とりあえず、出社した俺はA先輩とB先輩が(B先輩なんて夜勤明けそのままの勤務)今回の故人の家に寝台車でお迎えに行き、俺は三木谷会館で故人を迎え入れる準備を行っていたんだ。
準備といっても最初にはいる安置部屋の準備(式場じゃない)とその部屋で行う湯灌の準備。実際に湯灌を行うのは4人の女性従業員の中の2名。他はサポートという形だった。
この時から既に俺の周辺では普段とは明らかに違う空気が流れていた。俺一人、女4人で部屋の準備をしているだけなのだが、そこ一挙一動についつい目が行ってしまうんだよな。理由なんて簡単。ミニスカートだからに決まっている。
部屋の電気をつけて空調の電源を入れて、そして各自が花瓶に水を入れたり、線香を用意したり、座布団を並べたり・・。俺は力仕事という事で湯灌をする浴槽を持ってきたり排水パイプなんかを一緒に準備したりしていた。
これら一連の行為の中で当然のように、しゃがむ、座るといった行為が入ってくるのだが、いつも膝くらいまでのほとんど黒といっていい紺色スカートに、黒ストッキング。見えるものも見えないし、そもそも、こいつらもプロ。そんなスカートの中が見えるような足さばきをする訳じゃない。
だけど、この時はなにか割り切ってるのか、吹っ切れてるのか(この後、もっとハードな事が待っているからか・・・)普通にしゃがんでパンチラを見せてくるし、そのパンチラでさえも白が二人、ブルー、エメラルドグリーンという明るい色のものばかりだった。(普段はあえて線の出ないボクサーパンツみたいな黒下着を着用しているのは知っていた)
こいつらも吹っ切れてんのかな。と確信を持ったのが、この4人のセリフっていうのかな。「見えた?w」とか「今日だけ特別だぞ」とか、割りと楽しそうにやっているとこだった。その背景には今夜一晩と、明日の半日で何十万円もの臨時収入が増えることを考えれば、俺如きに少々、パンツを見られる事くらいどうでもないのかもしれない。と思った。
そして部屋の準備をしている時に・・・やっと初のご対面。ハンシャの方々が「おっ。ここだ」「けっこう広いなぁ」「30人くらいはいれるんちゃうか」とか言いながら入ってきたのは、全員があっちの世界に生きている喪服の方々だった。
ハンシャA「ホトケさんはいつくるんや?」
俺「15時頃到着予定です。到着次第、お湯灌を始める予定です」
ハンシャA「そうか。まだ時間あるな。ねーちゃんビールどこや?」
アカネ「こちらにございます」
(女性従業員は アカネ(25) キミ(25) アオイ(30) ミドリ(34) と呼称します。どれもこれも普通に美人であり、普段は葬儀会社の従業員です。ただミドリだけは人妻です。アカネとキミとアオイは彼氏・・いるんじゃないですかね?これだけのルックスがあれば。
ちなみに、アカネとキミが白パンツの子。アオイがブルー、ミドリがエメラルドグリーンとかけている。)
こうしてハンシャの方々は、後数巡分後に寝台車に乗せられて故人が三木谷会館に来るのを、湯灌をおこなう安置室の冷蔵庫からビールを取り出しながら酒盛りを始めたのであった。
俺は至近距離でみる初めてのハンシャの方々に失礼な事があってはいけないと内心、オドオドしながらも、(いつもの仕事をしていれば問題ない)と自身を鼓舞し、タンタンと仕事をやってのけていた。
ただ。。思ったよりハンシャの方々はマナーが良かった。関西弁で書いてるのは、ただハンシャっぽさを出すためだけであり、基本は標準語だった。(かなり崩れた標準語ではあったが)
俺の中のただの気がかりは(この、普段と違う服装をさせられている女性従業員は、いったい・・・何をするのだろう・・・)という事だけだった。正直、なにか複雑な気持ちといっていいのか。
なんて表現したらいいのかな。この人達、ハンシャの知り合いっていうだけで、基本、セクハラと呼ばれるような行為、俺がやろうと思っても出来ない行為の数々を堂々と、この女性従業員に出来ちゃうのかな。なんかうらやましいけど、けしからなんな・・・・。という気分だった。
それもそのはず。俺はこの中のアカネ(25)事を、そこそこ・・・好きになっていた部分があったからだ。そういった事も全部含めて、、複雑だったし、今の光景が信じられない部分もあった。
普通に生きていた俺が・・・こんな感じでハンシャの連中と同じ空気を吸う事が待っていただなんて・・。という気持ちだった。
ハンシャの方々は、話し方は粗暴。服装も喪服だけど、どこか威圧的。そして定番の胸ポケットに数珠という形式を守っていた。だけど、俺が恐れていたような、何かをヤカッて来るとか、無理難題を言ってくるとか、そういうのはなかった。いちおう、この場が葬儀の場である事を弁えているのかな。そんな風に考えていた。
そして15時過ぎに故人が会館に到着。そしてガタイのいい故人を従業員数名で湯灌の湯船に安置をし、そしてあとは湯灌師でもあるアカネとキミに場を任せ、俺たち従業員は席を後にしていった。
(アカネちゃん、大丈夫かな・・・)と心のどこかで思いながらも、式場の最終チェックに入っていた。
式場のチェックといっても参加人数はだいたい20名前後の葬儀との事だった。故人が普通にカタギだったんだな。と思わせるのが、ごく普通の会社企業からも花が届いていた事。そして明らかに怪しい・・・〇〇組 〇〇工業 〇〇建設といったハンシャ系組織の花札もそれと同じくらい揃っていたという事くらいか。
