的に興奮していたものではないかと思ったのです。
ぽかんと口を開けていたのではなく、興奮して、口が半開きになっていたのではないか、少し、息が荒くなっているのを必死にかくしていたのではないか。思い出すと、そんな解釈もできるような様子だったのです。
話し終わった僕に、母は、妹とそういうことをし続けたら大変なことになる、一生後悔することになる。だからもう絶対にしてはいけないと言いました。
そして、僕をにらみつけて言いました。
「あんた、チャンスがあったらまたしたいと思ってるんじゃないわよね。そんなことばっかり考えてるから、成績がどんどん下がっているんじゃないの? あんたの部屋のゴミ箱、すごいじゃないの。ティッシュで。男の子は中学生にもなったら、そういうことするのは分ってるけど、最近ちょっと過ぎるんじゃないの?」
僕は、密かに感じていたサディスティックな感情を母に気付かれたのではないかと、内心、慌てました。
仕返しに露骨な言葉を僕に投げつけてきたのか。。。しかし、そうではなくて、母は本当に僕のことを心配しているようでした。
僕は、「そんなこと、よく言うな。母親だからってそこまで言っていいわけないだろ」と大声で怒鳴りました。
うるさい、とか、ほっといてくれ、みたいなことをそれまでも言ったことはありましたが、そんなセリフは一度も吐いたことはなかったので、母もびっくりして、「そうね。ちょっと言い過ぎたわ」と謝ってきました。
素直に謝られると、今度はこっちが悲しくなり、無言で自分の部屋に戻りました。
しばらくして、母が僕の部屋をノックして入ってきました。
「さっきはごめんね。でも、あんた、今が大切なときなんだから、余計なこと考えないで勉強ちゃんとやってよ」
僕は、あきらかに機嫌を取りに来ている母の態度にドキドキしてしまいました。
ちょっとだけ、母を屈服させたようにも思えたからです。
「あの子にも言ってしまったわ。自分で女の子の大切なところ触ってるんじゃないのって。そんな小さい頃から憶えたら大変でしょって。だって、お母さんなんかそんなこと知ったの高校生の終わり頃よ。娘が生理も来ていないときから自分で慰めるなんて・・・」
「あいつはどう言ってたの」僕は妹のことが心配になり尋ねました。
「わーっとすごい声で泣いて。お母さんにも、お兄ちゃんにも嫌われるって。そんなことないよってなだめて、その日はおいしいもの食べようって二人で外食したわ」
「ひどいこと言うんだな。グレたり、もっと大変なこととかしたらどうするんだよ」
まだ幼い妹がグレる、という言葉を聞いて、母が息を呑むのがわかりました。
母は、心配性だけど、家族に対する愛情もある人でした。でも、怒りをうまく抑えて、少しずつ自分の中で浄化させていくのが下手な人でした。
母は、その場にしゃがみ込んで泣き出しました。何よ、お母さんの気持ちも知らないで、兄と妹でふしだらなことをして、あんたらなんか、昔だったら島送りよ、私はどうしたらいいの、こんなことお父さんに知られたら、わたしどんな目にあうか、おまえがダメだからそんなことになるんだって・・・
それから母はあー、うーと言いながら泣き出しました。
うめき声を出しながら号泣する人を僕はそれまで見たことがありませんでした。
正直、びっくりして、残酷な言葉を投げかけたことを後悔しました。
とっさに母に近づいて、背中をさすりました。
母は、僕の顔や頭をぶったりしましたが、僕は、抱きかかえるようにして母をなだめました。
僕が悪いから。お母さん、ごめん。傷つけてごめん。
お腹を痛めて生んで、いっしょうけんめい育ててるのに・・・母はそう繰り返して泣き続けましたが、次第に僕に体を預けてきました。
背中をさすりながら、僕は母を抱きしめました。最初母は体をこわばらせていましたが、やがて、腕を僕の背中に回してあごを僕の肩にのせ、泣いていました。
抱きしめる力を強めると、母も腕に力を入れてきました。
母の体が思ったより小さく、柔らかいことにドキドキしてきて、自然に手を母の頭にあて、なでました。すると、母も僕の頭をなでてきました。
