俺はてっきり、ジャンヌさんの中身はオッサンだと思っていたので、(え、スカイプ?ネカマのおっさんと?)と、一瞬、たじろいた。
しかし、相手が男であれ興味深い人物ではあったので、相手がオッサンかもしれない。という感覚よりも、むしろ好奇心の方が勝ってしまい、「ジャンヌさんはボイスとかやらない人なんでは?」と聞き返してみたが、ジャンヌさんは「まぁ、普段はやらないけどね、でもこの話題は私としても解決したいし」等といっていたのだった。 (話題はなんだったかな、歴史とか世界史の話だったと思う)
それから俺達はスカイプIDを交換しあい、俺はなぜかドキドキしながら、そのジャンヌさんに対し、音声通話をかけてみたのだった。
すると、「はいはい」と、低い感じの声ではあるが、明らかに女性の声である主が出たのだった。
俺はそこから「あ、どうもw 始めましてwww」という具合に、若干焦ってしまい、ゲームの中での重鎮風のしゃべり口ではなく、どこにでもいる若者という感じに成り下がっていた。
それから俺達は世間話やゲームの話、または世界情勢や時事、国際問題、歴史、世界史、幅広いジャンルで、そのジャンヌさんと話をする展開になったのだった。
それから俺達は、なぜかゲームが終わったら、小一時間くらいスカイプで話す。というのが日課になり、その日以来、俺達はゲーム仲間には、「そろそろ落ちるわ」といってログアウトし、すぐにジャンヌさんに音声通話をかけている。という状況が続いた。
その中で知りえたジャンヌさんのプロフィールでいうと、年齢は26歳 一人暮らし 大卒 趣味は読書 等と、まずは当たり障りのない部分のステータスを知るに至った。
しかし、俺の中で引っかかっていたのが、(26歳と言ってもなぁ・・・。サバ読んでるだけかもしれないし、太ったオバハンかもしれないし、、いや、かなりの根が暗い人間が、ネットだからといって別人格になってるよくあるパターンかもしれないし・・・)という疑惑だけは払しょくはできていなかった。
こんな事が気になるっていう事は、俺はジャンヌさんの魅力にハマってきていたんだと思う。だからこそ、美人とかまでは言わないけど、せめて普通の26であってくれ!というような願望だったと今では思う。
俺はジャンヌさんとプライベートで、他の誰も知らないゲーム終了後の音声通話の中が、1か月くらい続いた頃、俺は勇気を出して聞いてみたのだった。
「お互い、顔晒しません?ww」と。
するとジャンヌさんは、「顔か・・うーん。今すっぴんだからな」なんて、まさに、それこそネカマが断りそうなセリフを言ってきたのだった。
しかし音声では女性であるのは確実だったので、(やはり顔は出したくないか・・w)と思い始めた頃、「まぁいいよ。顔だそうか?」と言ってくれたのである。(ちなみにジャンヌさんは、ゲームでもスカイプでもキャラクターは一切、変わっていない)
そして今までの音声通話の部分から、ビデオチャットという部分にボタンを押し、、、俺はさらなる緊張の中、相手にボイスチャットをかけたのである。
つー つー つー つー しゅぽん 「はい。」
と呼び出し音の後、ジャンヌさんはビデオチャットを受諾したのであった。
すると、、(ちょ・・ え・・・!? 普通に美人だぞ!!!!!!!)と、兎に角驚いた。なんというか、とにかく驚いた。
まさに、(あの性格だったらこういう感じの人だろうなぁ~)なんて描いていた俺のイメージどおりで、目がキリっとしており、髪の毛は黒髪のストレートで、純正のキレイカッコイイ系の人が画面の向こうに現れたのだった。
俺は「あ、、どもww 〇〇(ゲーム内ネーム)ですw」と答えた。向こうも「こんばんは~w」と答えてくれた。
それから俺は「ジャンヌさんって、こういう風にビデオとかやったりする人でしたっけ?誰もジャンヌさんの声すら聞いたことがない。っていう人ばっかだったので・・・」と問いかけた。
すると「うーん、なんでかな。わからん。ちょっと気が向いただけかな?あ、でもクランメンバーには言わないでね。言ったらややこしくなるし」と、関西弁が入った感じで答えてくれたのだった。
俺は「はい。誰にもいいませんよ!」と約束した。というか、誰も聞いた事もない、話したこともないジャンヌさんと俺だけが特別にビデオチャットをしてくれるという特別扱いがうれしくて、それ以外はもう何も掘り下げようとおも思わなかった。
