僕「はい」
新野「あ、出た。」
僕「ああ、新野さんか」
新野「ああじゃないよ。あなた達に話があるんだけど?」
僕「え・・? あなた達?」
新野「うん。決まってるでしょ?多田君と紗栄子氏の2人で、あなた達」
僕「一体何の話?」
新野「それは会ってから話します。電話で出来る話なら電話でしてる」
僕「はぁ。。。」
そして新野さんから無理やり、話とやらの日時を決められた僕。新野さんと電話を切った後、すぐに先輩に連絡をしたのです。
僕「先輩、、、なんか新野さんが話があるって聞いてますか?」
先輩「うん。夕方メール入ってた。」
僕「話って一体なんなのでしょうか?」
先輩「これは話っていうより、、審議かな?」
僕「審議?」
先輩「ええ。教団、いや私たちのグループの中での公式的な会議の事。だけど・・・嫌な議題の時はこんな感じで話を振られる感じかな」
僕「なんか、問題あったんでしょうかね」
先輩「さぁ・・・わかんない。とりあえず行ってみるしかないけどね」
後から知った話、僕達は張り込まれていたのです。
僕が先輩の家にいき、数時間滞在した後に、先輩と別れ際にキスをしたりしている光景。それを見られた翌日に審議による聴取がかかったのです。
>>審議当日・・・・
僕と先輩は先に二人で待ち合わせし、審議会場である吉川さんの家に行くことにしました。
あくまで公式の場だからか、先輩はショートボブであっても、服装はいつものロングスカートにブラウス姿の淑女スタイルでした。
そして、行く道中はさほど話をしませんでしたが、以下の会話をした事だけは明確に覚えています。
僕「先輩・・・この審議がどういうものか分かりませんが、新野さんがもし、僕達を攻撃してくるなら、それを僕が反撃する際、先輩の事、いや先輩が大事に守ってきた教団の事まで攻撃してしまうかもしれません。都合のいい理論ですが、僕は先輩を攻撃している訳じゃないという事だけは信じてください。」
先輩「ふふ・・w そうね♪」
僕はなんとなくこの呼び出しの意味が分かっていたのです。それは新野さんが電話をしてきた時のあの冷たい口調。(これはただ事じゃないな・・・)と思ったものです。
>>吉川宅
ピンポーン♪
吉川「はーーい」
紗栄子「〇〇ですー」※先輩の苗字
吉川「はーい」
そして玄関ドアが開きました。先輩と同じくらいの規模の建売住宅。こちらはどうやらご主人と一緒に住んでいるようでした。
玄関を上がり、リビングルームへと案内された僕達。すると、そこには既に異様な空気が張り詰められており、そこには以下のメンバーが座っていたのです。
▲質問者グループ
①新野(新野グループのリーダー このメンバーの中では最も危険な存在)
②A山(50代男)
③B原(40代女)
▲審判
④吉川
⑤西田(中立ではあるが、先輩とは古い仲であり良き理解者)
そして、上記のメンバに下記の2名が加わった形となりました。
▲回答者
⑥紗栄子(裏グループの元指導者 能力、知性においてはこのメンバーの中では優にNo1ではあるが・・・)
▲証人
⑦多田(元ED 教団によりEDを完治させバイアグラの服用を克服する事に・・・って、オイw)
もちろん、この審議が始まる前までは僕も先輩も、新野グループの意図、目的ははっきりとした確信はありませんでしたが、すぐにそれは理解される展開へと進んでいきました。(僕は薄々感じてましたが)
①~④の新野グループのメンバーは、この審議をもって先輩を公開処刑し、裏グループからの永久追放。そして⑦の証人である僕も、場合によっては(僕の回答次第では)永久に裏グループからの除名というものがかかった審議だったのです。
ただ追放といっても、あくまで裏グループからの追放であり、表グループについては憲法で保証されている信教の自由の観点から、今回は議題には上がらない感じでした。そもそも今回の審議は裏グループでは公式でも、表の教団からあれば、非公式もなにも、、、存在する事自体が非公式だからです。
西田「では。。。みなさんお揃いなので、今回の議題を始めさせていただこうと思います」
周囲「はい」
西田「えーと、まず、今回の議題の形式は審議という形をとりまして、質問者と回答者の一問一答形式で行いたいと思います。質問者は新野さん、A山さん、B原さん。回答者は紗栄子さん。そして証人として多田さんにご参加いただいています。
これから質問者グループの方の1名が回答者である紗栄子さんに質疑を行いますので、紗栄子さんはその問いに自身の見解を述べて頂こうかと思います。ただ、注意していただきたいのは、一問一答形式ですので、質問の間に他の人が割り込まない事。それはお願いしますね。そして質問者の問に回答者が返答に窮した場合、その場合は質問者の主張に理があったと判断させていただきます。またその逆もしかりです。
また、証人で来ていただいてる多田さんには、この質疑の中で、何か個人的に意見を言いたい場合があれば、あくまで「真実を伝えるという意味」での証言をしてください。もし、何もないならただ見て頂いてるだけでもかまいません。では、始めましょう」
