「ねぇ・・。してよ・・・。」
してよ、っておまえ・・・。
「なんでも、させてあげるから・・・。」
あの、近親相姦ですよ?
やったら、あかんことですよ?
「お願い・・、こんなこと頼めるの、あんたしかいないんだもん・・・。」
だったら、外に出ろ。
引き篭もり歴4年になる、うちの姉貴。
中学後半から、ひどいイジメにあって部屋に閉じこもるようになった。
親は、顔を合わせると小言しか言わないから、完全シャットアウト。
すでに生還は、ほとんどあきらめてる。
6畳一間のゴミステーションと、外界を繋ぐ唯一の生命線は、文句たれない俺。
携帯にSOSが入り、何回買い出しに行ってやったことか。
ものの見事なアニヲタ腐女子で、色気の「い」の字もないような奴だが、やはり、性欲はあるらしく、ある晩、唐突に言い出した。
違法ダウンロードしたアニメを山ほど抱えていて、それを眺めに行ってたときのことだ。
「あんただって、したいでしょ?」
半分涙目になって、ものすごく切実そうな顔で訴えていた。
そりゃ、したい年頃だけどさ・・・。
禁断の垣根を越えるほどの勇気はまだ・・・。
ってか、お前風呂入れ!
くせえんだよ!
黒縁メガネに、貞子顔負けの無造作に伸ばした長い髪。
身体はほっそり、胸もそこそこあるが、こんな女に欲情するわけがない。
おまけに、ゴミ溜めのような部屋の中でも、さらに匂い立つほど臭いときたもんだ。
その、よれよれのパジャマと毛羽だったカーディガンは、いったい何年前に洗った?
「だめ?・・・」
あたりめえだ!
とは言わず、こっちもやりたい盛りではあるので、取りあえず俺の部屋からウエットティッシュを丸ごと持ってきて、身体を隅々まで拭かせてから、すっぱで目の前に立たせてみた。
恥ずかしそうにしながらも、足まで開いて、覚悟を決めたように俺を見下ろしてた姉貴。
あら、意外といけるかも?
腕や足は、ほっそいが、胸と尻はそれなりでかい。
メガネとったら、すっぴんの顔もまあまあ。
と言うか、前髪が長すぎて、ほとんど目元が見えない。
でも、それが意外とはまって、ついでに、はめちゃうことに。
いや、それにしても匂いがきつかった。
マンコに顔埋めたときは、目に染みて、涙さえ出た。
お尻も、ものすごい匂いしてたもんな。
やりたい盛りで、箸が転がっても起つ年頃だったからできたのよ。
感謝しろよ。
ほとんど人間関係の構築できない姉貴だから、処女だとばかり思いきや、なぜか、すんなり。
なんで?
「これ、使ってたから・・・。」
と、恥ずかしそうに枕元の棚から出してきたのは、サランラップの巻かれた極太サラミソーセージ。
乾燥しきって、しわしわの張り艶なし。
いったい、いつんだこれ?
って言うか、お前、サラミに処女あげちゃったわけ!?
「血は・・・出なかったよ・・・。」
そんなこと聞いちゃいねえ。
しかし、いくら我慢できなかったとはいえ、初めての相手がサラミとは・・・。
呆れもしたけど、なんだか可哀想にもなった。
毎日、悶々としてたんだろうなぁ・・・。
「したくなったら、してやるから、もう、こんなん使うなよ。」
いくら見捨てられた姉貴とはいえ、サラミが相手じゃあまりにも可哀想すぎる。
恋愛感情とかは、まったくなかったが、情にほだされて、それからは、相手してやるように。
なんでもしていい、って言うから、取りあえずギチギチに縛ったり、髪の毛掴んで嘔吐くくらいしゃぶらせたり、したい放題してた。
その方が、姉貴も好きみたい。
立派な変態さんだよね。
「好き・・・。」
最近じゃ、すごく甘えてきて、猫みたいになってる。
気しょいこと言うな!
でも、日を追うごとに、なんだか可愛く思えてんのも、事実なんだよね。
「今度、外出てみっか?」
「どうして?・・・」
すごく脅えた顔してた。
まともな世界で、どんな顔を見せてくれるか、見てみたかった。
もっと明るい世界で、こいつの顔を見てみたい。
でも、無理だわな・・・。
外の世界が、怖いんだから。
「青姦したいから・・・。」
「え?外でするの?」
「ん。」
取りあえず、言ってみた。
人生最大の難局にぶち当たったみたいに、悩んでたっけ。
「外じゃなきゃ、ダメなの?・・・。」
「だめ。」
ちょっと意地悪。
泣きそうな顔したから、許してやるつもりだった。
「じゃぁ・・行く・・・。」
「え?」
こっちが驚いたわい。
「行くの?」
「外で・・したいんでしょ?」
泣き出しそうな顔は、相変わらずのままだったが。
「無理しなくていいよ。」
倒れられたら困るもん。
「無理じゃないよ。そのかわりね・・・。」
「なに?」
「ずっと、手を握ってて。」
「手?」
「うん。ずっと手を握ってて。そしたら・・・・、どこへでも、ついて行く・・・。」
手ねぇ・・・。
迷子の子猫かよ・・。
でも、それがマジで、はまったんだよな。
胸を射抜くくらい、マジでやられた。
まったく、はめたり、はまったり。
おかしな姉弟だわ。
まだ、夜中しか出られない。
さすがに、昼間は怖いんだと。
人の足音が聞こえたら、すぐに隠れやがる。
おまえ、不審者以外の何者でもないぞ。
星空の下で、すっぱにした姉貴は、思った以上に綺麗だった。
「今度は、昼間な。」
「え・・やだ・・。」
俺のためなら、なんでもできるんだろ?
ずっと、手を握っててやるよ。
手を繋いでウインドーショッピングしたりとか、腕を組みながら遊園地で遊んだりとか、ふたりだけの楽しい思い出を、もっともっと増やそうぜ。
「や、山の中・・だったら・・いいよ・・。」
「あ?山の中って、なに?」
意外な返事に、戸惑う俺。
返ってきた答えに、またびっくり。
「や、山の中で、立木に縛られるのなら、しても、いいかも・・・。」
お、おまえ・・・。
マジでド変態だろ?