続きです。
その後、アイとはなかなか会う時間が取れず、電話でのやりとりがしばらく続きました。
以前記載しましたが、私の勤務先が北関東の県でしたので、私はアイと一緒にいる時間を作るために秋に温泉旅行に誘いました。
アイもその誘いには喜んで応じてくれて、10月の末に旅行に行くことになりました。
ただ、この旅行までの間にまた1つ動きがありました。私に彼女が出来たのです。相手は会社の同期の香です。夏休みに遊びに来るなど積極的なアプローチもあり、付き合うことになったのです。
私はアイのことを好きです。その気持ちは変わらないつもりだったのですが、アイとダーリンは変わらず付き合い続けている状況に待ちきれなかったのかな、と今となっては思います。
アイも他に本命がいるんだから自分も…と思ってしまったのです。
約束した日、アイは最寄り駅まで来てくれました。私はこの日の為にレンタカーを借り、ドライブを楽しみながら宿に向かいます。
アイ「景色きれいだね~。楽しみにしてたんだ。」
アイははしゃいだ声を出して喜んでくれています。
私「宿は大きくないけど、温泉はかなりいいみたいだよ。」
アイ「温泉好き~。たくさん入りたいな。」
私「楽しめばいいよ。食後にはアイの好きなお酒も用意してあるよ。」
アイ「さすか上田。準備がいいね。そういうとこ、すごいよね。感心する。」
そんな話をしながらドライブを楽しみ、16時過ぎに宿に到着しました。
部屋に案内されてすぐ、アイと私は温泉を楽しみにいきました。残念ながら混浴や家族風呂はなかったので、別々にのんびりお風呂を楽しみました。私はそのあとの展開にどうやって持っていくかを考えながら部屋に戻り、お酒の準備をしました。その途中にアイはお風呂から戻ってきました。浴衣姿が色っぽくて、私はすぐにでも抱きたい気持ちになりました。
でも夕食の時間も迫っていたので、ここは我慢して夕食までアイにマッサージのサービスです。
肩から背中、首周りを揉みほぐしているうちに夕食の時間となり、部屋に食事が運ばれてきます。
夕食も美味しく、お避けも進み、本当に楽しい時間でした。私が彼女の存在について口を滑らせるまでは…
確かこんな話をしている時でした。
アイ「でも、上田は本当にすごいよね。私、上田に思われてるの幸せ。でもさ、他に本命出来たらそっちに行っていいよ。」
私「ん~、そういう時来るのかな?」
アイ「あれ、否定しないんだ。もしかして、何かあった?」
私「…実は、告られた。」
アイ「本当?上田はそれでどうするの?」
私「迷ってる。」
私は咄嗟に嘘をついてしまいましたが、アイはこの辺りから少し私に対して距離を置こうとしているようでした。アイの気持ちは聞きませんでしたが、たぶん私と同期の彼女がうまくいった方が私が幸せになると考えたのではと思います。
私「でも、今日はアイと旅行を楽しんで、それから考えるよ。」
アイ「よし、じゃあお姉さんが色々相談に乗ろう♪」
私「おいおい、アイ俺より年下じゃん。」
アイ「恋愛では私が上~。」
アイがあまりに明るく話すので、私はアイに聞きました。
私「アイは俺の気持ちがアイ一筋じゃなくなっても寂しくないの?」
アイ「…それは少し寂しいよ。でもさ、私ダーリンと別れないよ。上田に今の状況を続けてほしいとは言えないよ…」
私もアイもきっとすごく複雑な気持ちだったと思います。
私はアイとの距離をもう一度縮めたくて、アイを抱きしめようとしました。
しかし、この行為に対して今までとは違った強い抵抗をアイがしました。
アイ「ダメだよ上田。ここで流されたら。」
私「アイ、でもやっぱ俺はアイといつまでもいたいよ。」
アイ「ダメ!今日はダメ!」
抱き寄せようとする私をかわしてアイは布団に潜り込みました。心なしかアイの肩が震えているように見え、その日私はアイを抱くことなく眠りにつきました。
翌朝、私はアイを抱くべく布団に潜り込みましたが、やはり抵抗が強く、アイを布団に組み敷き胸を露出させたところでアイは泣き出しました。
アイ「上田、イヤだよ…そんな乱暴な上田、らしくないよ…」
私はアイのその言葉にショックを受けました。
もうアイは私を受け入れることはないのかなと感じました。
結局、チェックアウトして駅まで送る間、私とアイはほぼ口をききませんでした。
駅で別れるとき、お互いに
「じゃあね。」
というのが精一杯でした。
それから1週間後くらいにアイからメールがありました。
アイ「私、上田にたくさん甘えてた。でも、上田のこと考えたらこのままじゃいけないね。私上田を卒業する。もう会わないことにしよ。さよなら。」
私は返信しましたが、メールは帰ってきませんでした。
これを最後にアイとは全く連絡を取っていません。私も今は家庭を持つ身ですが、今でも妻以上に本当に好きだった、素晴らしい女性だと思っています。もしアイがダーリンと別れていたら…もし私がずっとアイ一筋に思い続けていたら…展開も変わったのかな…などといまでもふと思います。
長文をダラダラと記載してしまいました。
読んでいただいた方々、いるかわかりませんがお付きあいいただきありがとうございました。
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