第004話【美樹との出逢い3】
とにかくその後の二次会は私にとってとても楽しいものになりました。
皆もお酒が適度にまわったらしく、緊張が解けると共に硬さも次第に取れ、一次会にはなかった会話が弾むという良い結果を招いたようです。
私にとっても開放感があって、お酒も美味しいし、歌も良かったし、周囲も盛り上がっているし、それよりも何よりも二次会でも常に私の正面に座り楽しい様子で笑顔で語りかけてくる彼女がまた良いつまみのようになって美味しくて(笑)
自分がスポット参戦しているなんていう立場をすっかり忘れ、ほろ酔いのどさくさにまぎれて次回以降の会の相談にと彼女のメアドと電話番号聞き出す始末。
彼女とデュエットもして、上機嫌のまま酒が進むこと進むこと。
最初に設定した1時間のカラオケを更に2時間延長して合計3時間楽しむことにもなりました。
ああ、楽しい、楽しい。本当に楽しい…。良かった参加して……。楽しい会だ………アレ
レ?…………
「アツキさん。そろそろ帰る時間ですよ。起きてください。」
正樹が私の名前を呼ぶ声で目が覚めました。
「へ?」
そうです。威勢良く酒を浴びてしまった私は、不覚にも眠りに落ちてしまっていたのでした。
正樹の顔の横に彼女の顔もあります。
「アツキさん大丈夫ですか?」
私の顔を覗き込みながらそう声をかけてきます。
あー、一生に一度モノの後悔でしたね。なんというところを彼女に見せてしまったのだ。
しかも初対面で…いくら酒が旨くて彼女に勧められるままカパカパいってしまったとは言え…ああ、
後悔先に立たずとは正にこの事じゃないか状態でした。
終わり良ければすべて良しとは申しますが、このことわざの真逆状態です。
いくら楽しくても最後があれではと、その日はどんよりとした気持ちで帰宅してしまいました。
※元投稿はこちら >>