私が52才の時、主人が脳溢血であっけなくこの世を去りました。
滅多に病気などしない人でしたので、それがかえって行けなかったのかもし
れません。一度倒れたまま、24時間意識が戻らぬまま帰らぬ人となりまし
た。当時私達夫婦と長男の3人で生活しておりましたが、その時から息子と
の2人暮らしに変わりました。息子と私は25才の年齢差がありますから、
当時彼は27才位だと思います。結婚はあまり望んではいなかったのです
が、その原因がまさか私だとは思いもしませんでした。
それを知ったのは、主人が亡くなって半年ほど過ぎた頃でした。
「こう言うのマザコンって言うんだろう・・?」
息子を目の前にしてどう話したものか悩みました。
「ずっと前から母さんの事が好きだったんだ。どうにもならない事は判って
いたけど、それでもいいと思っていた。」
淡々と私への思いを息子は一気に語りました。
「馬鹿な子ね・・こんな小母さんのの何処がいいのよ・・。」
息子にそう云いながらも、嬉しい気持ちはありました。
しかし、その後で彼が私に言った事は思いもしない事でした。
「母さんと一緒になりたい・・。」
息子は事もあろうに、母親の私との結婚を望んだのです。
息子が真剣なのは、私にも良くわかりました。
主人が亡くなった今なら、もう息子にとっての障害はなくなっていたので
す。
「無理言わないで・・私お父さんの事愛してるのよ、いくら亡くなったから
ってそう簡単には行かないわ。」
母親と女と妻の立場が複雑に絡み合い・・私の心は乱れました。
そして長い間悩みぬいた末に、主人の命日まで待ってもらう事に。
その間に息子の気持ちに変化がなければ・・その時私は彼を迎え入れると言
いました。
そして・・あの日、私達はそろって主人のお墓参りに出かけました。
主人のお墓の前で手を合わせながら、主人に許しを願いました。
「ごめんなさい・・あなた、あなたの事は忘れません。でも、これからはあ
の子と生きていきます。結婚と言う形はとれないけど・・あの子の為に生き
て行かせてください。」
必死に主人に謝り、願いました。
彼も同じように、墓前でお願いしたようです。
その夜、私と息子は・・一組の男女になりました。
別々に敷いていた寝床も、その夜一つとなりました。
私にとっては2度目の初夜、息子には正にその名の通りでした。
主人の位牌を置いた部屋を避け、息子の寝ていた部屋を使用しました。
53才の女と28才の男とのセックス・・それは想像をはるかに超えたもの
でした。セックスから長い間離れていた私です。そんな私を息子は優しく導
いてくれました。息子は私の知らないところで大人になっておりました。
私達はすんなりと夫婦になったのでした。息子に抱きつく私を彼のものが激
しく攻め立てました。必死に声を抑えましたが・・次第に・・。
女だと言う事がこんなにも幸せなことだと・・実感した瞬間でした。
そう・・あの時。