しかもその時、ジャンヌさんはチューブトップブラっていうのか、肩の紐がないパターンのブラをし、肩が露出しており、(というか、これはブラといっても見られても構わない構造上のもの)俺は思わず、そんな細くてしなやかな女性ならではの体躯をしたジャンヌさんに、「なんか、セクシーっすねwww」と出てきたのは自然の成り行きだった。
ジャンヌさんは「そうかな。家ではいつもこんな感じだよ」と冷静に返事をしてくれた。
それから俺は、このジャンヌさんと、「なぜ女なのにこんな血なまぐさい銃のゲームをやろうと思ったのですか?」という質問から始まり、そこから意外とジャンヌさんの性格の一面を知ってしまうのだった。
ジャンヌさんが言うには、詳しくは語らなかったが自分(ジャンヌ)には性同一性障害というものではないが、30%くらい男の部分が入っている。というのだった。俺はさすがに「男の部分」というのが気になって、「男の部分・・?ってなんですか?」と聞いたのだった。
すると、肉体は100%純正の女 ファッションも100%女 でも趣味趣向だけ、男っぽいのが好きで、(父親と兄貴の影響って本人は言ってた)北斗の拳とか、三国志とか、戦争映画とか、そういうものにロマンを純粋に感じてしまう習性がある。と言うのだった。
俺は「確かに女性では変わっているかもしれませんが、別に、「男が入っている」なんていうほどのものじゃないんじゃ?一瞬、なんかの精神的なモノかと思いましたよwww」と俺は言った。
でもジャンヌさんははっきりと言った。「みんなそう言ってくれるんだけどね。でも自分にしか分からない自覚のようなものがあるんだよ」というのである。
その段階になって、なぜジャンヌさんが俺とこうして話してくれているのかが理解出来てきた。
俺も専門家ではないが、そういった精神医学とか心理学とかの分野がけっこう好きで、素人ではあるが、ゲームの段階で、そういう系の話をけっこう深くジャンヌさんと話し込んでいたのだった。だからこそ、(こいつは話せるな)って思ってくれたんだと思う。
そして俺は「自分にしかわからないものっていうのは?」と聞き返した。既にその段階では、お互いの雰囲気の中で、いまさら多少、カミングアウトしても、ドン引きにはならないだろう。みたいな空気が流れていた。それは時間の概念を今まで言ってなかったが、こんな会話を、ゲームの中から今に至るまでほぼ毎日やり始めてもう半年くらい経ってきたからだと思う。
するとジャンヌさんは、「〇〇はコスプレとかする?」と聞いてきたのだった。俺は「しませんね」とはっきり答えた。「なんでしないの?」と聞いてきたので「やってる間は楽しいかもしれませんが、鏡みてコスプレ衣装を見ている自分みたら自分で情けなくなるのでwww というか興味ないしw」と答えたのだった。
するとジャンヌさんは「まぁそうだよね。それが普通。でもね、コスプレを着るのが70%の私。でも鏡を通してみるのが30%の男の性質をもった私。だとすればどう?」と言うのである。
俺は正直、意味が分からなかった。もちろん「どういう事ですか?」と聞き返した。そして答えてきたのが、「つまり、私には70%が女で30%が男っていったよね。その原理を思い出してほしいんだけど、コスプレする私に対し、30%の私がそれを見てて興奮してるっていえばどう思う?」と言ってきたのだった。
ここまで言われてもチンプンカンプンだった。
俺は俺なりに、かみ砕いて整理をした。
「ってことは、つまり。コスプレをしたい。って思うのは、70%の女性のジャンヌさんなんですよね?で、それを実行したジャンヌさんを鏡にみて、、なにを思うかっていえば、もう一人のジャンヌさんが、それを見て、あたかも「別人の異性を見ているかのように」興奮する。っていう事ですか?見ているのは自分なのに・・?」と、俺はりにかみ砕いて聞いてみたのだった。
ジャンヌさんは「そのとおり」と答えてきたのである。
さらに俺は言った。「という事は、具体的には、コスプレ衣装とか買ったり、来てみたりする段階までは、女性のジャンヌさんなんですよね。でも、コスプレを着用し、それを鏡にうつしたら、男のジャンヌさんが、自分の体を見ているのに、あたかも男が女をみるような感覚で、つまり。。。Hな目線とかで自分の体を見るっていう事が出来る」というのですかね?