母の体からは、何ともいえないいい匂いが漂ってきました。
せっけんやシャンプーや化粧品の匂いではなく、母の体臭だと思うと、僕は勃起してしまい、悟られないように、体を離しました。
母と僕は恋人同士のような距離で顔と顔を向き合わせました。
「もう、お母さんを悲しませるようなことはしない?」
母の息が僕の顔にかかりました。
嗚咽をもらしながら、母は両手で僕の顔をはさみ、上目使いで尋ねてきました。
僕は、大丈夫。もうしないからとできるだけはっきりした口調で言いました。
それからというもの、僕のオナニーのおかずはほとんど母に関する卑猥な妄想になりました。
妹との秘密の遊びの内容を詳しく教えた時の驚いた表情、高校生のころ憶えたと言っていた母の自慰行為。
きっと母は今も時々オナニーしているんだ、一人の時に。そんなところから妄想が膨らみ、父以外の男の前でオナニーをしている母を想像したりしました。
そして、あの日、母を抱きしめた感覚を必死で思い出し、匂いを思い出し、毎日オナニーをしました。
それから、母が僕のいない時に僕の部屋のゴミ箱から精液のついたティッシュを取り出して、その匂いを嗅ぎながら僕のベッドの上でオナニーしているところも想像しました。
ありえないことではない、そう思うと、僕のペニスはガチガチに硬くなりました。
当時の僕は童貞だったからなのか、不思議と母とセックスしているところは想像できませんでした。
妹とのことを妄想しているときもセックスは想像できませんでした。
ゴミ箱のティッシュは、適当に自分で減らすようにしていました。
ビニール袋に入れて少し家から離れた場所にある公園や団地のゴミ箱に捨てていました。
当時は今と違って、少し歩けば、ゴミ箱は見つかりました。
もちろん、少しは部屋のゴミ箱に後始末のティッシュを残しておきました。
きっと、掃除のたびにこれを見るんだな。きっと、俺がしごいているところを想像するんだ・・・。
そんなことを、また、妄想しては、オナニーをする毎日。
ただ、毎日繰り返していると、同じ妄想をしてもペニスの反応はにぶくなっていきました。
新しい刺激が欲しくなりました。
ある日の深夜、こっそり自室でエロマンガを読んでいたら、義理の母が洗濯機に入れたパンティをこっそり取り出し匂いを嗅ぎながらオナニーをする男が描かれていました。
「!!」
僕は、マンガの主人公を自分に、義理の母を、自分の実の母に置き換えていました。
猛烈に勃起しました。
(それをやったらおしまいだろ。変態じゃん。)
しばらく、迷いました。
妹と秘密の遊びをしていたころでも、僕は妹の下着で自慰しようという欲求はありませんでした。
「もうお母さんを悲しませることはしない?」
母を抱きしめた時に、母が不安気に、上目使いで僕に聞いたあの光景を思い出しました。
僕は、それを思い出しただけで妄想を簡単に頭の中で作り上げていました。
もう、しないよ。悲しませないよ。抱きしめてあげるから安心してよ。
そういいながら、母の口に吸い付いて、舌を入れ、体中をまさぐる・・・。
しばらくは、母の下着を実際にオナニーに使うことは考えるだけ、妄想の中だけにしました。
「考えるだけなら、罪じゃない」そういうことにして、現実には行動を移さないことを条件に、母に関する卑猥な妄想を好きなだけ広げることにしたのです。
母のこと、そしてときどき妹のことを考えながらオナニーに毎日ふけりました。
同級生に無邪気な気持ちで性器を見せ合ったりしているうちに、同級生の父親にばれて、その父親に犯されてしまう妹・・・なんて妄想をしてペニスをしごいたり・・・。
現実の妹は、何事もなかったかのように、僕に悪態をついたり、親に怒られたりして毎日を過ごしているように見えました。
いまにして思えば、僕は妹に対してとんでもないことをしてしまったのですが、それでも高校受験を控えたあの頃に戻りたいと思います。
戻って、また、妹と秘密の遊びがしたい、そんなことではありません。
戻って、その後に起こる出来事をうまく回避できたんじゃないかと思うからです。