<〇〇苑のエース到来!>
ちょうど今から1年前くらいになります。新人の3名が4月に一斉入社するタイミングからひと月遅れて、5月に中途採用として入社してきたのが立花奈美でした。
立花は短大を卒業してからずっと介護士をやっていたという経歴の持ち主であり、即戦力という事で立花は採用され、新人グループの中でのリーダー各として華々しいスタートを切ったのです。
持ち前の明るさ、笑顔、そして、なんだかんだ介護の事を知ってるんだな。という慣れた動きから、他のぎこちない新人より抜きんでた姿を見せつけられたので、当時の施設の中では「〇〇苑に未来のエースが現れる!!」と話題になったものです。
かくいう俺も、この立花を面接した時に同席した中間管理職の一人であり、華々しい立花奈美のスタートダッシュに「立花はもしかしたら数年後には俺らと同席に座ってるかもしれんなwww」等と同僚と話をしたのを覚えています。まさに立花の出だしは、毎年最下位の球団に、ひょこっと現れた助っ人外国人が、公式戦開始から3試合連続ホームランを打つようなインパクトであったのは間違いないでしょう。
そんな立花は入社してから3か月くらいは、ずっと当初のイメージを維持したまま俺たちと同じ環境で仕事をしていたのですが、少しづつ裏の顔を見せ始めたのは立花が夜勤当番に入り出してからの事でした。
基本、夜勤というのは業界の中でこういわれています「そいつの本性を知りたかったら夜勤の姿をみればいい」と。
この介護業界ではどこも同じだと思いますが、基本日勤においては管理職の目、利用者の目、同僚の目、近隣の目、あらゆる「目」が働いています。
ですが、夜勤というのはそれらの目という目がいっせいになくなりますので、昼間の仕事の仕方と、夜の仕事の仕方が、ぜんぜん違うやりかたをする奴っていうのが、必ず出てくるのです。
立花の場合で言えば、仕事のやり方が変わるっていうのは無かったのですが、夜勤の時限定で、男の話を積極的にしてくるのが立花の夜の顔でした。
そもそも、昼間は既に申し上げた通り「目」があります。もちろん「耳」も。ですから会社で男の話を話す事などできませんし、まずそんな話をする余裕はありません。
しかし、夜勤ともなれば夕方の5時に出社し、夜の21時過ぎになれば、施設内の誰もが寝静まる頃、退屈で退屈で仕方のない時間というのが現れます。
その時間で特になんのトラブルもなければ、そのまま朝を迎えるのですが、だいたいの人は本を読んでたり、スマホ触ってたり、仮眠していたりするのが普通です。
そんな環境の中で、立花の口からよくでるフレーズ「元彼がですね」という話のかげに、どうも「私、いま彼氏いてませんアピール」のようなものが見え隠れしはじめたのです。
当初、立花奈美の事がSEX依存症である。なんて何も疑ってもいない俺は、「へー、そうなのねぇー」と話を合わすだけだったのです。
が、立花の変化が目に見てわかり始めたのがちょうど、その頃でした。
他の同僚のオバチャン連中の中で、不穏な話を聞いたんです。
オバチャン介護士「田村さん、ちょっといい?」
田村「どしたの?」
オバチャン「立花さんに注意してあげてよ」
田村「なにを?ww というか何があったww」
この手の告げ口は女の腐ったような連中が支配する介護業界では日常茶飯事のように聞かされます。
オバチャン「なんだかね、胸の谷間が見える服着たり、お尻からパンツはみ出したりして、だらしないのよ最近、あの子」
田村「wwwww」
こんなやり取りがありました。基本、ウチは制服のようなものがあって上はエメラルドグリーンのポロシャツ。下はジャージ、ジーンズ、チノパン、場合によっては作業着でも構わないっていう風になってます。
といってもいつ汚されるか分からない環境なので、絶対にこの服じゃないとダメという厳しいルールではありません。場合によってはクリーニングしたばかりのポロシャツ3枚を、同じ日に全部またクリーニングに出さなければならないような状況になる事も多々あります。
それにお尻からパンツのゴムをはみ出してるなんて、誰もがやってるwww オバチャン、あんたもやってるwww気が付いてないだけでww
なので誰かがその日一日、制服以外の服装をしていたからといっても、口頭注意するに値する行為でもないのです。(3日連続で制服以外の服を着てたとかなら別ですが)
それに胸の谷間が見える見えないは、その人の主観であって、俺がわざわざ個人に対し注意してたら、逆にそれがセクハラですよ、ってなもんです。
そんな話を第三者から聞かされたものですから、俺の深層心理の中に何かきっかけが入ってしまったんですかね、今まであまり意識しなかった立花に対し目線を送ってしまうというクセがこの時ついてしまったんです。
・・・・そういわれてみれば、確かに立花は他の女性職員とは違うんです。
他の女性職員はあえて言うなら、こっちがマジマジと見てやっと初めて背中のブラ線が見えるか、尻のパンティラインが見えるか、というギリギリの服装なのですが(ちゃんと意識してるんだと思います。俺以外にもエロオヤジが沢山いるので)立花の場合は、たしかにそういわれてみれば、白ジャージはいて中のピンク色のパンツを透けさせているし、パッツンパッツンのスキニージーンズをはいて、マ、〇コに食い込んでるんじゃね?と目を疑うような、そんなキチキチのジーパンはいてたりする事もあります。
