引き出しを開けるときれいに畳まれたパンツが整然と並び、i姉さんの几帳面さが垣間見えます。
時間もそうは無いでしょうし流石に手に取ることはしませんでしたが淡い色のものが多かった様な……とまじまじ見ていたら、何やってるの、と笑いながらi姉さんが着替えを手に戻ってきました。
いや、つい?なんて言い訳しつつ、渡された服を着て戻ります。i姉さんも自分も、先程と似たような格好で。
「何か飲む?」
「じゃあ、水で」
「はーい」
と普通の会話をしても、それまでとのギャップに夢だったのでは、なんて気分にもなり。夢現とでも言うのでしょうか。
はい、とコップを渡すi姉さん。
「布団敷いとくね」
言うや否やそそくさと隣の和室へ入っていきます。手伝います、と慌て水を一息で飲み干しついていくと、押入れから出した布団を渡され広げ、渡され広げ……布団が二組並んだ辺りで、夢では無かったかと改めて実感が湧いてきました。
「もう寝る?」
その一言で、思考が止まりました。
考え過ぎかもしれない、そんな事はない筈だと思考が目まぐるしく移り変わり絞り出した言葉は。
「もう一杯だけ……」
逃げの一手。我ながら情けないとは思うものの、これしか出てきませんでした。
察してか、わかった、と微笑みリビングへ戻るi姉さんの後ろ姿がどこか切なげで、そのまま抱き着いて……しまえたら良いのですがそんな度胸はやはりありません。
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