多くの命が失われる事。
多くの命が、今も危機に曝されている事…
毎日の報道を耳にするたびに、
哀しみと無力感に…
それでも、私の中に新しい命が居てくれる。
他にも、同じお母さんが沢山いるはず。
頑張ろうね。
私と父は罪を犯しているとしても…
赤ちゃんは何もしてない、大切な命だから…
新しい命を繋ぐ…
その事だけは、他のお母さんと一緒のつもり。
昨日の夜。
珍しく父が求めてくる…
節電のために電気は使わず、
石油ストーブを久しぶりに点けた。
真っ暗な中に赤い光が少し神秘的に…
私は横向に寝たまま。
父の無骨な手の感触と舌の感触を、
首筋…背中…太腿…
順番に感じていく。
唇を重ねる。
父の舌と唾液が入ってくる。
前は煙草臭かったけど今はしない。
身体の奥から火照ってくる…
ゆっくり、ゆっくり、気持ちが高ぶるのかな…
父は自分の唾液を塗り始めた。
私は何となく起き上がって、
父のを口に含んでみた。
愛情…?
性欲…?
わからないけど、そうした。
口の中で堅く堅くなる。
父の味がする。
これもきっと、赤ちゃんになるものかな…
「ありがとう…」
父が呟く。
思わず笑った。
少し苦しいけど、お腹の張りが弱かったから、
私は仰向けになった。
昨日はそうしたかった。
父の顔…姿が見える。
赤い光に照らされた父が、ゆっくりゆっくり入ってくる。
「大丈夫か?」
「大丈夫だよ…」
後は無言。
父は優しく身体を撫でて、ゆっくり動いた。
「気持ちいい?」
聞くと、父は頷く。
私も気持ちいい…
一つに繋がっている感触と、
父の温かさが気持ち良かった。
ゆっくりと、長い時間繋がって…
一瞬、目の前が真っ白になった…
何かが満ちるような充足感…
深い所へ落ちていくような感覚。
「ひとみ」
父の声で引き戻された。
身体が温かく感じて、ずっとこのまま…
そう思った…
今の時勢に、きっと不謹慎だと思いながら書きました。
転んでしまった事もあって、
昨日は主治医の産婦人科で検診を。(転んだ直後の時は、休診日だったので…)
赤ちゃんは無事。
もうすぐ24週に入ります。
映像を見せてもらうと、なんだか涙が溢れてしまいました。
元気に動いていて、性別は言わないようにお願いしているので、
先生は何も言わないけど、何となく男の子のような気がしています…
勘ですけどね。
病院の帰りに、義援金の振り込みをしてきました。
赤ちゃんを連れたお母さん、
お腹に居るお母さんも沢山いるはず…
何も出来ないから…
せめて少しでも助けになれば。