2024/12/21 13:43:35
(2oTlRVgD)
後日、骨折した英子チャンがお見舞いに来てくれたのである。
ピンポーン
オカン「ちょっとーー。俺ぇ?」
俺「何だよ」
オカン「女の子きてるよ」
俺「おんな??」
そして玄関に行くと紫式部の下っ端メンバー英子チャンが立っていた。
俺「あ、ども。どしたん?」
英子「お礼言おうと思って。夏菜子さんも行ってこい言うから」
俺「おん。あがって。オカンに話聞かれるし」
英子「うん」
オカン「あんたら変な事しなや」
俺「誰がするかボケェ。オバハンはだまっとれ!!」
俺「お礼て何?」
英子「夏菜子サンと乗り込んだんやろ?」
俺「うん。ついて来てくれ言われたから」
英子「全部きいたよ。上祐って神仙ではメチャ有名なやつやん。そいつに掛かっていったんやて?」
俺「ああ。ボコボコされたけどな。一発しか殴れんかったわ」
英子「ウチの為にありがとう。」
俺「いや別に英子チャンのためちゃうで?ただ連れて行かれて引っ込みつかんようなっただけや」
英子「それでもええねん。ありがとう」
俺「うん、、。どういたしまして」
英子「けっこーアザ出来てるなぁ。見せて」
俺「あんなヘナチョコパンチそのうち治るわ」
英子「アザ作ってオカンに何か言われんかった?」
俺「また調子こいてしばかれてきたんか?言われたな。オカン元ヤンやから」
英子「ほんまやなw俺クンのオカンそんな感じするわーw」
俺「で、何しに来たん?」
英子「だからお礼やて」
俺「そのお礼ってのが意味わからん」
英子「紫式部では仇も返す。恩も返す。っていうルールがあんねん」
俺「急にお礼やいわれてもな、、、(夏菜子さんの件が頭をよぎる)エロい事しか思いつかんわ」
英子「エロい事されたいん?」
俺「無理やろ?コッチも無理や思ってわざと言うてんねん」
英子「出来るよ。やったことないけど。」
俺「やったことないん?」
英子「こう見えてもまだバージンや。」
俺「じゃ、先に彼女なるか?エッチな事はその後やろ?」
英子「ええよ。彼女なったるわw」
俺「おうwじゃ英子チャンは今日から俺の彼女やなw」
英子「よろしくおねがします♪」
こんな感じで彼女が出来たのだった。
しかし、彼女が出来て浮かれる暇もないまま、新たなトラブルが光源氏を襲って来たのである。
それは奈良県市内に出没する、ハイエースをフルカスタムした集団、エースoneの到来であった。奴らは大阪梅田のナビオ族を原流とする暴走族とはまた違う無法者軍団であった。
そんなエースoneメンバーと光源氏メンバーが大和西大寺でトラブルになり、光源氏メンバーがエースoneメンバーを複数で襲撃した事件があったのだ。当然、エースoneは光源氏に報復。序盤は優勢だったものの組織力で劣る光源氏メンバーは次々と襲われていった。
そしてエースoneから、「どや?不毛な争いやめへんか?三人選抜でタイマンはって俺らが勝ったら慰謝料100万。仮にお前らが勝ったら手を引いたるわ。どうすんねん?返事がないなら最後の一人まで襲うぞ?家でも親でも何でもいったるぞ?」と脅して来たのだ。
光源氏の強いやつを三人と言っても、すでに2名はボコられて怪我している。最後の一人は観察処分中で何がやらかせば即塀にぶち込まれる。どーすんねん!!と結論が出ないままでいた。
俺「あの、、、」
幹部「なんやっ?」
俺「策があります」
幹部「いうてみぃ」
俺「神仙メンバーの単車、1台2台焼きません?今、僕らがバチバチいかれてる事も神仙知ってると思うんで!まさか僕らがやったと思わんでしょう。むしろエースoneがやった思うんちゃいます??この前の復讐にもなるしエースoneに焚き付けれるし一石二鳥じゃ?」
幹部「なるほどな。しかしバレたらとんでもないことなるぞ。。かといって他に方法もないしな、、、よし。ここの三人だけの秘密や。それでいこか!」
俺「俺が燃やしいきます!!」
幹部「わかった。くれぐれも気をつけろよ。無理そうやったらすぐ帰ってこい」
そして俺は英子チャンに別れの挨拶をした。最悪、放火で捕まる可能性あるし、警察に捕まらんでもタダでは済まされん。心配かけるの嫌やからもう別れよやと。俺は英子チャンの事を想ってそう伝えたのだが。
英子「ウチも行く。一緒に燃やしに行く!!」といって聞かないのである。
散々問答した挙句、、
俺「じゃ見張りだけして。ヤバくなればすぐ逃げろよ」と俺は渋々、英子チャンを敵陣に連れて行くことになった。
そして神仙の溜まり場であるゲームセンターへと到着。計画では止まっている単車のタンクにドライバーと金槌で穴をあけ、こぼれ出したガソリンに引火するという手筈だった。
出来ることなら黒赤のCBXを燃やしてやりたい。(どこにある、、、?)
