ユウコさんから、女に興味あるか聞かれた私は、
「うん。女の人の裸が好き」
と赤面しながら正直に答えました。
「私はどう?私の裸…好き?」
「うん。すごく綺麗で好き」
そう言って、なにか起こる事に期待している自分がいました。
「ありがとう。…私は君の彼と同じよ。女の子が好き。私と付き合わない?」
手を握られて、その柔らかい感触にドキドキして、はしたない事にアソコが濡れているような感覚がありました。
彼女の告白を聞いて、ああやっぱりレズビアンだった、と納得しました。
ゲイの彼と同じ雰囲気を感じていたからです。
出会った日に、ゲイの彼がいると話して、ユウコさんは安心したんだと思いました。同性愛者が自らの性癖を告白するのは、とても勇気がいる事で、相手がノンケなら尚更でした。
ストレートに告白されて、彼女の妖艶な瞳から目が逸らせない…そのいやらしい雰囲気に、身体が蕩ける様で、有り余る魅力に惹き込まれそうになっていました。
その時、不意にゲイの彼の事が頭を過ぎって我に返りました。
女性の裸が好きだし、興味もある。
でも、それは肉欲で、愛とは別物。彼女を肉体ごと愛せるのかは分からない。
それに不意に思い出すほど、ゲイの彼との絆が強かったのを改めて気付かされました。
勇気いる告白をしてくれた、ユウコさんの気持ちを思いながら、今の気持ちを素直に伝えました。
「すごく嬉しい。私ユウコさんが好き。でも…彼はもっと好きなの」
ユウコさんは、私の頭を撫でながら
「きみはいい子だね。彼が羨ましい」
そう言って優しく微笑んでいました。
高3の初夏、ユウコさんはモデルを辞めて、会社を興しました。
そして私も受験に向けて大切な時期を迎えて、それまでの土日の通学を止めて、夏季講習に力を入れる事になりました。
お互いに多忙になって、時間も取れなくなって、ユウコさんと離れる時が来たのです。
その日、ユウコさんと待ち合わせして、夜の新宿で最後のデートをしました。
新宿の超高層ビルの屋上に上がって、東京中の夜景が見渡せる、そこは知る人ぞ知る場所でした。
この場所が東京で一番好き、というユウコさん。
この宝石箱のような夜景よりも、ユウコさんの方が何倍も綺麗だと、心の中で呟いていました。
「夜景を君に見せたかった」
と言って、私をギュッと抱きしめてくれました。
ユウコさんの手が私の背中からお尻へと動いて、腰をグッと引き寄せられ、キスされるんだ…と目を瞑りました。彼女の唇がそっと触れ、頬にキスをしてくれたのです。
ユウコさんは、私が未成年だったから、肉体的な欲求を堪えていたのだと思います。こんなに大切にされたのは初めてで、彼女の優しさが心に沁みました。
彼女の美しさに心底惹かれましたが、それ以上に大人の女性の優しさに触れて、ユウコさんの様な大人になりたいと強く憧れました。
そしていつか、モデル料を払えるくらいになって、ユウコさんをモデルに、絵を描いてみたいと思いました。
あの当時ドキドキしながらも、彼女の肌に触れることができなかった、その欲求を再会した夢の中で果たす事が出来たのでした。
これが…
私の宝物となった、ユウコさんとの素敵な思い出です。
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