第006話【美樹との逢瀬…そして半年後】
それからというもの、毎週土曜日の日中は彼女と過ごすという事が恒常化してきました。
必ず昼にまたがるように会って、お昼時には、彼女が作ってきてくれたお弁当を頂くという毎週ハイキングをしているような気分でおりました。
二度目の合コンの話はどこへいったのやら、そんな話は微塵も出されることなくお互いの生い立ちの話、学生時代の話、結婚、そして彼女の夫婦生活(夜の生活という意味ではないですよ。)(^^;
そんなとりとめのない話をしながら、このような関係を、半年間近くも続けておりました。
彼女とのプラトニックデートというかお付き合いごっこというか、そのようなものを半年も続けておりましたらさすがに色々と気が許せるようになってきまして、ちょいとHな話をするようになったかと思うと、あっという間に互いの配偶者とのSEXの話にも及んできていました。
だからといって、H行為は一切しておりませんでした。
彼女からこれまで聞いた話によると、彼女はこの時から10年前の20歳になる年に今の旦那と結婚したそうですが、子供は未だにいないという事がわかりました。
旦那がちょっと仕事人間っぽい所があるのと、また、かなり夜の性活も淡白なのだそうで、ここ5年間の彼女と旦那の性行為というものは、 月に1回彼女が最も着床しやすくなるタイミングでのみ行うという、単に子供を作るためだけのSEXとなってきていたという話も聞きました。
その数少ないSEXの時ですら、旦那の前戯というものはおざなりであり、美樹が旦那のものを大きくした後、彼女自身が濡れきっていない膣口にローションなどを塗って旦那のモノを受け入れ、その後は彼女の中で放出して果てたらそれでおしまいという、実に雑なものらしいというものでした。
19歳という若さで結婚して家庭に入り、やや10年の間、面白くも楽しくもないようなセックスしかしていないなんて…随分可哀想な子だなあ。と思いながらその話を聞いていました。
すると、彼女がいきなり…
「あは。アツキさん?今、可愛そうだ女だって思ったんじゃないですか?」
と、言いだしてきたのです。
「あ。う、うん。まあ、少なくとも、楽しいって思えるようなセックスはしていないんだぁとは思ったよ。」
「やっぱり!じゃあ、こんな可愛そうな私を励ましてくれませんか?」
「え?励ますってどうやって?」
「え…私…いま、凄くアツキさんにしてほしいなって思っていることがあるのですよ。あのですね…私にキスしてくれません?」
ってはにかみながら言い出したのです。
「へ?」
正直私は戸惑いました。
今まで、彼女とHな行為をしなかったのは、彼女が人の妻であって、そういった行為によって背徳な思いをするのに耐えられるかどうかわからなかったからなのです。
(今、考えたら、当時の私は随分ピュアだったのだなと思いますが・・・)
でも、気がついたら、次の瞬間には、しっかりと彼女を手繰り寄せて、彼女の愛らしい唇に自らの唇を重ねていました。
更には、舌の先を尖せながら彼女の口内へと侵入を企みますが、彼女はそれに対して全く抵抗もせず、むしろ私の舌を招き入れるかの如く吸い込みながら、彼女も舌を絡めてきてくれました。
長めのキスを一旦やめて、唇を話し、彼女の目を見つめました。彼女の目はとろんとしており、その妖艶さはそれまで感じたことがないものでした。
そして、二度目のショッキングなセリフに私は自分の耳を疑いました。
「私、やっぱり、アツキさんが好き。アツキさんの腕の中で寝てみたいです。」
この一言で、私の理性のタガが外れちゃいました。これまで約半年、頑強だと思い込んでいた砦が音を立てて崩れ去るのがわかりました。
(俺は、ヘタレだ。こんなセリフを女の子から言わせるなんて…)
そう心で思いながら…私は、近くのラブホに彼女を連れ込みました
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