「そのとおり。うん。さっきより具体的。ようやく理解したみたいね」と言ってきたのだった。
俺は(へー・・・・)としか出なかった。あるいみ絶句。(こういう人もいるんだ・・・)と思った。
「じゃ、話を戻しますと、、俺がさっき、セクシーですよねって言ったじゃないですか?というのは、俺は他人で男で、鏡じゃないけどレンズ越しに覗いているから、今のジャンヌさんからすれば、男の友達が自分を見ている。という風にしか見えないんですか?」と聞いた。
「まぁ、それに近いかな」と言った。俺はなにか、ちょっとショックな気がした。というのもジャンヌさんと俺は、男と女として、いい感じの恋愛関係に進んでいっているのではないか。って思いこみ始めていたフシがあったからである。
俺はさらに詰めた。
「え・・と、さっき男の自分で女の自分を見て、興奮する。って言いましたよね?という事は、今こうして現に、純正の男である俺が、今こうしてジャンヌさんをレンズごしに見ているわけですが、俺は今、男のジャンヌさんを見ているのか、それとも女のジャンヌさんを見ているのか、どっちなんですか?」と聞いてみた。
するとジャンヌさんは、「それは〇〇に任せる。あなたが女の私を見ているというのなら、私は70%の女の私で話をするつもり」というのだった。
俺「じゃ、30%の男のジャンヌさんを見ているといえば?・・・見れないけど・・・w」というと、「それは今まで通り。今見たいな感じで話す」というのである。(つまり、俺には30%の自分と接しているといいたいのか)
読者のみなさんもそうだと思うけど、俺も頭がパニックになってきた。一体なにがなんなんだか。
そして俺は冗談めいて、こんな事を聞いてみた。「じゃ、30%のジャンヌさんと今の俺が話ている。っていうのなら、それは男同士で話しているっていう事と同然なので、極端な話しますけど、「お前、いまどんなパンツなんだよw 俺はこのまえ買ったボクサーパンツなんだけどよww」とかいう会話になったら、「はい、こんなのだよ」って見せれるのですか?もし、男同士なら、普通に見せれますし、丁度昨日、俺は地元の男友達とこんな会話したところです」と、相手を試してみた。
すると「どっちの自分が表に出るかによるかな。例えば70%の私のほうが全面に出ているなら、「何言ってるんだよ変態~」ってなるよね普通。だって女なんだから。でも30%の私が全面に出ているのなら、「こんなの見て楽しいのか?」ってなるかな」
俺はなんとなくピンときた。(要は、二重人格っていうやつか・・・)と。
さらに俺は問い詰めた。「正直に答えてください。今のジャンヌさんは70のほうですか?それとも30の方ですか?」すると彼女は答えた。「正直言えば、30。30だからこそ、こうして会話している。」
(あ、なるほど!)と今までの謎が溶けたような気がした。これは予測でしかないが、今までジャンヌさんに接してきたネット上の男達は、みんなジャンヌさんを「女」だと思って接してきていたのだった。
しかし俺は最初から「ネカマ」だと思って接していた。この違いが、今のこの展開の鍵になったんじゃないか。ってなんだかひらめいたような気がした。あくまで予想だが。
俺は「じゃ、見せてくださいw どこまで出来るのか、俺も気になってきましたww」と答えた。するとジャンヌさんは「何?パンツみせたらいいの?」と言ってきた。俺は「はいw」と答えた。
