武威と携帯電話番号とメアドを交換して別れて、家につくとすぐにメールが届きました。
「電話してもいい?」
断る理由もなく、武威と電話で話しました。
片言の日本語と、少し英語混じり。
先日の紹介からずっと、私とふたりで過ごしたかったと言われました。
「マオスーツを着ていた人はお友だち?」
と聞くと、少しの沈黙のあとで
「上司だ。」
と回答がありました。
私は歌舞伎町で仕事をしていて、不思議と堅気ではないお客さんがつきやすいので分かります。
彼らも一般人ではない。
ただ、日本のヤクザや右翼団体とは明らかに違う雰囲気があって、底冷えするような異質な怖さをなんとなく感じていました。
何時間話したのか。
夜が白んで、窓の外で鳥が囀る声が聞こえました。
「出かける支度をしたいからまた会って話そう」
そう伝えて電話を切り、シャワーを浴びて身支度をして、再び歌舞伎町へ向かいました。
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