第055話【タカとテル】
流石の私も、こういうセリフを聞いてしまっては………ねえ?(笑)
私は立ち上がりました。勿論、ここで行かないといけないと思ったからです。
一気に垣根を越えて行きます。
「こんにちは。」と彼らに言いながら…。
「あ、アツキさーん。」
美樹が私の姿を見つけてすぐに声をかけてきました。
美樹の声掛けに慌てて振り向いた二人の男たちは、突然の私の出現が信じられないのでしょう、驚きを隠せないようです。
「こんにちは。」
先ほどの挨拶に何も返答してこない男たちに私は、もう一度、声をかけました。
「す、すみませんでしたー。」
返ってきたのは、「こんにちは」という返事ではありませんでした。
「すみません」という陳謝の言葉だったのです。
ここから、その男たちの平謝りが始まりました。まあ、これまでの流れからすると当然といえば当然の光景でしょう。
彼らにすれば、ここで開き直るか平謝りするか、はたまた逃げるかの選択肢しかないわけですから。
「まあ、もう、いいから。」
でも、彼らは、この私の台詞に驚いたようです。
「えっ?」
「だって、今更謝られたってしょうがないだろう?違うかい?」
私は、そう彼らに言いました。
正直、平謝りされても…と言うより、聞き飽きたのです。
そんな私の言葉に、男たちは、何も言わずにコクりと頷いただけでした。
「でもさ?まずはさ?どういう経緯でこういう事になったのかを説明してくれないかな?話はそれからでしょう?」
「はい」という返事の後、私とすれ違った後に露天風呂に来たこと。
脱衣場でオープンブラが入った脱衣籠を見つけたこと。
それを取り出してしげしげと眺めたこと。
男湯の露天湯船から垣根越しに、混浴湯船にいた美樹を覗いていたこと。
脅迫まがいのことを思いついて混浴露天風呂に移動したこと。
などを次々と告白していきました。
一通りの話が終わったところで、まず、私が言ったのは、女に見せろ見せろと言った割には、自分たちのものはひたすら隠している今の状況には納得できないという事でした。
何を言いたいのかというと、自分たちの股間のものはきっちり隠しておきながら美樹に出せ出せ見せろを連呼していたというのはフェアではないのではないか?という意味です。
これは、美樹にも確認しました。
美樹は二人のイチモツをこの段階まで見ていない事を。
そこで、私は、二人に股間を晒すように指示しました。
先程二人が美樹にしたことを逆にしてやろうと思っていましたからね。
「あの…まさか、出したあとに、切るとか潰すとかしませんよね?」
これを言われたときは、(ああ、こういうことも考えていたんだこの人たち)って思いました。
「大丈夫。そんなことはしないよ。そんな事したら犯罪者になっちゃうじゃん。そうじゃなくってさ?あくまでも俺は、フェアじゃないよね?って意味で言っただけなのだからさ?」
このセリフを聞いて幾分かは安心したのでしょう。二人で顔を合わせてタイミングを合わせ、立ち上がり、股間を晒してくれました。
やはり若いイチモツですよねえ?この段階では勃起しているようなことはありませんでしたが、しっかりとしたものです。サイズは、まあ、二人共普通かな?
「ところで、どうだった?彼女のおっぱい見て?何か、さっき、リップサービスしていたみたいだけれど。」
二人の男にこの質問を切り出しました。
「あ、いや、あれは、本心ですよ。同級生の女よりも綺麗だし、色っぽいし。身体も凄いですし。なあ?」
と、友人に意見の同意を求めます。
友人も、そうそうと首を縦に振ります。まあ、これも当たり前の反応でしょうけれど。
「ふーん、そうなんだ。ところで、君たちはいくつ?」
「あ、俺は、27です。こいつは25。」
「ふーん、25歳の君も、5歳も上の女でもいいって思うの?」
もう一人の後輩君にも聞いてみます。
「あ、はい。全然奥さんには見えなかったです。俺の同級生でも、もっとおばさん臭いやついますし。」
っと、こういう感じに相手が従順になってくると、またまた俺の良くない考えがムクムクと鎌首をもたげてきます。
「ところで、君たち。まだ、彼女の裸を見たいって思っているのかい?」
と、こう切り出してみました。
「あ、それは、もう、いいです。」
「そうだよね?なんだかんだ言っても年上だしね?」
「いや、そう言う意味じゃなくって…」
「君たちは、ここによく来るのかい?」
「たまにですね。今日は二人共休みだったので朝から行くかなって。土曜日だったし」
「そっか。温泉好きなんだね。まあ、ここ割と空いていてゆっくり入れるしね。」
「そうですね。空いていますね。あと、土曜日に来るといいものが見れるかもしれないって池さんに言われていましたし。」
(池さんに言われていた?)これが引っかかりました。池さんというのは恐らくここのオヤジさんのことを言っているのです。
「池さんって、ここのオヤジさん?マスターのこと?」
「あ、はい。そうです。」
「いいかもしれないって、何が?」
「あの…今から言うこと怒らないで聞いてくれますすか?」
「ん?あ、何だかわからないけれど、いいよ。怒らないよ。」
「土曜日の朝から来たら、露出好きの若い子に会えるかもしれないよって言われたんです。だから、今日は張り切って来たのです。」
「は?そんなこと言われていたの?オヤジさんに?」
「はい。それで、さっきも、今日来ていて入っているぞ。って教えてくれたんです。」
あのクソッタレオヤジって思いましたね。
いやいや、正直、脱衣場での状況があんな感じであったり、混浴の湯船に美樹がひとりで入っていたとしても、今回のこの若者の行動力はちょっとありえないなとは思ってはいたのです。
