とはいえ仕舞うことも出来ず、行き場のないリビドーを天に向けるムスコをどうしたものか。そういう時に限ってそれまではアルコールに紛れていたi姉さんのシャンプーと体臭が混ざった香りに気付き、更に硬さを増して。
そんな時です。
「〇〇ってさ、もしかして童貞?」
沈黙を破るi姉さんの言葉は、あまりにも衝撃でした。
「……あー、うん。引くよね、この歳で」
本日2度目の苦笑。2度目の引くよね。下手に取り繕う事もできず、情けない姿を知られ、見られ……どこか自棄になっていたのかも知れません。素直に答える、それ以外の選択肢はありませんでした。
「引きはしないけど……私はその頃には結婚してたから……」
見るからに言葉を選びながら、少しハスキーな、優しい声が続きました。
「それは……a姉ちゃんを思って?」
「まあ、そんなとこ?変に拗らせちゃって」
ハハッと本日3度目の苦笑い。
「そういうお店とかも?」
「無い無い」
「一途なんだ。もう吹っ切れた?」
と、そらしていた視線を一瞬こちらにやるも、小さくはならないまでも落ち着きを取り戻してきたイチモツが目に入ったかまたバツが悪そうに視線をそらしてしまいます。
その様子にまたも血が集まるムスコ。反省してくれと心中で唱えるも中々効果はないようです。
「半分ぐらい?……いや4……3割?」
「全然ダメじゃん」
そういうとこちらを向き、フフっと笑います。
「ホント、全然ダメ」
視線を合わせ、2人で笑ってしまいました。苦笑じゃない笑い。ムスコを出したまま。
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