お互い息が落ち着くと、名残惜しそうな感じでゆっくり身体を離したように見えた。初めて会うのに、随分とサービスが良いというか、身体が合うのかな、と思いながら、彼女を観察するようにじっと見る。見た目、計算高そうには見えないなぁ、と思いながらじっと見つめていたら、『もぉ』というように少し笑いながらキスされた。
こう書くと、自慢気にのろけているような感じに思えるが、何より俺自身がとても意外だったのだ。そしてその現実を受け入れられず、疑って見ていた。
その後、彼女は昼過ぎ迄俺の家にいて、その後、香盤に合わせて小屋に戻った。俺が送っていくと、別れ際に『今晩、来る?』と言われたが、あまりカネもなく、もう一晩連れ出すには心細かったので、『今日はおカネないから、また次ね』と言うと、『終わり12時ね、ここくる。良い?』と言われた。迎えに来いと言うことらしい。ミエもあり、仕方なく友人にカネを少し借り、終盤に小屋に行った。
彼女はステージから見つけると、目立たないように俺を見た。そして、俺の目の前でステージで他の男に手コキをし、また俺の部屋で夜を過ごした。
翌朝、同じように帰る支度をしている彼女にカネを渡し、今晩は仕事があり見に行けない事を伝えると『どうして来ない』と怒られた。もう遊びに行くカネがないと諦めて言うと、終わってから迎えには来いと言われた。
出勤時間に小屋近く迄送って行ったが、少し遅刻した俺は、先輩に怒られ、次の展示会の準備を手伝わされる事になり、約束から15分程遅れてしまった。
もういないかと慌てて行くと、小屋の外にいない。残念半分、安心したところもあり、それでもたばこを吸いながらにしばらく駐車場で待っていると、小屋の建物から彼女が現れた。
彼女はまた俺の部屋で夜を過ごしたが、今度はカネの話はしなかった。その代わり、俺は部屋の電話番号を教えた。俺はカネにならない客だから、毎日あっていたら、彼女の収入にならない。夜誰もいないときは電話しろ、そうしたら迎えに行く、と決めた。彼女は『あなた、優しいしSEXも上手い。わたしあなた好き。結婚したい。』と真面目な顔で言われたが、信じきれなかった俺は、どう応えて良いかわからなかった。
その後、2回程小屋の公衆電話から呼び出しがあり、一緒に過ごし、その度に本当の恋人の様に彼女と交わった。
やがて、彼女のステージが千秋楽となり、最後の夜になった。彼女から電話があり、迎えに行こうとすると 、『今日はもう会えない、明日朝早く電車で○○に行く』と言われた。彼女に愛情を持ち始めた俺は、少しでも会えないかと言ったがダメだった。
また会いたい、○○から電話をしてくれ、と伝えた。電話はかかって来ないだろうと思いながら。
数日後に、彼女から電話があった。さみしい、会いたいと。しかし、二つ向こうの県にある○○温泉に行くには、カネも時間もかかる。その後も次の興行地、その次の興行地から電話があったが、その後は連絡が途絶えた。
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