半年前ぐらいでした、息子の変化に気がついたのは。息子の視線が私の胸やお尻にまとわりつく感じでした。時々、外出時に感じる、いやらしい中年男性の視線と変わらないものでした。息子にそんな風に見られるなんて、夢にも思いませんでした。戸惑いと嫌悪感を感じながら、何も言う事はできませんでした。ただ、知らないふりをするだけでした。
今から、考えるとその時、もっとコミュニケーションをとっておけばよかったと思います。そのうち、時間がたてば、そんな事もなくなるだろうと思いました。でも、しばらくすると私の下着がなくなってしまったのです。頭におぞましい光景が浮かんできて、慌ててうちけしました。
でも、確かめないではいられませんでした。数日後には、息子の部屋で下着を見つけてしまったのです。頭が真っ白になりました。
私は、どうしたらいいかわからず、その時も知らぬふりしをしてしまったのです。そんな時に主人の単身赴任がきまりました。私は、迷いながらも、とうとう主人には言えませんでした。主人を見送って、家に帰った時でした。なにか不安でいっぱいで着替えもせずに、夫婦の寝室で思いをめぐらせてました。気がつくと息子が、私の事をじっと見ていました。これから、二人きりなんだと強く意識してました。それと同時に恐怖を感じました。息子が私の方に、ゆっくりと歩いてきました。私は、逃げるように部屋を出ようとしました。息子は私の前に立ちはだかってきました「何?」と聞きながら、息子との距離をとるように後ろに下がりました。息子は無言のまま近付いてきました。いつしか、私は壁に背中をついてました。
私は、金縛りにあったように動けませんでした。息子の顔が近付いてきました、頭がくらくらして、やっとことで顔をそむけました。