「チーズ味」
唇を離して私が言うと、先輩はクスクス笑った。
耳に息を吹き掛ける…
「あっ」
「声出したらダメだよ」
「うん…」
耳たぶを柔らかく甘噛みしながら、胸を揉んできた。
私は、やんわりと手をどかす。
「これ以上はダメ」
ちょっと拗ねたような顔をしたが、すぐに気を取り直して10杯目のシャンパンを頼んだ。
「先輩、飲み過ぎですよ」
小さな声でたしなめたが、流し目で笑ってかわされた。
しばらくして先輩がトイレに立ち私は待っている間、少し携帯を触った後、周囲の様子を見た。
薄いカーテンに透けて隣のカップルの息遣いが聞こえるようだ。
彼女を膝に乗せて激しいキスをしていた。
私は、その二人に煽られるように体の芯に火が着いた。
早く先輩帰って来ないかな…
太股を擦りあわせながらモジモジしてると、先輩が戻ってきた。
「遅かったですよ」
「悪い…飲み過ぎた」
「大丈夫ですか?」
「もう、出よう」
会計を済ませて階段を登ると、私達は再び歓楽街の喧騒に包まれた。
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