だが、オッサンとの出会いで感動したのもつかの間。家に帰ったら元の俺に戻ってた。
オッサンとのあの時、妙になにか俺の中でアツいものが湧き上がってるのを感じたが、きっとあれは酒に酔った一時的な高揚感なんだろう。酔いがさめた時にはそう思っていた。
が・・・数日後、俺は建築現場で事故を起こしたんだ。
事故といっても人身じゃない。。。俺が・・・倒れたんだよ。
理由は血糖値、尿酸の関係。原因は飲みすぎ。不摂生。
救急車で病院に運ばれる頃には意識は戻っていたが、全身の脱力感がひどかった。この症状の理由が分からない俺は、(もしかしたら脳梗塞か?)このまま死ぬのかな・・・とも覚悟した。
そしてHCUに運ばれて点滴を打たれ、看護師達の手厚い看護もあって、俺はなんとか自力歩行できるくらいまで回復したのだが・・・。
医者「肝機能が満足に働いていませんよ。このままいけば、、透析も近いでしょうね」
A山「え?透析?俺まだ40なったばかりっすよ!」
医者「40代でも30代でも、透析かかる人はかかりますよ。真剣に・・・自分の生活習慣を見直してください。」
A山「はい・・・」
手渡された断酒会のパンフレット・・・。
20代になる前か、その頃から常習化していた飲酒。その不摂生してきたツケが回ってきたという事か。
(このままでいいのか俺・・・・)と、この時になって初めて自分の人生を真剣に考えてみたんだ。
それでも俺は帰って酒を飲んでいた。。。
そして・・・・・その酒の勢いもあったのかもしれない。
プルルルル♪ プルルルル♪
指導者「はい。瀬川です」
A山「あ、、瀬川・・・さんですか。あの、以前、事故の時のバイクのってた男なんですけど」
指導者「ああー。あの時の?w」
A山「覚えてくれてましたかw」
指導者「ええ。そろそろ、今日あたり連絡がくるんじゃないかと。待ち構えておりましたよ」
A山(マジか・・・? そんな事までわかるのか?)
A山「ありがとうございますw あの、先日、宗教の話を聞かせてくれるっていう話なんですけど・・。ちょと真面目にきいてみようかな・・wなんて思って・・へへw」
指導者「ええ。いつでも構いませんよ。・・お、そうだ。お名前は?」
A山「遅れました。A山と申します」
指導者「A山さんですねw 瀬川です。よろしくお願いします」
A山「こちらこそw」
指導者「では・・そうですね。。〇月〇日に、今から申し上げる住所に起こし頂く事は出来ますか?この住所、私の住まいなのですが、この日に説法と、少しの修行をしますので、興味があるならいかがかと思いまして?」
A山「ぜひwww」
この段階になっても俺は、(この人達の輪に入れば、もっと今よりマシな仕事を紹介してもらえるかもしれないな・・w)とか、そんな事を思っていたよ。
>>当日
あらかじめ、ドアのインターフォンは鳴らさなくていいと聞いていたモンだから、俺は言われた通りに家の中に入っていったよ。オッサンの一人暮らしにしては、それなりに豪華なマンションだったかな。3LDKくらいの。
玄関を開けると、その中には瀬川っていう、例のオッサンが真ん中に立って5名の男女、俺と同い年か、それより下の人達が瀬川のオッサンの話を聞いていたんだ。
指導者「怒りを捨てよ。慢心を除き去れ。いかなる束縛をも超越せよ。名称と形態にとにこだわらず、無一物となった者は苦悩に追われる事はない。
怒らないことによって怒りに打ち勝て。良い事によって悪い事に打ち勝て。わかちあう事によって物惜しみに打ち勝て。真実によって虚言の人に打ち勝て・・・・」
そんな話をしていたよ・・・。
A山(す、、すごい。。。なんてシンプルで、、なんて心に響く話なんだ。。。怒り・・・それは俺の心の中を巣くっている俺、そのものじゃないか・・・)
すると指導者は、俺が部屋に入ってきたのに気が付くと、すこし笑みを送ったあと、さらに説法を続けていた。
この時にいたメンバー。当時はわからなかったが・・・。
紗栄子32歳
吉川25歳
西田35歳
B原33歳
名前も忘れた信者 50代
だったと記憶している。
だが・・・この団体、このグループが異様な集まりである事はすぐに理解できた。
ここにいる男も女も、全員が全員、白い浴衣のようなものを着ていたんだよ。
特に異常だったのがオンナ。浴衣みたいなの着るのはいいけど、、中国製の安物なのか?見事に全員が全員、中の白パンツを透けさせて正座しているんだよ。
A山(って。。なんかエロいぞ普通に。。。この人らの集まりでは、こういうの当たり前なのか?)
そして説法が終わり。。。指導者が俺の事を他己紹介してきたんだ。
指導者「では、、今日の話はここまでです。そして、皆さんに紹介したい人に来ていただいています」
紗栄子「・・!?」
指導者「A山さんですw 少し自己紹介してくれますか?」
A山「あ、どうも。いまご紹介にあずかりましたA山と申します。先生とは以前にちょっとしたご縁で知り合いまして、先生がされてる活動に興味があって本日お邪魔させていただきました。」
そんなこんなで、急遽、俺の歓迎会みたいなのが始まったんだ。出てきたのはコーヒー、紅茶、クッキー等など。
こんなアットホームな雰囲気に慣れていない俺は、かなり戸惑いを隠せなかったが、最終的には俺は指導者と二人っきりの時間を持つ事になった。
指導者「普段、なかなかこういった集まりに参加する事はないでしょう?」
A山「ええ。。このグループは何を目指しているグループなのでしょうか」
指導者「そうですね。いうなれば。。。超越。いまある自分からの超越。ですかな」
A山「超越・・・?」
指導者「この世俗のありとあらゆるものを捨て…、本来あるべき無一物になるのを目的としています」
A山「それをしたら、何か変わるのでしょうか?」
指導者「変わらないですよ。いえ。元に戻るだけです」
A山「はい・・」
指導者「私はこう見えても回りくどい話は嫌いなタチでね。いかがですか?A山さん。この場にいればお酒飲まなくてもいい訳でしょう?あなただって生まれてきた時は無一物であり、お酒なんて飲んでいなかったでしょう? いかがですか。私たちと一緒に活動してみませんか?」
A山「ぜ・・・ぜひ・・w」
この圧倒的なオーラ。そして、透けパン女どもと一緒に活動できるという、妙な誘惑。
やらなければ元の生活が繰り返されるだけだ。やれば・・・何かあるかもしれない。
そんな感じで損得勘定を働かしただけなんだよ。俺が入信したきっかけなんてものは・・・。
だが、驚くべき事はもっと先にあったんだ。
それは・・・・
秘儀・・・・・
・・・・・・・・
次回、乞うご期待!!!!
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