「…イヤァ!」中野咲は力を振り絞って先輩から離れた。「はぁはぁ…」部屋に響く音は激しいDキスの音から荒い息遣いの音へと変わり辺りはシーンとしていた。「あ…あのさ、ゲームだから…」先輩の言い訳が始まったが中野咲は「帰ります」と一言だけ残し帰ってしまった。場の空気は一気に冷め切って、不思議と女達は中野咲を追い掛けなかった。この時は追う感じじゃないかとさほど気にしていなかったが…この時点で気付くべきだったんだ。中野咲の恐さを。結局当然ながら中野咲が合コンに帰って来る事はなく、目当ての女がいなくなった先輩はテンションが落ち、計画がオジャンになった僕もまたテンションが落ち、残された女達だけ必死に盛り上がっていた。そんな流れで合コンは終わり、僕は最初の王様ゲームで手をつないだ女に無理矢理アドレス交換をされた。「手握られただけなのに…」なんて言ってきた。世間的に見ればこの女だって充分に美人。他の女だってそう。中野咲がいたから普通に見えてしまっただけなんだ。僕は無言で女をホテルに連れ込んだ。まるで中野咲の代わりかのように、作戦失敗の憂さ晴らし。女をベットに押し倒した。「あ…ちょっと待って、シャワー…」「黙ってろ」
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