オレが高校三年の夏休みの事だ。
バスケ部の練習が珍しく午前中で終わり、家に帰った時だ。
「ただいま~・・・ん?」
いるはずのお袋の返事はない。
(あれ?、まぁいっか)
玄関から二階の自分の部屋に行きドアを開けるとベッドの上に
見知らぬ女の子が寝転んでマンガ本を読んでいた。
「え?」
(誰?なんだこの子は?)
「あ、お兄ちゃん、お帰り」
「え?」
振り向いた女の子の顔に見覚えが無い
(お兄ちゃん?は?オレに妹なんていない・・・よな?え?)
「あ、お母さんとおばさん、今さっき買い物いったよ」
顔を此方に向け、その女の子は微笑みながら話している。
不思議顔のオレをジッと見ていた、その子は身体を起こしベッドから降り
オレの方へと歩み寄る。
ホットパンツにTシャツ、その四肢は細く長い。
「お兄ちゃん?」
「え?」
「どうしたの?」
近寄り、下からオレの顔を見上げる。
少し開いたTシャツの襟元から膨らみかけた胸が見えた。
華奢な身体の割りに胸がある。
「いや、あの・・・だれ?」
「え?」
「どちら様でしょうか?」
「え?わたしの事分からないの?」
「え?」
記憶の糸を手繰り寄せても、まったく分からない。
「いや、あの・・・」
「も~、ひどい!」
プッと頬が膨らむw
「いや、その・・・ごめん」
「ひどいよ、お兄ちゃんたら!」
「名前は?」
「麻衣!」
「まい?」
「そう!麻衣!」
なんか・・聞き覚えが・・・あ!
「麻衣?麻衣ちゃんか?」
「思い出した?」
「あぁ、デカくなったなw」
「へへw」
「背、どれくらい?」
「152だよ」
すらりと伸びた手足は、流石に無駄な脂肪が無く
その割には、胸の膨らみが・・・。
「麻衣ちゃん」
「ちゃん、つけないで」
「なんで?」
「やだ」
「どうしてだよ?」
「なんか子供扱いされてるみたいで、やなんだもん」
「あ、あぁ・・・ごめんw」
(まだ、子供だろw)
「で、なに?お兄ちゃん?」
「もうブラつけた方がいいじゃん?」
「・・・え?」
「目立つよ、・・・・胸」
「え・・やだっ!」
麻衣が両腕で胸を隠す。
「お兄ちゃんのエッチ!」
そう言いながら、麻衣がしゃがみ込む。
(やれやれw)
「ゴメンwそんなつもりじゃなくてさ・・・」
「べ~だ」
(まぁ、いいやw)
オレは着替えを持って部屋を出ようした時だ。
「お兄ちゃん、どこいくの?」
「シャワー、部活で汗まみれなんだ、ベタベタで気持ち悪いし」
「・・・・そうなの?」
「あぁ・・一緒にいくか?」
「べ~やです」
「あっそw」
オレは麻衣を部屋に残したまま、浴室へと階段を降りて行った。
続く