周囲「はーい」
僕「はい。」
紗栄子「ふふw」
(なんなんだ・・・この先輩の落ち着きは・・・・。僕のほうが焦ってるよ・・・。)
新野「えー、、では早速ですが、まず最初の質問をさせて頂こうと思います。先日、、このような報告を受けた次第です。あるグループの一員が、自宅謹慎中の紗栄子さん宅に、謹慎中の自己研鑽に役立ててもらおうと先生の本をもってお伺いようとした際・・・偶然・・・自宅の前の多田さんと紗栄子がキスをしていた。という光景を見たというものです。多田さんと紗栄子さん。私たちは少なくとも今は、二人は会ってはいけない間柄になっているという認識でいたのですが。。その点、お聞かせくださればと思います。」
紗栄子「はたして偶然かしら?w では答えましょう。その「見た」というグループの一員は、どなたかしら?証人の出廷と、そして証拠の提示をお願いします。」
新野「それは個人的な事なので、この場では伏せさせていただければと思います。」
紗栄子「ここは公式の場です。個人的な言動は慎んでください」
新野「・・・! でも一緒にいたんでしょ?」
紗栄子「いいえ。私は当日、外出していましたよ。証人の多田さんにも聞いてみたらいかがですか?」
新野「証人の多田さん、先ほどもお話があったとおり、「真実を伝えるという意味」での証言をお願いします。あの日、紗栄子さんの自宅に滞在していましたよね?」
僕「いいえ。その日はずっと家でゲームしてました。」
新野「・・・っク!!!! 見たっていう人は吉川さんですよ!吉川さん見たんですよね?」
吉川「はい。〇月〇日〇時〇分 私は紗栄子さんの家から多田さんが出てくるのを見ました。この目でみたのです」
紗栄子「その目でみたんですね?」
吉川「はい」
紗栄子「では、その目に聞きます。私たちが二人でいるというところを見た事が真実である、証拠として、その目を証拠として今すぐ取り出して出してください。私は証人と、証拠の2つの提示を求めたはずです」
新野「だったら、二人が居なかったっていう証拠を出してみなさいよ」
紗栄子「ふふw 証拠なんてありませんよ。」
新野「やっぱりないんじゃない!?」
紗栄子「証拠がない。それは、吉川さんの主張も同じでは?w」
西田「はいはい、、次の問」
新野「・・・!!!!」
A山「では、次は僕が質問させていただこうと思うのですけど。」
西田「どうぞ」
A山「これは、僕達のグループ仲間の中でも話題にするのはタブーだとされている事を口にする事となります。みなさんお許しください。」
西田「審議の場ですから。どうぞ」
A山「僕が思うに、今問題になっているのは新入会員の多田さんと、古参の紗栄子さんが、本来あるべき教義とは、まったく別の関係になっている、というところが問題になってるのだと思うんですよ」
A山「紗栄子さんとは皆さんもご存知の通り、僕も秘儀をさせて頂いた経験もあります。ただ、そのさい、この中でも一部の方は知っていると思いますが、僕が「秘儀というより、オトコとオンナのセックスだった」とお話した事をご記憶にある方もいるかと思います。」
A山「そして、新野さんとも秘儀を行った事もありますが、新野さんは、いっちゃ悪いけど、紗栄子さんとは違って、まさに厳粛な秘儀であり、私も信仰心が高揚していくのを身で感じた次第です。だから、おそらく、、多田君は、一時的に紗栄子さんに惑わされているだけなんじゃないかなって。」
紗栄子「続きは?」
A山「こうして新野さんとも、紗栄子さんとも秘儀を行った経験のある僕だからこそ言わせてもらうのですが、多田さんは本来、新野さんに指導を受けるべきだったと思うんですよね?それをいつからか、紗栄子さんが横から入った形となって、、結果、こうなってる訳じゃないですか? ですから、本来あるべき姿に戻って、今後は新野さんが多田さんの指導教師となって、紗栄子さんは身を引くべきだと思うんです。私からは以上です」
西田「A山さんは、こうおっしゃってますが、紗栄子さんはいかがでしょうか?お答えください。」
僕(やべーな・・・一番、突かれたら弱いとこだ・・・・・先輩、なんて答えるんだろうな・・)
紗栄子「では、それについてお答します。 ふふ・・w 」
紗栄子「A山さん。あなた・・・本当に新野が、多田君の直属の指導教師となる事を あ・な・た・は・ほ・ん・と・う・に・望んでいるのかしら?」
西田「質問に、質問で返さないでくださいよ」
紗栄子「ごめんなさいねw でも、こればかりは申しわけないです。あなたの答えによって、私の答えが変わります」
新野「A山さん、はぐらかされないで!」
西田「A山さん、どうですか?」(なんだかんだ、紗栄子さんの理解者w)
次回、乞うご期待!!!!
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