部屋に戻ると、M美はすぐに布団に潜り込み、10分もすると規則正しい寝息を立っている。
A子は相変わらず、窓から外を眺め何か考え事。
冷蔵庫からビールを1本取り出し、栓を開けグラスを2つ持ちA子と向き合うように座り、
「・・・飲む・・・」
「・・・うん・・・」
A子にグラスを渡し、そのグラスにビールを注義、自分のグラスにも・・・
そっとグラスを合わせた後、2口程喉に流し込みテーブルにグラスを置き、外を見る。
「・・・ねぇ・・・M美のことどう思う?」
A子が何を聞こうとしているのかわからない。
「どうって・・・何が・・・?」
「1人の女としてM美を抱きたいと思う?」
あまりにも直球過ぎて、言葉を失い黙りこんでしまった。
YesともNoとも答えられない。
頭のなかにさっきのことがグルグル回る。
「そうだよね、答えられないよね、色んな意味で」
A子はグラスに残っていたビールを飲み干すと布団に入り、
「電気消してね」
そう言って、頭から布団をかぶっていた。
俺は言われたままに、電気を消し真ん中の布団に。
A子の言葉と、M美のとった行動がグルグル頭のなかを回る。
・・・眠れない・・・。
何度も右に左に寝返りをうつも、寝付けない・・・。
仕方なく天井を向き頭の下に手を組んでしばらくすると、
「眠れない?」
A子が少し心配そうに声を掛けてくれた。
「・・・うん、なんとなく・・・」
「なんとなくじゃ無いくせに」
Aはクスクスと笑いながら、俺の顔を見て静かに自分がかけていた布団と毛布を腕で上げた。
薄暗い部屋の中で、A子の裸体がぼんやり光っているようにみえた。
「・・・その気ならしてもいいし・・・その気がなくてもいいから・・・」
A子はそう言って、にっこり微笑む。
A子の裸体に引かれるように、A子が横になっている布団に潜り込み、A子の胸に抱かれていた。
「男の人って大変だよね。理性っていうの、そういう物を保つために我慢したり、悩んだり・・・」
「女だって一緒だろ?」
「それは、そうだけど・・・何を考えているの」
「・・・別に・・・」
「・・・別にって・・・M美と私の事」
A子にズバッと言い当てられ、なんの言葉もでない。
「M美、貴方の前で私に言えないようなこと何かしたんでしょ?」
俺は、何も答えられずにいた。
「図星でしょ。M美小さい頃から変に大胆なところがあって、私に言えないよう事した時は、さっさと隠れる様にお布団に入ったり部屋に閉じこもったりするから。
それに、お風呂から戻ってきた時の貴方の態度も、なんだかよそよそしいって言うか、めったに飲まないって言ってたお酒を飲んだりして・・・」
今更なのかもしれないが、A子はM美の母親であり良き理解者、そして俺のこともよく見てくれているんだと思わされた。
「・・・M美な・・・」
「何も言わなくていいよ・・・私、少し見てたし・・・それに・・・聞きたくないから・・・。」
A子はそう言って、俺の顔を胸に押し付けるようにしてきた。
それと同時に、カーッと頭に血が登ってくるような感覚を覚えると同時に、A子の身体を激しく求めていくと、A子は拒否せず、むしろA子も俺の事を求めてくれているようで・・・
M美がすぐ近くで眠っている事も忘れ、お互いに求め合い、激しく交わりそして・・・、
「・・・赤ちゃん・・・出来てもいいから・・・中に・・・して・・・」
A子に言われるがまま、俺はA子の体内に熱いものを最後まで出し切るようにし、力尽きるかのようにA子の体の上に覆いかぶさっていく。
2人共荒い息使いがしばらく続き、ようやく息使いが落ち着いてきた頃、A子の身体の上からズルズルと降り、2人の布団の間に仰向けになるように・・・。
仰向けに、大の字になった俺左腕を枕にするようにA子が寄ってきた。
そして俺の耳元で、
「・・・M美が貴方を求めたら・・・貴方がM美を求めても・・・私と同じように・・・それよりもっとでもいいけど・・・愛してあげて・・。
ただ・・・その後・・・私も愛してもらえたら・・・」
俺はA子の言葉に耳を疑った。
A子は、自分の1○歳になる娘の事を俺に託す様な事を言ったのだから。
俺に、A子が言うような器用な事が出来るだろうか?
深く考える間もなく、眠りに落ちて行った。
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