コメントを下さりありがとうございます。
この後、少し続きがありますので書いていきますね。
一人でコーヒーを飲みながらボーッと過ごしていると、いつの間にか夕方になっていました。息子の塾の日でしたけれども、懇談があるので晩御飯の支度も出来ないことが分かっていましたので、朝に息子にお金を渡してMの字のファーストフードで済ませてということになっていました。
私は一人、家に帰って簡単にご飯とお味噌汁とサラダでも食べようかと思っていました。
すると、窓の外に何やらカップルが言い争いをしている姿が目に飛び込んできました。よく見ると息子の担任の先生と同じ学校に勤める若い女性の先生でした。ここからでは何をお話されているのかはわかりませんでしたが、女性が手で目を押さえたことから泣いているということが伺えました。そして、女性はその場から走り去ってしまいました。
呆然と立ち尽くす担任の先生を見て何とも言えない気持ちになりました。私はお店を出て何食わぬ顔で先生に近づきました。
「あら、先生。お仕事は終わられたのですか?」
「えっ?あっ?はいっ?あっ、◯◯さんのお母さん。先程はありがとうございました。」
「いえいえ、こちらこそありがとうございました。先生が担任で息子も楽しそうに学校に行ってますので、親として本当に嬉しいです。」
「そう言って頂くと嬉しい限りです。」
そう言った先生の表情はどこか寂しげで目の周りが少し赤くなっていました。
「先生?何かありましたか?」
「えっ?あっ、いや。うーん…」
「私でよければお話を聞きますけど?」
「いやぁお母さんに頼るわけにはいきませんから…」
「やだぁ、何を言ってるの先生。私の方が先生よりも遥かに人生経験を積んでいるのですよ(笑)頼りないかもしれませんけど、お話を聞くぐらいでしたら私にも出来るかと思いますよ。」
「あっ…それではお言葉に甘えまして…」
「もしかして彼女と喧嘩をしたとかですか?」
「えっ?あぁ、まぁそう言ったところです。」
「先生のような素敵な方でも喧嘩をすることがあるのですね。」
「いやいや、全然素敵でも何でもないですよ。ただ…」
「ただ?」
「彼女のわがままに付き合うのがしんどくなって。懇談で色々なお母さんたちと話をすると、歳下の彼女よりも歳上の女性の方が落ち着きも見られるし…それに魅力を感じるようになってきたんです。」
「へぇ彼女さんわがままなんですね。」
「えぇ、懇談もようやく終わって晩御飯でも食べに行こうと彼女を誘ったんです。でも、今日はそんな気分じゃないの。それに今日の僕はいつもと様子が違うから会いたくないと…」
「そうなのですか?先生のどこが様子が違うのですか?」
「うーん、いやぁ…」
先生はなかなか言葉を発さないような様子でしたが、しばらくしてからようやく口を開きました。
「いや、実は…お母さんにこういうことを言ってはいけないのは分かっているのですけど…」
「けど?」
「◯◯さんのお母さんがあまりにも小柄で綺麗ですごくいい匂いがして少し舞い上がっていたんです。」
「えっ?それってもしかして…」
「はい、お母さんのことです。僕の理想のタイプだなと思いました。1学期の懇談から少し気になっていたのですが、今日おかあさんがよろけた時、身体を支えようと手を伸ばした時に触れたお母さんの胸の感触と匂いで、僕は完全にお母さんに魅せられてしまいました。」
「ごめんなさい。私が原因で彼女さんと喧嘩になったのですよね?」
「いやいや、お母さんのせいではありません。僕が彼女に嫌気をさしていたところに、お母さんと懇談で話をしてから浮かれた気持ちになっていましたから…」
「そうだったのですね。私が…先生に申し訳ないことを…」
「いや、お母さんは全然悪くないです。むしろ僕の彼女に対する気持ちが醒めつつあったからです。」
「先生?」
「はい?」
「今日はもうお仕事終わりですよね?」
「はい」
「それでは、ちょっと二人で飲みにいきませんか?」
「あっいやぁ…それはちょっと…個人的に保護者の方とごはんを食べるのは…」
「それじゃあ、たまたまお店で出会ったという体で…ね?先生行きましょ?」
こうして私はここから少し離れた個室のある場所を指定して先生と待ち合わせをすることにしました。
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