「テメー!!どこのもんだ!!!」
俺(しまった!)
それから俺と英子チャンはとらえられ、神仙幹部の前に引き出された。
雑魚「こいつがなんか単車の周りでウロウロしてました」
井上「こいつ、前に上祐クンにしばかれたヤツちゃうん?笑 何しにきてん?」
英子「村井と上祐おる?」
井上「何のようや?」
英子「私まだ手首の骨なおってないねんけど。」
井上「その件は話ついたやろが?」
英子「チームとしては話ついたんかもしれんけど、ウチ個人には話ついてない!!」
井上「なんやこの女は。そのうち村井クンと上祐クンもくるから待っとけ。」
村井、上祐登場
上祐「こいつら何なん?」
井上「前の件で文句あるらしいですわ」
英子「あんたが上祐か?よくもウチの彼氏しばいてくれたな。私の手首もまだ治ってないで?!」
上祐「今更なんやねん。終わった話やろが」
英子「終わってないわ!弱いもんイジメばかりして何が神仙や!笑わせんな!」
上祐「聞き捨てならんのぅ。もっかい言うてみい?」
英子「何回でも言うたるわ。弱いものイジメの神仙連合!」
俺「英子チャン、もぅええて!」
英子「あんたらな。いまウチらの街にエースoneいうのが攻めて来てるの知ってるやろ?」
村井「なんか光源氏やられとるらしいなw」
英子「私らみたいな弱いモンには卑怯な手で来れるけどエースoneにはなんにも出来へんねんな?しょぼいなーw」
井上「なんやと?」
智津山「ぐふふ。なるほどな。そう言うことか笑」
幹部一同「智津山さん!いつの間に!!」
智津山「コゾー、戦況はどないや?」
俺「実はもうボロボロです。向こうは3人出してこい言うんですが幹部らもやられてしもて、、、」
智津山「村井、上祐」
2名「はい!」
智津山「お前らのおかげで女の子から弱いモンイジメ呼ばわりや。どうするんや?」
村井「、、、。では3日以内にエースoneの3名を潰してみせます」
上祐「あと1名は?」
智津山「おい。お前が3人目や。ええな?」
俺「え?俺??」
村井「心配すんな。俺と上祐で3人片付けたるわ。」
智津山「お前も光源氏名乗るんやったら喧嘩のやりかた村井と上祐から学べ。」
俺「は、はい!!」
智津山「オネーチャンこれでええか?うまいこと焚き付けたのぅ」
英子「ヒゲのオッサン、もしエースoneに勝てたら今回の事ゆるしたるわ」
俺「ちょ、、英子チャン!」
こうしてエースoneの選抜メンバーと、村井、上祐、俺の3人での決闘が始まった。
場所は相手指定で伊賀上野の山奥にある平地。ギャラリーとしてエースoneメンバー、光源氏残党、紫式部、神仙連合、の合計60名はいたと思う。
そして相手方の代表は、宅間、植松、加藤という3名だった。
第一戦 村井VS宅間
第二戦 上祐VS植松
第三戦 俺VS加藤
先に二勝したほうが勝ちというルールであった。
第一戦の本気の村井は強かった。夏菜子さん相手にチャラけてた時とは全くの別人だった。ガタイのいい宅間相手に奮戦し、ところどころ形成不利になりつつも辛勝。
第二戦の上祐もかなり強かったが、相手の植松も強く、いつまで経っても勝負が着きそうにないとの全体の合意で引き分けとなった。
となると、、俺が出ないといけない、、、、。
光源氏総長「負けてもいい。全力でやってこい」
村井「あの時のタックルを思い出せ。倒した後は上に乗ってひたすら鼻を殴れ」
上祐「狙うは鼻や。鼻ピアス千切ったれ。」
英子「おれくん、、、、」
俺(あんな相手に勝てるわけないやん、、絶対まける、、、)
加藤「これで俺が勝った場合は最後の決着に誰が出てくるんや?」
英子「、、、ウチが出る」
加藤「ぶふww 女が出てくる言う意味わかっとんか?男と違って女の戦場はあっちやぞ?w」(車を指差す)
英子「そっちは誰が出んねん?」
エースoneギャラリー「俺w」「俺がでるわwww」
俺(英子チャン、何言うとんねん!!ヤラれてまうやんか!)
