コメントありがとう。でも今回はその描写ないと思いまーす♪
特攻服の重さ
新しい紫式部の特攻服をもらった英子。よほどその事が嬉しかったのだろう。これといった暴走族の集まりでもないのに英子は不良仲間の集まりでは特攻服を着てくる事が多くなっていた。
俺「あんま特攻服ばっか着てたら目立つぞ」
英子「うれしいんやもん♪」
ま、最初の頃は無理もないやろな。と微笑ましく見ていた俺だが、特攻服というものは不良の憧れでもあると同時に、四方から禍いを招き寄せる呪いのアイテムでもある。
特攻服を着るということは、言い換えれば自分の所属するチーム以外の全ての勢力に喧嘩を売っているに等しい。合法路線だと警察、一般社会、非合法だとヤクザ(族狩り)暴走族ではない一般ヤンキーまたは半グレ等。
英子は特攻服にそこまでの重圧がある事を知っているはずもなく、単にカッコいいからという理由で着ていたのだと思う。
ある日のこと、英子の家に行った日、その日、英子を呼び出しても反応はなかった。
この当時の俺たちは携帯電話も持っておらず、相手を誘い出す時は家の下から窓に小石を投げる、あるいは舌を鳴らして合図するという方法で呼び出していた。
なぜなら親という存在すらも不良である俺たちとっては煙たい存在であったので、堂々と家に電話する、インターフォンを鳴らすという事が出来なかった為である。(親たちは平然と今居ないとか、付き合ってくれるな。等と言ってくる)
2日目、俺は英子の家の下に行き、英子の部屋の窓に小石を当ててみたが、出て来たのはなんと英子の兄貴のミキオ君だったのだ。
ミキオ「おー、俺か。英子か?」
俺「はい、姿見せないんです心配できました。風邪でもひいてるんですか?」
ミキオ「ちょっとまて。降りるわ」
家の下におりてくる。
ミキオ「俺も詳しく事情はわからんねんけどな、昨日の朝になんか知らん、天理の方の警察が来てパクられていったわ」
俺「え?天理??パクられた?何をして??」
ミキオ「それがわからんのや。親も警察に聞いたんやが捜査中で今は言えませんの一点張りでな」
俺「逮捕状とかあるんちゃいますの?」
ミキオ「それは英子しかみてない。俺も下でなんかしてるなー思ってたら、ちょっと警察いっくるわ。いうて出たきりやし」
俺「昨日の朝でしょ?てことはブチ込まれてるんすか?」
ミキオ「そうなるな。そのまま留置されとんちゃうか」
俺「そのへん詳しないんですけど、留置てどれくらいされるんすか?」
ミキオ「ヨンパチいうてな、最低48時間は続くらしい」
俺「48時間いうことは、明日の朝くらいには帰ってくるんですかね?」
ミキオ「あくまで48時間は最低や。警察と検察の判断で勾留を延長される場合もあるし、そもそも留置に放り込まれてるいうことは逮捕されてる訳やから、英子がなんかしたんは確かや。」
俺「なんかしたて。。ケンカもせえへんし、盗みもないし、薬物も縁ないでしょ?ただ特攻服着てウロウロしてるだけですやん。」
ミキオ「そや。心配なら面会いったらええねん。ウチの親は悪いことしたんやったら警察いってお灸すえられてこい言うて面会いってないけどな」
俺「いけるんすか!!」
ミキオ「警察に聞いてみろ。留置の間は誰でも行けるはずや」
俺はその足で天理まで行き、英子がいるはずの警察へと足を運んだ。そして受付の婦警に留置所にいる英子の面会に来た。というと、少し待ってください。ということで刑事が降りて来て、俺と英子の間柄や交友関係の話を聞かれた後、(俺と面会させても捜査に影響がないと判断されたのか)面会が許されることになった。
刑事「今、取り調べ中やから11時から10分だけ面会させたるわ。差し入れとかあるんか?」
俺「いえ、とくに差し入れとかは持って来てません」
警察「警官も立ち会うからな。いらん話はすなよ」
とりあえず俺はなんだかホッとした。だが英子はいったい何の罪で逮捕されたのだろうか?