そして16時過ぎにはアカネとキミの手によって着物を着せられて化粧を施された故人は、豪華な鳳凰が描かれた彫刻棺の中に納棺された状態で安置室で待っていた。既にこの湯灌そして納棺の段階から、喪服を来た若衆の手伝いがあったからこそ、巨体の故人を納棺できたんだろうな。なんて考えた。
さらに。17時にハンシャokの悪徳坊主が到着。そして佐藤組の幹部数名と、故人の奥さんが寺に挨拶をしにいき、、参列者がチラホラと現れて全員揃った18時頃から通夜開始。
そこは普通通りの寺の読経、焼香、弔電読み上げ、喪主挨拶と終わり・・・・三木谷葬祭の和室での通夜振る舞いと変化していったのである。
この段階で、ここにいた3名の男従業員は、「ボーイ」へ。そして女性従業員は「コンパニオン」へと変化していくのである。
その時はこんな状況だった。三木谷会館の和室大広間で、それこそ・・・どこにでもある会社の社員旅行のように和膳が並んだ状況の中、上座に喪主(故人の奥さん)そして佐藤組長。それから順に、若頭、オジキ、若頭補佐・・といった具合に席が並んでいた。喪主と組長の料理だけ少し豪華なだけで、他は全員すべて同じ。ただ、やたらとビールと日本酒だけが普通の20名前後の葬儀の倍以上は用意されていた。
厳粛で威厳のある組長挨拶の次に、そして固まってしまった空気を和らげるような感じの喪主の挨拶が終わり、最後に「ほな今日くらいは無礼講で飲もかw お父さんもあっちの世界できっと喜んで見てもらってるわw」(無礼講になる訳ない)との掛け声のもと「〇〇さん。お疲れ様でした!」と乾杯が始まった。
宴会が開始した直後は、まだ秩序というものが存在していた。喪主さんのところに組長が盃を持っていき、そして序列準に喪主さんに酒を持ち、「もう飲まれへんってww」「形だけでもw」と、そんな和気あいあい?とした感じの空気が流れていた。
そしてウチの4人のコンパニオンは、一人頭4名前後を相手にするような形で席につき、世間話を交えて盛り上がりながらワイワイと組員たちの相手を始めたんだ。俺と残りの2名は酒を運んだり、熱燗を作ったり、とにかく組員からの「熱燗たのむわ」「焼酎ロックで」という注文を受けるのに奔走していた。
そして開始してから一時間少しが過ぎたころ。
喪主「ほな、楽しんでな。明日もあるさかい、ここいらでお暇するから。アタシがおったら外せるハメも外せへんやろw」
組長「じゃ、今からねーさん送っていくからな、後は頼むな」
組員「へい。お疲れっした!!!!!」(あちこちでお疲れでしたの声が響く)
そして組長、喪主さん。運転手の若衆、そしてボディーガード的な人?の4名が先に帰っていったんだ。
ここから始まっていったんだ。絶対に勃ってはいけない葬儀会社っていうのが。。。
若頭「ほな組長も帰った事やし、適当に楽しんでや。そやけど明日もあるさかいに、くれぐれも飲みすぎる事だけはないように。そこは頼むぞ。(へい!!!)」
組員A「ほな、アニキw いつものアレ始めませんか?w ねーさんも帰った事ですしwww」
若頭「なんや、、じゃ自分から遊んでもらってええか聞けやw」
正直、この段階では何を言っているのか分かりませんでした。
組員A「ねーさんw ちょっとおいでw」(ミドリ34の事を呼び出した)
ミドリ「はーい」
組員「今から、野球拳やろうと思うんやけど、ええか?w」
ミドリ「私とするって事ですか?」
組員「ほやなw」
ミドリ「わかりましたよ~。お手柔らかにお願いしますよー」
組員「よし、じゃ掛け声wwww」
やきゅう~=~~するなぁらああ~~~~。という聞き覚えのある掛け声が始まった。といっても幹部クラスはニヤニヤしているだけで、隣の席の幹部クラスと何か真面目な別の話しをしているように見えた。ただ掛け声をしているのはチンピラクラスっていうのか、ちょっと年齢も20~30代~せめて40代くらいの男連中が多かった。
そして組員Aとミドリが野球拳を始め、組員Aは上半身は裸(もちろんモンモン入り)下はズボンを残すのみ。そしてミドリは・・・・・。信じられない。普通に仕事をしていた今までの2年半はなんだったのか。。。。本当に信じられない。組員に負けて上下とも下着姿になっていたんだ。
「ねーちゃんスタイルええなぁ~」「こっちお尻向けてぇ」と、若手組員がワイのワイのいう中で、ミドリも酒を飲まないとやっていられないのだろう。完全に酔っぱらいながらモデルのようなポーズをしたりしていた。
俺は見ちゃいけないのか。それでも目に勝手に入ってくる。俺はただ、黙々と酒作り、開いた酒瓶を片づけたり、おしぼりを持参したり、、目の前の雑務に集中をしていた。
複雑な気分であったが、まるでソフトオンデマンドの企画もののAVを見ているような、そんな光景でもあった。そしてミドリは下着姿のまま、組員を順番に酌をしにいくのだが、一周しおわった後のミドリのブラやパンツには、多数の一万円札が挟み込まれていたのだった。
(こ、、、、これが佐藤組系の盛り上がり方・・・・なのか・・・)と、あらゆる方向で、そしてあらゆる意味でも驚愕ばかりする俺だった。
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