女というのはどうしてこんなに単純なんだろう。男を金としか見てない。そう思われても仕方ないほど女達は僕ら一流企業の人間に迫ってきた。今回の話とは無関係だけど某アイドルと関係をもった事もあった。そして運命の日が訪れた。普段と何ら変わらない軽い感じで合コンに行ったその瞬間、僕は忘れていた高校時代の恐怖心を思い出した。相手の女の中にあの中野咲がいたのだ。帰りたかった。でも先輩に止められて帰れなかった。中野咲は僕に気付いてないのか…まったく表情を変えず笑顔だった。高校時代に比べればだいぶ変わったから当然か。僕にとって中野咲は大きい存在だったけど、中野咲にとって僕なんて覚えてる価値もない男だったという事だと思う。そして合コンは始まった。まずは自己紹介。他の合コンがどうだか知らないけど僕らの場合は下の名前しか紹介しない。一流企業に勤めている妙なプライドか、フルネームは教える価値のある女にしか教えないらしい。でもいくらなんでも下の名前聞けば気付くだろうな…そうしたら高校時代の情けない話をされて今の立場が崩れるだろうな…しかし先輩がいるので偽名を使うわけにもいかず僕は奇跡を信じて名前を言った。「…え?」中野咲が僕を見た。続く。
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