リビングに戻るとi姉さんは既に洗濯物を干し終えて戻っていました。
チラと此方を見て、コーヒーできてるよ、と入れてくれます。
ありがとう、なんて言いながら受け取り、昨日と同じテーブルへ。昨晩の出来事を思い出し……しかしどうしても気まずい。その気まずさを感じているのが自分だけ、というのが何よりも。
いただきます、とズズッと一口……コーヒーの水面を見ながら、どう振る舞えばいいか考えても、考えても……答えが見つかりません。
「そういえば、なんだけどさ」
緊張が伝わってか、i姉さんに気を遣わせてしまったようです。
「昨日の事、気にしないでいいからね。シラフになると、やっぱ考えるよね」
表情こそ笑っていますが、言葉はどこか寂しそうで。気のせい、かもしれませんが。
まくし立てるように続けます。
「なんなら無かった事にしちゃいなさい」
ここでハッとしました。
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