私は真琴さんの旦那さんの顔をちらっと見た。普通なら自分の妻が他人に抱かれているとなると発狂してもおかしくないと思うのだが、旦那さんの表情は怒りよりもむしろ喜びであるかのように感じられた。
旦那さんは誰が見ても男前と言われる部類に属する男性であるのに対して、私はお世辞にも男前とは決して言われない部類に属する男であることは百も承知である。真琴さんの美しさには彼のような男前が釣り合っているのだということもわかっていた。そんな男前が妻と並んでいると何の違和感もなく、長年連れ添った夫婦のような感じに見えた。私はそれが錯覚であって欲しいと心のどこかで願っていた。
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