明らかに立花のルックスは、一見、同じ環境の中で、同じユニフォームを着て働く職員に見えますが、細かい所で「エロイ」んです。
そんな俺の意識の変化があってから、最初の事件があるのは意外と早かったのです。
立花と夜勤で一緒だったある日の事です。
俺が事務所でボーっと深夜のスポーツニュースを見ていた時です。立花が見回りから帰ってきて、「めちゃ腹立つー、〇〇さん!」と俺に文句を言ってきたのです。「何があった?」と聞いてみれば、見回り中に立花を見かけた利用者さんの一人がトイレに行きたいと言われたので、トイレ介助を手伝ったそうです。
すると利用者さんから「もっと丁寧にやれ!」と怒鳴られ、洗面台においてた消毒中の入れ歯が入ったコップの水を作業ズボンにかけられたそうです。
が、驚くべきは「めちゃ腹立つー、〇〇さん!」と文句を言ってきたその直後の立花の行動。信じられないかもしれませんが、立花はぶつくさ文句を言いながら、すぐ俺の背後で汚された作業ズボンを脱ぎ始めたんですよ。
何か俺の背中でゴソゴソやってるので、「洗濯室空いてるから、そこで急速乾燥で・・・・・」と振り返りながら声をかけたら、立花はすでに下半身はパンツ一枚となってコンビニ袋に作業ズボンを入れ始めていたのでした。
俺「おおい、、なぜここで脱ぐ・・・」
立花「いやだって、入れ歯が入ってた水ですよ、1秒でも肌につけたくないじゃないですか!」
俺「気持ちはわかるが、かといって俺がいるんだからさ、、ww さすがにパンイチはまずいんじゃww」
立花「変なのはいてるわけじゃないんで、まぁいいやってとこです。というか、そういうなら見ないでくださいww」
立花は黒一色のシンプルなパンツを履いていたが、それが余計にエロかったような気がする。そして立花はパンツ一枚、上はエメラルドグリーンのポロシャツのまま、深夜で照明が切れた施設の通路を小走りでかけていき、洗濯室の全自動乾燥機能がついたドラム式洗濯機の中に放り込んできたとの事だったのだ。
それから作業ズボンが乾燥する迄の間、俺と立花は異様な光景ではあったが、畳の休憩室で俺は壁に背中を持たれかけさせ、立花も俺の目の前でアグラをかいて座り(ポロシャツを引っ張って見えないように前を隠し)、「大変だったなww このまま何もなければいいけど、出動あったらどうすんの?ww」なんて会話を重ねて時間を過ごす事にしたのです。
昼間の職員からは、胸の谷間が見えてるとか、パンツがはみ出してるとか言われていたが、こうも目の前でモロパンをする立花の姿を見ると、そもそもあまり気にしてないんじゃね?と判断するのが自然の成り行きというものでした。
ですが、いくら不可抗力の事とはいえ、立花が俺の目の前でズボンを脱ぎ、パンツ一枚になるなんていうハプニングがあった事も、男としては非常にありがたいハプニングであったのも確かです。
そして話題は、いっきに「パンツネタ話」になだれ込んでいったのでした。
俺「いつもそんなシンプルな黒パンツなん?ww」
立花「いつもって言う訳じゃないですけど、色は違うけどシンプル系が多いですね」
俺「へーw ま、この職場でオシャレはいらんからなw」
立花「うんうん、だからこそ、この業界を志望したっていうのもあるんですけどねw」
このタイミングで裏の志望の動機を聞いた気がする。毎朝メイクしなくていいとか。
俺「この業界いると、まっさきにオシャレっていう感覚を忘れるよなw」
立花「でも、いちおう最低限のオシャレみたいなのは意識してるんですよ」
俺「とういと?」
そこですっと立ち上がる立花
立花「黒は黒でシンプルなんですけど、実は紐パンなんですww」
は? という感じだった。 誰モ見せてくれと頼んだわけでもない。いきなり立ち上がって何をするのかと目を疑っていると、いきなりポロシャツをめくりあげて黒パンツが紐パンである事のアピール、(このノリ何?いったい何がしたいんだ・・・・)と、恐れすら感じた。
だが、恐れよりも、今目の前で同僚が、何がとちくるったのか、目の前でパンツ一枚になり、紐パンアピールしてくる。っていう興奮要素が勝ってしまったとも言えるかもしれない。
俺「というか、けっこうスタイルいいんだよな。普段作業ズボンとかだから気にならんが、こうしてみると足ほっそいなぁ~ww」
立花「ありがとうございますwww」
だんだん立花の術中にハマり出している俺がいた。
俺「その紐、ひっぱっていい?www」
立花「だめですよww それしたらポロってなりますやんww」
俺「そのポロをしたいんですやんww」
立花「だめですってww」
そんな、まさに今ここが職場であるということを忘れさせるには十分な空気が流れていた。そしてアッという間に1時間が過ぎ、乾燥が終わったのであろう、立花はまた小走りで洗濯室へ向かった後、帰ってきた時は作業ズボンを着用していた。
一瞬の出来事ではあったが、俺は確かに、あの時、立花から誘われていたのだと認識するのは、まだ少し先の事だった。
※元投稿はこちら >>