脱衣場に出たとき思わず番台の方を見てしまった私は、お爺さんと目が合いました。
お爺さんは一瞬ですが、全裸の私をジロッと見ました。
男の人に裸をモロに見られた経験がなかった私には、これもショックでしたね。
「やっぱりタオルで前を隠しておくべきだったかな」と反省しましたが、今さらどうすることもできません。
ロッカーからバスタオルを取り出し、カラダに巻き付け、ドライヤーで濡れた髪の毛を乾かし始めました。
そのときです。
ふと前方に目をやると、利用客が荷物を置いたり腰を下ろしたりするための広い台が番台の前に設置されているのですが、そこに私より早く上がっていた色の黒い方が座っていることに気が付きました。
しかも番台のすぐ前だというのに、その方は素っ裸で座っているのです。
連れの女の子も素っ裸で脱衣場を動き回っていました。
そこに私よりも遅れて綺麗な方が上がってきたのですが、やはりタオルで前を隠したりはしていません。
その方は番台に比較的近いロッカーからバスタオルを取り出すと、お爺さんの方を向いたまま濡れたカラダを拭っています。
お爺さんはニコニコしながら、その様子を番台から見守っています。
私なんかよりはずっと綺麗な方のあっけらかんとした態度を近くで見ていると、「裸を晒すお風呂屋さんで、自分は少々自意識過剰だったかな」とも思えてきました。
それでも、お爺さんの方を向いてバスタオルを外すような真似は、恥ずかしくてとてもできませんでした。
パンティを穿き、ブラを付けるときも、背中を番台に向けたままでした。
私と綺麗な方は、ほぼ同じタイミングでお店を出ました。
私たちが帰るときも、色の黒い方は相変わらず素っ裸で台に腰かけていました。
外では、一足先に出られたご主人が待っていました。
「あんな綺麗な奥様の裸を、番台のお爺さんとはいえ他の男の人に見られて、ご主人はイヤじゃないのかしら?」と不思議に感じました。
(終わり)
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