ベッドの下に隠したエロ小説を母親に見られてしまった。
学校から帰ったら隠した筈の本が机の上に置いてあり、俺は赤面する程、恥ずかしかった。
その時は母親の顔を見る事も出来ずに部屋に閉じこもった。どれくらい経った時か?下から俺を呼ぶ声、俺は中途半端な返事をして一階に下りた。
父親は未だ帰ってない中で、俺ひとりだけが夕飯を食べる、母親も、つい無口になり、何時もとは違う雰囲気の中での夕飯。
「いつから、あんな本を読んでたの?」母親の声に俺は食事を喉に詰まらせ少し噎せた。
焦って訳の分からない言い訳をする俺を見て母親は急に吹き出すように笑いながら。
「良いのよアンタだって、もう高校生だし大人なんだから」と言いながら重ねて「でも、あれは小説なんだからね、小説以上の想像は駄目よ」
と言う。
と言う事は母親も、あの小説を読んだって事かぁ?等と考えながら俺は夕飯を済ませると2階に上がった。
9月の終り頃に父親に急な出張が入り二週間ほど家を留守にする事になった。
あれ以来、妙に母親を意識してしまい普段の会話に戻れないで居た俺は母親と二人きりの生活に更に緊張が深まってしまう。
父親が出張で居なくなって三日目に俺の携帯に母親からメールが届いた。
内容は、あの本の事で、気にして無いから。
との事だった。
そのメールに返信も出来ずに家に帰った俺は夕飯も風呂も済ませ、かなり遅くなった時間に母親に、ゴメン‥とだけメールを送った。
俺のメールを待ってたかのように母親から返事が来る。
面と向かっては照れ臭くて言えない事がメールでは言えるように成り俺は、少しすっきりした気分になった。
母親も向かい合ってないからか、メールの中に、恋愛とか性の事も僅かだけど書き送ったりして来た。
父親が出張で留守になって一週間が過ぎた頃に母親からのメールで
「今お風呂に居るからアナタも来なさい」
と入って来た。
メールを読んだ俺はめちめちゃに緊張して固まってしまった。
何度も躊躇い迷い、それでも母親のメールの意味が気になり、俺は意を決するように風呂場に向かった。
脱衣場の戸を開けると、母親は俺が来ないと思ったのか風呂から上がり身体を拭いている所だった。洗面台の鏡で俺を見ると、裸を隠す事なく母親は鏡に映る俺を見ながら身体を拭いた。
「アナタも入る?」母親の声に俺は声も出せずに頷くだけだった。