そしてタイマンは始まった。序盤からボコボコにされてしまう俺。でも後のことを考えると倒れる訳にはいかない。
フラフラになりながらもかろうじて立っていたが、もう警察が来ないかなとか考えていた。
倒された後は最後はしゃがみこんで頭部を防御する俺。まこと情けない。
エースoneメンバー「コイツもう負けやな!オネーチャンこっちこいや!最終ラウンドやろうぜぇw」と英子を連れ込み服を脱がそうとした。
英子「離せや!触んな!自分で脱げるわ!!」
そういうとまだ刺繍の入ってない真新しい下っ端用の赤の特攻服を脱ぎ捨て、60人の前で下着姿になる英子。
英子「俺ぇ!立てぇぇ!!!立たないとお前のオンナがまわされんぞぉ!!!」
村井「今や!タックルじゃ!!思い出せ!!!」
智津山「これが烈女いうやつか!ぐはははっ笑」
(そうだ。突っ込むしかない!)
俺「うおおおおおおお!!!」あの時、村井に飛びかかったように強烈なタックルをかましていった。すると相手は思わぬ反撃に尻もちをつき、「そのまま攻め続けろ!!」との上祐の言葉で俺はマウントポジションを取れた。
(鼻が弱点って言ってたな!)
「うああああぁ!!」それから俺はガムシャラに相手の鼻を殴りまくった。すると鼻のピアスがもげていき、相手は「鼻がぁ!!」と言い出したのである。
勿論俺の手も相手のピアスの部品で傷だらけになったが、相手の鼻はもっと酷かった。
加藤「わかった!わかった!!」そう言って加藤は降参の意思を表すと、「くそっだらぁぁぁ!!」とか言って形成逆転したことに納得のいかないエースoneのメンバーが次々に襲いかかって来たのだった。
エースoneVS神仙連合+光源氏の大乱闘となった。
新実「ひゃっはぁぁぁ!!暴れるぜぇ!!」
中川「俺の相手ば誰じゃぁぁ!!」
林「テメーこいやコラァ!!」
あちこちで喧嘩が繰り広げられており、◯人が出てもおかしくない雰囲気だった。
すると見張りにのために山の麓の入り口で張り込んでいた紫式部メンバーがトランシーバーで「警察ぅ〜〜!!遠くからパトカー見える!!!」と言って来たのだ。
「ポリじゃぁ!!ずらかるぞぉ!!」
そして単車を持ってる者は単車に乗り、車に乗ってる者は車で逃げて行った。
俺と英子チャンは下っ端ということもあり、バイクも持っておらず、また先輩の誰かの単車の後ろに跨る事が出来ず、(先輩を差し置いて我先にと後部座席に乗れない)置いてきぼりを食らいそうになった。
すると神仙メンバーの早川と井上が、「ケツ乗れぇ!!」と救い出してくれたのである。
そして地元の奈良県まで帰って来た。
自宅にて。
俺「英子チャン、あん時たまたま相手のピアスがもげて俺が勝ったみたいなったけど、負けてたらどないしてたん?回されてたで?」
英子「ひと肌脱いだんやでw頑張る気になったやろ?w」
俺「そうやけどや、、もうやめてや。変なとこで出てくるの。悪い癖やで」
英子「それは無理やな。彼氏のためにウチもカラダ張るつもりや」
俺「カラダ張るつもりか、、、」
ふとエロいムードになって来た。
するとムードを英子チャンは察知したのか紐を引っ張り電気を豆電球にしてきたのだ。
俺「でもありがとな」
英子「彼氏のためならなんでもするでw」
チュ♪・・・
しばらく抱きしめながらキスをしていた。
すると俺にも燃え沸る性欲というものがある。俺の意思とは裏腹に、勝手に手が伸びていき特攻ズボンの上から英子チャンの股間に触れていた。
(マジで女の子は何もついてないんやな・・・)
そうしているとガクガクと英子チャンの足が震えているのである。
パチ。電気をつける。
俺「すまん。調子のってもーたわ」
英子「私はええよ。しても」
