部屋に行って声を掛けると、山本さんは所長達の部屋に行くと言いました。
足元がふらついていて、目も座っています。
「大丈夫ですか?」と僕が言うと、山本さんは「金崎君は全然飲んでないでしょ。飲めよぉ、今から」と絡んでくる感じです。
部屋に入ると、また山本さんは西村さんの隣りに座り、焼酎を飲み始めました。
普通にこのまま楽しく飲むのかなと思いきや、やはり、中川さんが山本さんを呼びつけました。
山本さんではなく「早紀ちゃんちょっとこっち来て」と中川さんは言いました。
「早紀ちゃんとかやめてくださいよぉ。なんですかぁ、めんどくさい」
酔っ払っている山本さんは、普段よりデカい態度に見えました。
「おい!その口の聞き方はなんじゃ!」
斎藤さんが怒鳴りつけます。
「もう、私酔っててちょっとしんどいんですからぁ」
そう言いながら、山本さんは所長や斎藤さん達の前に座らされました。そして、主に中川さんと斎藤さんから激しい口調で責められました。
「態度がなってない」「目上に対する口の聞き方が悪い」「愛想が悪い」
山本さんは口答えしました。
「みんなが決まったこと守らないからいけないんですよぉ!私は悪くありません!私は所長が注意してないから注意してるだけれす!」
ろれつが回らないどころか、目も焦点が合っていません。
斎藤さんが山本さんの反論にさらに怒りを燃え上がらせました。火に油です。
「おい早紀!所長になんだその言い方は!謝れ!」
中川さんも山本さんに言いました。
「ちょっと山本さん、いいからこっち来て所長にお酌して」
山本さんは不承不承所長と斎藤さんの間に座りました。
「女なんだから最初から気利かせて酌しないとダメだろ。そういうところがお前の悪いとこじゃ」
斎藤さんが言うと、また山本さんが言い返します。
「お前ってやめてくらさい。それに女なんだからって女で悪いんれすかっ」
「まあ、女はそういうもんやわ」と所長。
「講釈垂れんと早く注げ」と中川さん。
山本さんは渋々所長にお酌します。
「いいか」と斎藤さん。「昔から女は男に従うもんと決まってるんだ!体からそうなってるんだ!黙って従え!それにお前は前の会社潰れて行くとこなくて所長に面接で拾ってもらったんだろ。何偉そうにしてんだ!」
前の会社のことを言われたからか山本さんは黙り込みました。
ムスッとしたような、今にも泣きそうな顔にも見えました。
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