そしてさすがお役所仕事。11時どころか、12時になってやっと面会が許された。それから面会室へと案内されてたのだが、薄く黄ばんだ塗り壁に穴の空いたアクリル板で仕切られており、まさにイメージする面会室だった。
すると数分後に家着の白のトレーナー上下で英子が登場し、英子は「俺クンwごめんなー。心配せんといて。大丈夫やから。なんかトラブルあったみたいでねwあんま詳しくは言われへんねんけど、帰ったら詳しく話すわ♪ウチは大丈夫やから天理まで毎日こんでええからね!」と、薄く微笑んでいるのである。
10分の短い時間での面会なので自然、早口になった。だが、この時の英子の表情は今まで見たことない寂しげなものであった。きっと孤独な状況に立たされているのだろう。
聞きたいことはいっぱいある。だが、警察が立っている以上、事件のことは聞けない。俺もそこは空気を読んで「ほんまに大丈夫なんやな?カラダわるないか?夜は寝れてるか?俺のことも心配すなや。今はつらいけど帰ったらまた遊ぼな!」くらいしか言えなかった。
最後、アクリル板越しに手と手を合わせて退出していく英子の背中を見たのだが、英子は溢れる涙が隠せないような様子だった。
そして俺は英子が捕まった理由を独自捜査することになった。
当然、一番の捜査対象は紫式部である。英子の身に何があったのか。紫式部メンバーに問い糺すのが一番早いと思いすぐに美咲のところに行ったのだ。
すると、案外すぐに答えに辿りついた。美咲がいうには、ついこの前、紫式部メンバーと天理の一般ヤンキーとの間でトラブルがあったと言っていた。
紫式部のメンバーが天理の方で友人とカラオケに行ったところ、そこに天理の地元ヤンキー数名が急にカラオケの部屋に入って来て「一緒に歌おうぜ!」とナンパして来たとのことだった。
するとナンパメンバーはアルコールや食べ物を注文しまくり、合計6万円くらい店で使った後、トイレ行くわ!と言って逃げて行ったそうだ。
当然、紫式部メンバーはそんな6万円もの大金を所持しているハズもなく、自身も被害者であることを説明したが、「おたくらも楽しく食べ飲みしたんでしょ?」と結局は手持ちの2万5000円の全財産を支払う事で店との和解が成立。その後に店は警察に被害届を出すことにしたらしい。
当然、後日、紫式部メンバーは仲間や知り合いを総動員して食い逃げした奴らを大捜索した。
だが天理の中で特定の人物を探すなど無理な話。ここが暴走族の悪いとこなんだけど、途中から「天理のヤンキーだったら誰でもいい」になっちゃったとの事。
それから複数に片っ端から公園等でたむろってる天理のヤンキーを襲撃し、金を巻き上げていったんだが、、、、。
その時、唯一、特攻服を着ていた英子の存在で、天理市で行われた暴走族による恐喝事件の犯人グループに、紫式部が関わってると警察にバレたんじゃないか。
そして特攻服の刺繍や背格好から英子の存在が特定され、英子に暴行、恐喝容疑で逮捕状がまわった、、、、可能性があると美咲は言っていた。
ただ、問題なのは英子が一人で罪をかぶったら傷害?暴行?恐喝などで初犯だとしても留置から豚箱送りは確実。だけどチームとしては大手柄。
逆に仲間の名前をゲロしたら、仲間を売ったということで紫式部からヤキ入れられて破門される、、、。との事だった。特攻服を着ている以上、覚悟があって着てるんだろうなという理論。
当然、警察は英子以外の共犯者を紫式部メンバーだと考えてるし、紫式部メンバーである以上、英子の証言で芋蔓式に逮捕できると確信しているはずだ。
そんな警察に対し被害者は複数人にやられたと言ってるはずなので、私一人でやりました。と一人で罪を背負うのは不可能。だとしたら、どうやって警察を欺いていくのか?
美咲たちの間でも英子の警察に対する証言内容は非常に関心高い事であり、中には、いつパクられてもいいようにお泊まりセットまで準備しているヤツもいるとか。
(だから特攻服なんて着て回るなっていったのに!!!)
