父親が単身赴任に成った。
期間は半年間らしい。
四人家族の我が家は兄貴は大学生でアパート暮らし。
家に残ったのは母親と俺だけで、その事にも特別の違和感は無く何等、変わらない生活が続く。
その生活に変化が訪れたのは、父親が単身赴任で居なく成って半月も過ぎた頃。大学受験に失敗した俺は浪人生活を過ごしていた。
その日も予備校に授業を受けに行き、最初の一時間で後の授業は受け終わって居たので予備校を出た。
何処にも行く宛てもなく昼前に家に戻る。
当たり前のように家に入りリビングのドアを開けると俺の目に想像もしない光景が飛び込んで来た。それは母親の自慰行為だった。
俺と視線が合った時の母親の表情、その狼狽ぶり、それは俺も同じで、その場をどうすれば良いのか分からず立ち尽くしていた。
狼狽しながら衣服を直しトイレに逃げ込む母親を見て、俺も我に返り慌て二階に駆け上がった。
‥母さんもオナニーするんだ‥
それまでは母親を女性と考えた事もなかった。
気まずい夕飯が始まり、互いに無言のまま食事を進める。
後片付けを始めた時に母親は重い口を開くように、昼の事を言い出した。
何て返事を返したら良いのか分からず、ぼそぼそと口篭る俺。
話しが続く中で、俺だって毎日のようにオナニーしてしまうから、と言ってしまう。
その辺りから少し気まずさも取れ始め、初めて母親と性に関する話しをした。
その日を境に母親と俺の距離が一気に縮まった気がして、色んな話しが出来るように成る。
それから一週間ぐらい過ぎた頃に、今までなら夕飯や風呂が済むと直ぐに二階に上がってた俺はリビングで過ごす時間が多く成った時、風呂から出て来た母親の姿を見て、何時もと違うと思い母親の姿を目で追っていた。決して体型が良い訳でもない母親だが、その日に限って何となく女性を意識させられてしまった。
俺は思わず勃起してしまい、母親にバレるのも格好悪く二階に上がろと立ち上がった。
母親が、そんな俺を見る、俺も連れて母親を見る。
離れて向かい合ったまま暫くの時間が過ぎた。
母親の視界には勃起した俺の股間も入ってる筈。
無言でも母親の思いが理解出来た気がして俺は、ゆったりと母親に近づいた。
逃げない母親の瞳が妖しく光っている気がした。
母親の肩に手を添えてみる、視線を反らし静かに体を預けて来る母親。
未だ無言の時間が過ぎて行く。
手の平に感じる母親の柔らかい体。