episode 2 ~~同居~~
その年、私の父が他界し、葬式も終わり
落ち着いた頃に下請けの大工さんや設備屋さん等が訪ねてきた
「この家改築しませんか?」…
以前から話はあった
「何十年世話になった・今の自分がいるのは社長のお陰・戸建てが持てるなんて思ってなかった」等々……
数千万の費用を出してくれるとの事…
生前、父はその気持ちが有難いと、気持ちだけを受け取っていた…
私と母は即答で
「お願いします!」(笑)
ですが額が額なので、工賃以外を私が出すと言うと、「建て替えましょう」となった
(建材・建具・家具・家電に至るまで、御祝儀価格で仕入れ)
確かに築40年、給排水管も傷んでるので完全建て替えとなった
設計のストックから良さげなパースをチョイスし、工費工期を算出、仮住まいのマンションも決め、引っ越しの日取りも速攻で決まった
申請等の手続きから
10月中旬着工で翌年2月下旬竣工という流れで進みだした
引っ越しが終わり、解体が終わり更地になった10月の終わり頃
母が突然「私マンション買った」
!!?
母はパチンコ好きで馴染みの店から徒歩3分の所に建つ中古マンション2LDKを購入したと言う…
私に相談も無しに…
父が他界した事で羽が生えたようだ(笑)
11月中旬、スポーツチームの納会がありその中で、
自宅の建て替えの話が上がり
母の話をした
母専用の風呂・トイレがある、なんちゃって2世帯住宅みたいなの建ててるのに…っと愚痴っていると
アユミの父が「その部屋アユミに貸してもらえないですか?」
アユミは三姉妹(最下は3才)
下の2人がウルサくて勉強出来ないとの事(それ以前の問題だろっとツッコミたいが…)
通学面でも学校から私の家迄徒歩5分、通りすぎてまた10分弱でアユミ宅
確かに通学も便利と考えながらも
我が娘を幼なじみとはいえ私の家に預けるはずないと思い
「部屋の掃除手伝ってくれるなら全然いいよ、歓迎するけど」っと
軽返答をしてしまった……
年が明け、寝正月を楽しんでいるとアユミが妹達を連れ新年の挨拶に来た
喪中だが子供達にそれを伝えても…
子供達のお目当ては只ひとつ
お年玉だ(笑)
毎年父がポチ袋をバラ撒いていたのだが、今年からは私の仕事となった
「お前達のお目当てはこれかっ!」っとポチ袋をチラつかせると
ニンマリする現金な娘達
「ハイ、今年もヨロシクね」っと渡し
頭をポンポン×3
「ありがとう」×3
アユミが「博多郎ちゃん本当にいいと?」と言うので
「全然いいよ」っと答えると
「ん~ん違う違う、パパから聞いたよ、博多郎ちゃんが家に来ていいって言ってたって…」
完全に忘れてた!
私の中では飽く迄も真実味を帯びた酒の席での冗談だと思っていたのだが
アユミの父は娘の為にと本気で願い出ていたのだ…
私は一拍置き
「その代わり、お掃除とか頼むし、成績落ちたら家に帰すよ、いい?」っと念を押すと
無邪気に「やったぁ~!」っと満面の笑みで帰って行った…
あれれっ?…どゆ事?…
マジかっ!!!
母が引っ越す事で私も独り暮らしをエンジョイし、愛奴・セフレ・デリ嬢を自由に呼べると思い計画も立ててたのに…
まぁいっか!ルンバ買うの止めよう…
アユミを我が家に引き受ける事にした
当初、母の部屋は和テイストの部屋にと思っていたが、アユミが来るとなったので大工さんに無理を言い、オシャレな洋間に変更してもらった
つづく…
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