自業自得とはいえ辛い立場に立たされてるのは間違いない。俺は生まれ持ってのヘタレ思考から、ゲロ吐いてもいいから一日も早く英子に帰って来て欲しかった。帰ってきたら一緒に不良をやめて、英子と二人でまともな生活をするのも悪くない。
3日たてど、4日たてど英子は帰ってこなかった。
おそらく勾留請求をされているのは間違いない。また取り調べが終わり豚箱送りになれば身内であるミキオ君がすぐわかるはず。ミキオ君は状況は以前とかわらず。と言っていたのでまだ警察署にいるのは間違いない。
それから俺たちは紫式部メンバーと警察署の前を族車でアクセルミュージックを奏でながら「英子!!がんばれーーー!!」などと叫び声をあげて応援した。
逮捕から1週間がたった。英子はまだ熾烈な警察からの取り調べを頑張っていた。
俺はいても立ってもいられず、あの人なら何かわかるかもしれない!!と神仙連合の溜まり場のゲーセンへと行った。
俺「智津山さんはいますか!!!」
村井「またテメーか。今度はシャブ中でも出たんか?アレはなおせんぞ?」
俺「いや、そうじゃなくて!英子が!!」
智津山「なるほどな。英子を救い出す方法か。あるのはある」
俺「あるんですか?!教えてください!」
智津山「上祐、教えたれ」
上祐「簡単や。被害者が被害届を取り下げたらええだけや」
俺「でも、被害者なんて誰かわからんすよ!」
智津山「天理のチンピラヤンキー言うてたな。おい。新実?」
新実「はい」
智津山「お前、天理に顔聞くだろ。コゾーの為やない。英子の為に当たってやれ」
新実「わかりました」
それから新実さんは各地に連絡を取ってくれてその翌日、俺はまたゲームセンターへといった。すると、、。
新実「おい、俺、わかったぞ?」
俺「わかったんすか??」
新実「よかったな。俺が連絡した天理のやつの、まさにその弟のツレがこの前、紫式部にやられたらしいわ」
俺「でも被害届下げてくれるんですか?」
パチコーーン!!新実から殴られる。
新実「被害届下げてもらうんはお前の仕事だろうが!!!」
俺「は、はい、、、」
新実「相手は天理のWORLDっていうゲーセンにたむろしてるらしい。名前は永山言うらしいわ。今から行くか?」
俺「お願いします!!」
そして俺は新実さんのGPZ400の後ろに乗せてもらい天理のWORLDへと赴いた。
それからWORLDにいた不良に永山の居場所を聞き当て、永山本人が現れると、俺は永山に今回の件を暴行の件には謝罪し、なんとか被害届を下げてくれないか?と願い出たのだった。
すると永山は「10万で示談したるわ」と強気なのである。すると新実が、「紫式部て女のチームやぞ?女にカツアゲされた挙げ句の果てにはポリにチンコロか?天理のモンは情けないのぉ?」とうと、「う、、、。に、新実さんがそういうなら。。」と無条件で被害届の取り下げが成立したのだった。
すると永山は、「やっぱ不良として殴られたからいうて警察をたよるのはおかしい俺たちのやり方で解決する」と不良なりの理由で被害届を下げたのである。
すると警察のこういった場合の対応は早く、その日の午後、ミキオ君から「俺!英子が釈放されるから迎えにこい言うてるわ!!行ってくるから溜まり場で待っとけ!!」と連絡が入ったのである。
それから英子の両親とミキオ君で警察署に迎えに行ったとのだった。
それから英子は一旦を家に帰り風呂に入った後、紫式部メンバーに説明するために溜まり場へ行き、そこで改めて逮捕後の経緯を話すことになった。
英子「恥ずかしながら、帰って参りました!」
夏菜子「なんで小野田さんのマネやねんw で、どうやってん?」
英子「刑事が、どっかのカメラの写真みせてきて。これお前やな。言うてくんねん」
夏菜子「で、?」
英子「この子可愛いなあ、お目目バッチリやん。どこの子や?」っていったら
フダ(逮捕状)みせられて、恐喝容疑で逮捕するいうて手錠つけられてん。車の中で黙秘権あるとか弁護士つける権利あるとか言われて、ほなしゃべらんでええんやー。て思ってんけどなw。
それから3月15日の天理スミレ公園での恐喝についての話や。言うてくんねん。
それから毎日やで?朝から夕方までずっと、誰といたんや?そこで何したんや?仲間はもう吐いたぞ、後はお前だけやぞ、吐かないと罪どんどん重なるぞ、って言われんねん。」
夏菜子「で、なんていうてん?」
英子「雑談には応じたけど事件のことは今は話したくないって黙ってましたw」
夏菜子「黙る言うのが一番難しいんやで?なんで耐えれたんや?」
英子「特攻服もらってすぐに警察にゲロしたって恥ずかしいですやん?wあとー、みんなが応援来てるの聞こえてたしwだから頑張れた」
夏菜子「留置所はどないやった?」
英子「最悪でしたw メシはまずい弁当やし、トイレはガラス張ってて顔見えるし、トイレの水量にも二つあって、小お願いしまーすとか、大お願いしまーすとか叫ばないと流してくれないんですよw お風呂も3日に一回やし、着替えもするんですけど、脱いだ服を警官に預けるんです。ぜったいあの警官、パンツクンクンしてると思いました!」
夏菜子「泣いたやろ?w」
英子「毎日ないてましたよ!今でも泣きそうです!めちゃ淋しかった!!!うわーー!ん!」
夏菜子「そかそか。ナデナデ」
夏菜子「お前ら、今回の事を教訓として、特攻服きて無差別に人襲うなや?!たまたま結果オーライやけど場合によっては看板にドロ塗る行為にもなるし、自分らが損するんやぞ?わかったか!」
紫式部メンバー一同「はい!」
夏菜子「よし。今から英子の放免祝いや!英子何食べたいねん?」
英子「回転寿司とクレープ♪」
夏菜子「よし、英子がゲロするおもてお泊りセット用意したヤツの奢りじゃw」
紫式部メンバー「おー!w(えー!)」
こうして俺と英子はまたしても智津山さんと神仙の面々に助けられたのでした。
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