続きです。
結局、その後アイとダーリンは復縁し、私は今まで通りお友達という関係に戻りました。
お互いに気持ちを持ったまま、ちょっと複雑な友達関係です。
季節も過ぎて秋になる頃、私のバイト先の社員さんから「もうすぐバイトも終わりだな。バイト辞める前に一度合コンとかセッティングできない?一度女子大生と合コンしたいわ~。」と言われました。女性の友達は多い方ですが、この時はこれを口実にアイに会いたいとしか考えられず、アイに話をふって
私「他に頼めないんだよ。助けて。お礼に一度うちでご接待しますんで。」
とお願いしました。
アイは少し困惑していましたが、本当に困っていると感じてくれたのか、
アイ「妹がフリーだから、姉妹参加でよければ。」
と引き受けてくれました。
私の自宅接待も少し興味があったようです。本筋に関係ないのでお話していませんでしたが、
私には年の離れた弟がいて、ちょっと変わっていて面白いんです。弟くんを見たいという希望もあったようです。
合コン自体はごく普通に楽しく終わり、私とアイはまた普通に連絡して会うようになりました。
そして、2人の転換点となる自宅デートの日がやって来ました。
アイは私の家族に会うことになるので、いつもよりお洒落な服装で最寄り駅にやって来ました。
私「よう。今日はようこそおいでくださいました。」
アイ「うん。楽しみにしてきたよ。何だかドキドキするね。おうちに招待ってないもんね。」
私「大したおもてなしはできないけどね。」
なんて話をしながら自宅に到着。
弟にお茶出しをさせて、少し弟ともしゃべらせて場を和ませると、いつものアイに戻りました。
アイ「ねえ、上田の卒アル見せてよ。」
私「いいけど、若いからって俺あんまり変わらないよ。」
アイ「私のタイプの男探し~。」
私「いやいや、アイのこと好きっていってる男の前でタイプの男探ししない!」
アイ「あ、忘れてた。でも見たいんだもん。」
私「わかったよ。確かこの辺りに…」
2人でアルバムを眺めます。
顔が近づいて、私はすごく意識してしまいました。アイは私の変化に気付いていないのか、無邪気にアルバムを眺めています。
私は少し席を外し、意を決して部屋に戻りました。
私「ねえ、アイ。」
アイ「何?」
私「最近ダーリンとはどう?」
アイ「…どうしたの?急に。」
私「いや、最近話出てこないから気になって。」
アイ「普通だよ。」
私「ラブラブ?」
アイ「…うん。」
私「なんか間があったよ。」
アイ「…そんなことないよ。どうして?」
私「前にさ、アイのこと好きって言ったよね?」
アイ「…」
私「俺、今でもやっぱり好きなんだなってわかっちゃったんだ。たぶん、今は前よりもっと好きかも。」
アイ「…」
私「もう一度本気で考えてくれないかな?」
アイ「…」
アイはしばらく考えて、慎重に切り出しました。
アイ「私、上田のこと好きだよ。でも、ダーリンも大事なの。上田としばらく会わなかった時、話し相手いなくて寂しかった。でも、上田も大事だから中途半端なことして傷つけるのも嫌で会わないようにしてたの。ごめん、上田の気持ちに応えられない…」
私は振られたことよりもアイを悲しませてしまったことが悲しくなり、思わず涙がこぼれました。
泣くなんてカッコ悪い…と今から考えるとそう思いますが、その時は止めることが出来ませんでした。
アイはしばらくその場で私を見ていましたが、次の瞬間思いもよらない行動をとりました。
涙が止まらない私を抱きしめ、唇を重ねたのです。
前置きが長くなってすいません。次から少しはドキドキの展開になります。続きます。
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