俺「とりあえず今日は遅いしやめとこ。ミキオ君にも付き合うのはええけど、早よ帰らせ言われてるし。後何より、オカンが下で寝てる。ボロボロの家やから響くねん。」
英子「ウチの声も出るやろしねw」
こうしてその日は終わって行った。
だが終わったはずのエースoneとの抗争はまだ終わってないどころか、前哨戦にしか過ぎなかったのだ。
それもそのはず。エースoneからすれば、奈良の田舎モンに襲撃されるわ挙げ句の果てには選抜メンバーの敗北とナメられっぱなしなのである。
それに、光源氏代表で出て来た村井、上祐は実は半壊させたはずの光源氏ではなく、神仙連合のメンバーだとか。
くっそ奈良野郎どもが!!!と報復の炎をたぎらせたのも無理はない。
それから大阪の奴らとの局地的な抗争が続いていくのだった。
アンパン騒動
暴走族、不良としての生き方は外だけでなく内にも様々問題を抱えている。
とりあえずエースoneとの一時的な決着はついたものの、程なくして今度は内輪揉めが出て来たのだ。
ある日のこと。
光源氏メンバー「今から廃工場で紫式部の子らがヤキ入れられるらしいぞ!見にいこうぜ!!」
俺(紫式部のメンバー?ヤキ?英子は関係ないよな。。。)
そう言って俺たちは野次馬根性で廃工場へと向かった。
俺達の世界ではヤキという文化があった。チームとして御法度の行為を行ったメンバーに対し、幹部がヤキいれるのである。御法度とは光源氏も紫式部もほぼ共通しており、俺の知る限りでは、先輩のバイクを盗んだ系。あと薬物系。あと組織の看板にドロ塗った系(弱いヤツにケンカで負ける、あるいは不様な負け方をするも含む)
また、そなヤキで暴行が加えられるのは当然のこと、オンナは罪の重さによって丸裸、または下着姿にされ、男の場合は丸坊主、また男女共通で特攻服を汚名返上するまで没収というオプションもあった。
不良の世界に生きてる以上、暴行されるのは覚悟してるが坊主やトップクを没収されるのはこの上ない恥辱なのである。
そして廃工場へと向かうと、、
(な!!英子!!!)
そこには紫式部式部の幹部に囲まれたオンナ3人が立たされており、既に英子含む3人は下着姿にされていたのだ。
俺「夏菜子さん!いったい何の罪状で!!?」
夏菜子「お前らもきたんか。コイツらはアンパン(シンナー遊び)やってたんや」
俺「アンパンて、英子はやってないですよ。俺が一番知ってますわ。やってたらすぐ分かりますやん!!」
夏菜子「やってるやってないちゃうねん。その現場におったことが既に罪やねん」
俺「英子チャン、ほんまに現場におったんか?」
英子「コクリ」
夏菜子「男きたから言うて許してもらえるとは思うなよ?右のモンから脱いでけ」
俺(あかん。もう見てられへん)
俺「帰ろうぜ。」
光源氏メンバー「見ていこうぜ。おもろいやん」
俺「俺にとってはおもろないわ!」
俺「夏菜子さん、英子も脱ぐんですか?」
夏菜子「当然、一蓮托生や。」
俺「・・・じゃ英子のオトコである俺の指導不足やいうことで、俺が頭丸めます。特攻服も預けます。英子のこと許したってください。」
英子「俺くん。そんなんせんでいいから!!」
夏菜子「ほー。お前が責任代わりにとるんかい?じゃ英子。お前はもう帰れ」
英子「いやです。3人一緒じゃないと嫌です!」
夏菜子「なんでや?お前はアンパンやってないけど、他の2名はやってたんやぞ?罪の重さが違うやろ」
英子「そういうことじゃないです!俺くんの特攻服ですよ!私らの3人どころか。30人分の重さありますよ!!」
夏菜子「はははははwそういうことかwおい、俺?」
俺「はい。」
夏菜子「英子。お前ええオンナなったのぉ?俺、大事にしたれよ?」
俺「は、はい。」
夏菜子「丸坊主の件は光源氏のことやからウチらは関係ない。ただ、特攻服は預かっていく。後日、俺がなんらかの手柄立てた暁には返したる。よし解散!お前ら帰れ!」
