六年生になりました。
六年生最大のイベントは修学旅行です。
宿に入り、俺達グループは、北村さんグループの部屋に遊びに行ったんです。
「着替え中だからまだ入って来ないで」
北村さんグループの一人が、中から声上げました。
北村さんの声で、いいよ~となり、部屋に入りました。
明日の予定や計画を話し合ってました。
北村さん、かなりヨレヨレのTシャツ姿、その首筋から白いスポブラが覗き、一瞬俺はそれを見てしまいました。
翌日朝でした。
起きたらパンツの前が、ヌルヌルのベットリになってました。
同部屋の友達には見られたくない。
俺は替えパンツをこっそり忍ばせ、トイレで履き替えました。
夢精、授業で習っていたのですぐわかりましたが、初めてが修学旅行、このタイミングじゃなくていいじゃないか、そう思ってました。
朝食会場で北村さんと出くわすと、妙に意識してしまった俺。
「なにそわそわしてんの?マモー大丈夫?」
ヨレヨレのTシャツから透けるスポブラが、さらに意識させました。
夏、体育のプールの授業、水泳道具持って登校が、北村さんはその日、持って来ませんでした。
何人かの女子、昨年もプール見学の子はいましたが、北村さんは皆勤賞。
「お敬、プール道具忘れたの?」
つい出てしまったアホな俺。
顔を真っ赤にした北村さん、そこで俺はやっと気づいたのです。
「あ、ごめん」
「バカ!」
俺も男になっていたし、北村さんも女になっていたんだ、そう思いました。
八月、昨年呼ばれた北村さんの誕生会、女子だけでやるとのことで、俺もグループの仲間も誰一人として呼ばれませんでした。
誕生会があった日の夜、北村さんから電話をもらいました。
「マモーだけ特別扱いするわけにいかなかったの。ごめんね」
「女子だけの方が盛り上がったんじゃない?」
「去年ほどじゃないよ」
俺はいたずらな質問をしました。
「俺がいなくてつまらなかったか?」
すると負けん気が出たのか。
「うるさいのがいなかったから、ちょっと盛り上がりに欠けただけ」
でも呼んであげれなくてごめんの言葉は非常に嬉しく、北村さんの気持ちも伝わったような気がしました。
北村さんも俺に好意を持っている、そう思うようになりました。
遊びは相変わらずグループ同士、サッカーやったり野球やったりは、六年生になっても変わらず続いてました。
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