続きです。
お互いに内々定がとれ、6月の半ば位に2人でお祝い。場所は普通に居酒屋でしたが、とても楽しく時は過ぎました。お酒も程よく回ってきた頃、アイから思いもよらない相談を受けました。
アイ「ねぇ、上田。実は最近ダーリンとうまくいってないんだよね。」
私「え?だって、ラブラブだって話だったよね?何かあったの?」
アイ「ん~。最近ちょっと喧嘩が多くて…どうしてかな?」
私は何故か少しそのあとの展開を期待しながら相談に乗りました。内容は、最近喧嘩が多い。就職活動中のすれ違いが原因かも。アイは少し距離を置いたらいいかもと考えている。
こんな感じでした。
私は一応よき友人を装って、
私「別れるという結論は急いで出さずに、少し距離を置くのはいいかも。」
と、アドバイスし、
私「もし遊びに行くなら付き合うよ♪」
と遊び相手の立候補をしました。なにせお互い大学4年。もうそんなに必修や単位に追われていません。アイもそこは乗り気で、
アイ「じゃあ、今度ピクニックとか行きたい。高尾山行こうよ~。」
と次の予定も決めました。
アイ「でもさ、彼氏持ちと遊んでていいの?上田、彼女いないんでしょ?」
私「いいのいいの。アイと遊ぶの楽しいし。でも、もし彼氏と別れることになったら俺と付き合って。俺もアイのこと好きだしさ。」
軽い話の中でしたが、ついうっかり私は本音をしゃべってしまいました。ヤバい、引いたかも…と思っていましたが、アイは笑って、
アイ「そんなことないと思うけど、もし別れたらね。私も上田のこと好きだよ。楽しいし。」
とあまり本気に取らなかった反応でした。
半分ほっとし、半分がっかりしたのをよく覚えています。
その日は何事もなく帰りました。
それから2週間後、約束のピクニックに行くために朝早くに立川駅で待ち合わせをしました。
私はお弁当を作って持参。アイは高尾山の登山口までの運転担当です。ご存じの方も多いと思いますが、高尾山は軽装でピクニックにはちょうどいい距離感です。
たわいもない話をしながら山頂へ。
山頂付近で2人で弁当を食べながら、また話は彼氏の話になりました。
私「最近ダーリンとはどう?」
アイ「変わらずだよ。どうかな?少しダメかもって思ってる…」
私「距離はまだ置くつもり?」
アイ「うん。」
私はついいけるかもと思い、
私「もし距離をしばらく置くなら、その間だけでもいいから俺を彼氏だと思ってもらえないかな?この間の話、実は本気なんだ。俺、アイのこと本当に好きになったみたい。」
アイはちょっとビックリした表情を浮かべた後、黙りこみました。
沈黙が続きそうになったので、私はたまらず
私「そんなに真剣に考えなくていいよ。2号さんじゃないけど、便利な代わりくらいに考えてさ。たまにこうして楽しく遊ぼう位でいいんだよ。」
と答えを出させないように話を進めようとしました。しかし、アイは
アイ「ごめん。今の上田の気持ちは凄く嬉しい。私も好きだよ。でも、ダーリンとのこと中途半端でそういうことは良くないよね。ダーリンも今でも好きなの…ちょっと考えさせて。」
と真剣に考えて答えてくれました。
私はアイを困らせてしまったことを後悔しました。
アイはそんな私の気持ちを察したのか、一際明るく振る舞い、
アイ「さ、天気もいいし、お弁当も美味しいからここからは楽しく遊ぼう♪今日帰るまでは上田がダーリンの代わりだよ」
とすごく気を遣ってくれました。下山してトリックアートを見て…とその日も特に進展なく帰宅しました。
ただ、お互いにお互いを思う気持ちがあることだけ確認できたことが私は嬉しかったです。
続きます。
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