前置き長いです…
お袋(69)、姉(43)、俺(41)の三人暮らし。
俺は高卒でこの歳になってもフリータ-している、やや引きこもりな独身。
お袋は現役でビルの清掃。
姉は看護師で何故か独身。
裕福とまではいかないが、生活には困らない程度の家庭。
ある日、姉が夜勤明けで帰宅中に交通事故で病院に運ばれたと勤務先のコンビニにお袋から連絡がきた。
病院に駆けつける俺…
先に駆けつけてたお袋がオペ室の前でしゃがみこみ泣いている。
オペ中。
状態も何も分からなくて俺とお袋は途方に暮れていた…
数人の警官がやって来た。
警官曰く
夜勤明けで同僚と病院が手配したタクシーで帰宅中に信号無視のトラックと事故ったと。
同僚は即死。
タクシーの運転手さんも即死。
オペが終わり慌ただしく姉はICUへ連れていかれた。
ドクターから一応、命はとりとめたが、かなりの障害は残ると思うので覚悟して欲しいと言われた。
でも、現実感がなく何をどうすれば良いのか分からなくてただ椅子に座っていた。
四日後、姉が目を覚ます。
泣いた。
ただただ、嬉しくて泣いた。
胸椎損傷!
姉の胸から下は麻痺している。
4ヶ月後、姉は急性期病院から回復期病院へ転院。
これからリハビリが開始される。
看護師の姉は自分の現状が俺やお袋以上に分かっていて、これから長い戦いになるねとポツリと囁いた。
姉は頑張った!
泣き言を言わずに頑張った!
担当医からそろそろ退院しましょうと言われ慌てた。
SWさんが退院に向けて何をすべきかを教えてくれて、俺とお袋で急いで準備をした。
準備を終えた事を伝えると二週間後に退院することになった。
退院日に姉が勤めていた病院が職員さん一人とリフトつきの車を出してくれて、退院を無事に終えた。