第028話【女体品評会】
さて、話を元に戻しますが、今回訪れたこの温泉、簡単に言いますと、男湯の湯船の横の窓から隣を見ると女湯の湯船が見えるという普通ではありえない構造になっています。
これは、「とある旅館の平面図」を入手し、参照していただきたいと思います。
見取図に記載の二重線の部分がガラス張りになっている部分ですので、男湯の湯船で良いポジションを取れば、女湯の湯船に入ってくる女性が見えてしまうというものなのです。
風呂の様子は、また後ほど語らせてもらいますが、私の案で、私が先に旅館に入り、フロントで入浴料を支払い、先に風呂に向かいました。
私は、彼女より先に脱衣所に入り、着ている服をまるで風のように素早く脱いで、いつでも湯殿へと行ける準備をしながら、廊下へと通じる扉の横で、廊下を歩いてくる人たちを確認していました。
老夫婦、小さい子供を連れたご婦人、若いお兄ちゃんが次々と男性脱衣所、女性脱衣所へと入っていきました。
そして、美樹が通って行くのを確認して大ダッシュで洗い場へと向かいます。
私が、男湯に入っていきますと、既に5・6人の親父さんたちが湯船の中にいます。やはり、良いポジションを確保しております。図のG22からG24辺りを陣取っている感じです。
まず、私は、急いで頭、体を洗いました。先に入ったとは言え、美樹とはさほどのタイム差があるわけではありませんので…
恐らく、周囲に知人でもいれば「何でそんなに急いでいるの?」と言われるほどの時短モードだったような気がします。
だって、そりゃあそうでしょう?
ここの風呂の醍醐味は、湯船なのですから。(笑)
湯船にいる時間を長くしないと。(笑)
先に湯船に入っており、ベストポジションをキープしているオヤジ達の後ろに入り込んでいき、女湯の方を向きます。見取図に記載の赤字表示「あ1」の位置でです。
「お。来た来た。」
「なんだよ、ババアじゃねえか。」
「がは!しなびてんじゃねえかよ。」
「おお!今度は、何か若そうだぞ!」
「ん?ありゃあ、あれは、○○さんの母ちゃん(奥さんという意味だと思われます)じゃないか。あいつあんなに乳でかかったか?」
「子供でも入ったんじゃねえか?」
「腰が寸胴じゃんなぁ。」
「お!また入って来たな。」
「でも、ペチャパイだな。」
「ペチャパイどころか、あれなら、えぐれてんじゃねえのか?寝っ転がったら水溜まるんじゃねえの?」
「でも、ああいう、肉がなくって、乳首だけ出ているような奴は、感度は良いんだよ。俺は好きだな。」
などと、女性の湯船に次々と入ってくる女性たちについてコメントを言って品評会もどきをしています。
以前にここに来た時にも、そのような会話をしている中年オヤジはいましたが、5・6人の集団での品評会というシュチュエーションは、今回初めてでした。
そうこうしているうちに、男の湯船に20代中盤くらいの男性が入ってきました。
初めてここを訪れたのか、よくわかっていないようですし、かなり遠慮気味に湯船に入ってきました。
そして、私たちが視線を送っている方向に視線を向けたかと思うと、彼の眼球はそこで動きを止めたようでした。
カッっと目を見開いて、女湯のガラス窓の方を注視しています。その視点の先には、20代後半から30代前半であろう女性がそこにいました。
美樹と同じような年代でしょうか。
タオルを口に咥えて髪を結ながらこちらを向いて歩いてきます。まだまだ張りのある乳房が申し分ないほど露となっています。
多分、彼は眼前の情景に釘づけになっているものでしょう。
しきりに女湯を見て品評会していた男たちも、この女性の登場に沸き立ちます。
「あいつ、若いなあ。おっぱいプリっぷりじゃねえか。」
「ああいうのに、しばらくお相手してもらっていねえなあ。」
「ああいうおっぱい、モミモミしてえよなぁ。」
などと、いやらしい表現で賛辞を浴びせています。
最も、品定めされているご本人には全く何も聞こえていないのでしょうけれども。
しかし、その品評している時間というのは案外短く、湯船に入ってしまえば顔しか見えませんし、出入りの時も要所を手で隠していれば見られる心配はありません。
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