でも、オヤジさんからの事前情報があったとすれば。それも、今その露出好きの女が入っているなどという直前情報ならば、なるほどなと思いました。
「それで?後は何か言われた?」
「その女の子は、押しには弱いって…」
あーこれで決まりました。今日のこれは、オヤジさんの策略だったと。
或いは、先ほどの復習だったのかもしれません。
「ひょっとしてだけれど、美樹が男性脱衣場で脱いだって話も聞いていた?」
さすがにこの問いには即答しませんでした。でも、即答しないことがそうであった事の裏付けであったと確信しました。
「はい。すみません。聞きました。すごい下着つけていたってことも。あの、すみません。ごめんなさい。」
またまた二人の陳謝ラッシュです。
「いや、いいって。もう謝らなくって。逆に正直に答えてくれて、有難う。」
美樹の方を見ると、とても不安そうな顔をしています。
もっとも、私がこの若者と話をしてからはほぼ口を開かずにずっと話を聞いていましたが時折、不安そうな表情で私や彼らを見つめていました。
でも、こんな話を聞かされて、不安というか、この宿に対して、基、オヤジさんに対しての信頼というものは失墜しているのでしょう。
そんな美樹の心情はわかっていながらも、私はこう言って縁石に腰をかけ、半身浴を始めました。
「あ、俺のぼせそうだ。」
私のそれに合わせて、彼らも近くの縁石に腰をかけます。そのままの状態で相変わらず股間は晒したままです。
「美樹は大丈夫かい?」
まだ、湯船に浸かっている美樹を見ながら彼女に問います。
「え?だって………恥ずかしいし。」
「大丈夫だって。要所は隠せばいいんだしさ?嫌なのかい?」
「あ…いいえ。大丈夫です。」
大丈夫だと言いながらも、彼女が人様に肌を晒すときに見せる引きつった表情をここでも、浮かべています。
それを浮かべながら、また、おずおずとしながら両手を使って乳首と股間を隠して私の横に並ぶ美樹なのでした。
美樹が半身浴を始めてから数分で二人の若者の様子が劇的に変化していきました。
晒している股間を何気なく隠すようになったのです。
でも、それを見て見ぬふりする私ではありません。
「どうしたのさ?さっきから股間気にして…隠しちゃダメじゃん。」
「あ、いや。えっと…」
やはり恥ずかしそうにしています。しかし、それで引き下がる私でもありません。
「だから、どうしたのさ?」
「あはは。恥ずかしい話なのですけれど、美樹さん見て元気が出てきちゃいました。」
頭を掻くような素振りをしながら照れ笑いを浮かべてそう言ってきました。
「へえ。だってさ美樹。若い子が、美樹のセミヌード見て勃ってきたらしいよ。」
でも、いきなりそんな話を振られてもという表情を浮かべているのが美樹です。
「ああ、そ、そうなんですか?」
それしか言いません。
「あのー…」
27歳の彼が何か聞きづらそうにしています。
「ん?どうしたの?」
「あの、アツキさんって呼んでいいんですよね?」
不意に俺のニックネームを聞いてきましたので、こう答えました。
「あ、俺のこと?うん。それでいいよ。」
それを聞いた27歳の彼は、自己紹介を始めたのでした。
「あ、俺のことは、たかって呼んでください。それとこいつは、テルです。それであの?……美樹さんが露出好きだって話は本当ですか?」
かなりストレートに聞いてきました。
「そんなことあるわけ…」
「そうだよ。露出好きだよ。でも、露出狂ではないけれどね。」
美樹が露出好きであるということを否定しようとしていましたが、私はそれに先んじて、強く肯定しました。結果、美樹の意見を完全に殺したのです。
「アツキさぁん。それ、ひどいじゃないですかぁ…」
美樹の意見を消した、俺にちょっとだけ反抗を見せますが、私は、そんなことないだろう?と美樹に言い聞かせながら、湯船から完全に上がります。
そして、縁石の上と横の芝生を歩きながら、美樹が腰掛けている縁石の後ろに立ちます。
続いて、美樹の両足の外側から同じように湯船に足を入れると、美樹の背中に抱きつくようにして同じように座ります。
俺のチンコは彼女の腰辺りに当たっています。
「アツキさん。アツキさん。なにかが腰に当たっていますよ。」
クスリと笑って、ちょっとだけ茶化すような言い方をしましたが、彼女が笑っていられた時間帯はここだけでした。
「ところでさ?君たちは、さっきの事まだ、美樹に対して申し訳ないって思っているの?」
「も、勿論ですよ。」
二人が声を揃える様にそう言い返してきます。
「じゃあ、二人揃ってチンシャしようか?」
「えっ?」
二人とも、私の発言の意味が分からずに、不思議な表情をしています。まあ、突然そんな事を言われたので、当たり前でしょう。
「抜いちゃいなよ。」
私は二人にそう告げます。
「エッ?」
二人はほぼ同時に、そんな反応をしました。
「美樹に君たちのチンポ見せつけながら、その大きくなってきたものを擦って、一発発射しなよって言っているの!チンポから発射させるところを見せるのだから、チンシャだよ。美樹に悪いと思っているんだろう?それなら、出来るだろう?あれだけ、美樹のを見て楽しんだのだから。」
彼らは、私の命令に近い言葉を受けて、躊躇しておりました。
まあ、いきなり自分のイチモツを今日会ったばかりのどこの馬の骨ともわからない我々に見せながら、センズリしろと言われたら、当然でしょう。
「何?あれだけ見ておいて、自分たちのは見せられないの?さっきの謝罪の嵐は、やっぱり口だけ?」
この私のセリフが決定打になったのか、彼らは、怒張を握りしめ、それを上下に擦り、しこり始めたのでした。
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