すると「わかった」といって今まであぐらか何かで座ってPCを叩いていたのを立ち上がり、俺のカメラのレンズにジャンヌさんの腰にある迷彩カラーのタイトなミニスカートが現れたかと思うと、スッと両手でスカートの両端をつまみ、ググッ と上にずり上げたのだった。
すると、白い肌で細いふとももと、黒のパンツが見えたのだった・・。
数秒後、またサッとスカートを下ろし、またジャンヌさんは座りなおしたのだった。そして「これでいい?」と聞いてきたのだった。
俺は相手が男の自分とか言っているので、多少、精神的に受け入れがたい部分もあったが、それよりも普通に(こんな美人がこんなことしてくれるなんて!!!)という興奮の方がはるかに勝ってしまっていた。
俺はそれから、いい意味でもジャンヌさんの事、いやジャンヌさんの変わった個性に恋愛とは違う、また別な関心を抱いてしまい、それからジャンヌさんに対し、質問攻めをしたのだった。
たとえば「ひとりH の時とか、どんな精神状態でするんですか?」と聞いた時は、ジャンヌさんいわく、「女バージョンでやっている時は、女として興奮している。でも男バージョンでやっているときは、あたかも自分ではない、「女のカラダ」を触っている。というテイでやっている」と答えてきたのだった。(これって、すごい特殊能力じゃwwww)
さらに俺は「カラダは女ですよね。。てことは一応、男と本番経験とかやった事あるんですか?」と聞いたところ、「あるよ」というのだった。俺は「何人?」と聞くと、それなりに「6人かな」と言ってきた。
で、俺は「それは彼氏ですよね?」というと「もちろん」というが、「やっぱ、いろいろ問題で長続きしないんですか?」と聞くと、「そのとおり」というのだった。
どういう事かといえば、女のスイッチが入っているときはいいけど、ふとした時に男のスイッチが入ってきた時に、一緒にいた彼氏である男からキスとか求められてくるのは、おぞましい以外の何物でもない。というのである。
俺はそれに加えてこう質問した。「じゃ、男である俺が、いま30%の男であるジャンヌさんに、さっきパンツ見せて。って言いましたよね。これはおぞましくないんですか?」と聞いたら、「だから、これはさっきいったじゃん。男同士で昨日同じ会話した。ってだからやってみただけ」というのである。
俺は「じゃ、30%のジャンヌさんに、俺がオナニーするところ見たいとか、そういう事をいうと、あたかも、「お前のシコっている姿を見たいぜww」と、俺が男友達に言われた時と同じくらいのおぞましさがあるっていう事ですよね?」というと、定番のセリフ「その通り」と言ってきたのだった。
なんかよくわからんけど、おもしれー。ゲームで話しているよりおもしれー。と思った。
そしてその日は、それ以上、こまかい話はせず、時間も時間だったので寝る事にした。
そしてそんなハードな話をしたのはその日くらいで、それからすぐに俺達は住所を交換しあい、地元の特産品等を送ったりする事もした。そしてジャンヌさんの家が、俺の家から電車で2時間頑張れば行ける場所だったので、俺はジャンヌさんに、「良ければ今度会いません?ジャンヌさんのコスプレとかどんなの持ってるのか見てみたいしw」と言ってみた。すると「別に構わないよ」と言ってくれたのだった。
そしてそれから数週後、俺はジャンヌさん住む場所へと電車を乗り継いでいくのであった。
続
※元投稿はこちら >>