気付かれなかったのは当然といえば当然かもしれない。中野咲は僕の事を「おい」とか「ねえ」とか名前で呼んだ事はなかったし、呼んだとしても「M男」だったからだ。しかしこれは都合が良い。とうとう中野咲に復讐する日がやってきた。僕には自信があった。中野咲を口説いて抱く。それが復讐だと思った。傷つけたりするのは僕の社会的地位を崩してしまいかねないからだ。色々考えていて合コンに目もくれていなかったが、ふと見てみると先輩達は他の女をほったらかしにして中野咲に酒をすすめていた。中野咲も嫌がりつつ断れないといった感じでハイペースに飲まされていた。まずい…このままでは中野咲が潰れてしまう。潰れてしまっては口説けないし、先輩達にお持ち帰りされて犯されてしまう。今夜は絶対に復讐しなければ。そう思った僕は普段なら絶対に自分から提案しない無能な人間の行うゲーム、王様ゲームをやろうと言った。酒を止めたかったのだ。先輩達も普段ならエリートに相応しくないと王様ゲームなんて絶対にやろうとしないが、この日ばかりは中野咲と…という企みからか賛成した。他の女もノリノリで中野咲はといえば、賛成するわけでもなく反対するわけでもなく、王様ゲームが始まった。
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