第005話【美樹からの連絡と再会】
それからは、いつもと変わらぬ普段の生活が続きました。
ひと月ほどたったとある金曜日の事でした。予想もしないメールが彼女から届いたのでした。
「先日は大丈夫でしたか?私が次々にお酒を勧めたせいで、アツキさんを酔わせて寝させてしまってごめんなさい。もし、アツキさんが気にしていないのであれば、あの時の参加者の私たち以外の8人の2回目の合コンの設定の打合せをしたいのですが、連絡いただけませんか?」
このメールにはぶっとびました。何故ならば、あのような醜態を見せてしまっていたわけですので、彼女にはすっかり嫌われたと思い込んでいたのですから・・・
もう、光のスピードよりも速く返信したような記憶があります。
「先日は、変なところを見せてしまって申し訳ないです。あまりにも旨い酒だったので、ついつい思わず飲みすぎてしまったようです。ところで打ち合わせっていつ頃が良いですか?」
結局、このような複数回のメールのやりとりの末、早速翌日の日中に会うことになりました。
さて、メールで色々とやり取りをして、次の日はお互いの家の中間程の位置にある駐車場付きの公園で待ち合わせることになりました。
彼女から指定があったのは、その公園の駐車場に隣接しているトイレ棟の傍の四阿のような場所でした。
待ち合わせは11時だったのですが、10時45分頃に着きましたので15分くらい時間を潰さないといけないなどと思いながら、その四阿に近づいていったのですが、そこには既に彼女が到着していて、椅子に座って待っていました。
「こんにちは。あれ?早いですねえ。何時に来たのですか?」と私。
「こんにちは。15分くらい前ですかね?遅刻しないようにって張り切って出てきたら早く着きすぎちゃいました。でも、アツキさんが約束の時間より早く来てくれて良かったです。」
と笑顔を浮かべながら彼女が続けます。
この日は、土曜日の日中だったのですが、あまり天気も良くなかったせいか人も車の数も疎らであり、 私たちふたりは周囲を気にすることなく、その四阿で話し始めました。
この間は夜だったので、光源などに騙されて彼女が綺麗に見えていたのかなと実はこの一ヶ月思っていましたが、 見事にその予想を裏切ってくれて昼間も美しいままの彼女に満足しておりました。
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