そういって俺は特攻服を後日、夏菜子さんに届ける事になった。
俺「なんでシンナーなんかの現場おったんや!!」
久しぶりに俺は怒った。すると英子はこう説明してきたのだった。
友達の恵美子は今回初めてシンナーを吸ったが、美咲の方は以前からのシンナー常習者であり、何度もヤキられているにも関わらずシンナーをやめないとの事だった。美咲の家庭にも問題があり、また男にヤリ逃げされてから更にシンナーにのめり込むようになったらしい。
英子「あの子もともと愛情不足やねん。さらにオトコに裏切られてから酷くなって、、」
俺「そんなヤツと関わんなや!巻き添いくらうやんけ!」
英子「ごめんなさい、、」
英子を責めてもしかたない。それより手柄を立てるってどうすればいいんだ。
(そーや。神仙の人ら、まだエースと戦ってる言うてたな。その抗争に便乗させてもらって一人二人倒しましたって言おかなwそれしかないわ!)
それから俺は神仙の溜まり場のゲームセンターへと向かっていた。
そして村井、上祐、早川、新実、林、中川、遠藤、土谷といった幹部に改めての謝礼をし、後から来た智津山さんに改めて挨拶をした。
俺「先日はお世話なりました。あれからまだ抗争続いてるんですか?」
上祐「ボチボチやな。もうええ加減、和解しよか言うてるわ」
俺「和解っすか。。」
上祐「なんや、和解されたら困るんケ?」
俺「いや、実は、、、手柄が必要なんです。」
それから俺は集まっていた神仙幹部にことの次第を説明した。
智津山「なるほどな。だが、なにも敵の首上げるだけが手柄ちゃうやろ」
俺「え?」
智津山「美咲いうたか?お前の力でシンナーから救ったるんが一番の手柄ちゃうんか?」
俺「あ。。でもどーやって?」
村井「男ならな、数日数週監禁して無理矢理でも体から抜いたらええんやけどな。」
早川「売人潰すにしても上はヤクザやろうし。」
智津山「美咲の家を見張ったれ。美咲がシンナー買いにいけんように24時間張り込むんや。ヤキ入れるだけやのうて心を攻めるんや」
俺「確かにそれくらいやれば強引に買いに行かさない事できるかもしれませんが俺一人で24時間は無理っすよ」
智津山「今、幹部何人おる?」
中川「俺入れて12人です」
智津山「12人で一時間担当したら残り12時間や。それくらいなんとかせぇ」
村井「溜まり場かえるようなモンやなw寒いけど修行や思ってやってみるか」
智津山「そうや。義を見てせざるは勇無きなりや」
真冬の寒い中、美咲の住んでる市営住宅前の公園、ここなら唯一の入り口である美咲の行動を監視できる。
それから公園で24時間見張るとう荒業が始まった。だが、この荒業は最初に考えていたよりメチャクチャ楽しいものであり、神仙メンバーからのカップ麺、おでん、コーヒーの差し入れ、童心に帰って鬼ごっこ、ブランコ、鉄棒、また格闘術を鍛えて時間を過ごした。
この公園にいれば必ず誰かがいる。神仙メンバーは自分の担当時間でもないのに差し入れを持って公園に立ち寄り、皆で楽しく時間を過ごしていた。だが、深夜になれば俺と英子の二人だけとなり、厳寒と格闘しながら美咲の心に俺たちの想いが伝わるのを待ち続けた。
その間、美咲をヤリ逃げしたという男は即座に神仙に確保され、相当なヤキを入れられたらことを追記しておく。
何度かドアごしに英子が話をし続けて12日目の事だった。
美咲「あんたら頭おかしいんちゃうん!買い物もいかれへんやん!」
俺「買い物て、シンナーか?」
美咲「ちゃうわ!」
英子「もう辞めるやんな?」
美咲「神仙の人らまで動かして!もう出来るわけないやん!!」
俺「そうか。わかった。じゃアンパンと手切れたんやな」
そういって俺と英子、美咲、たまたまその場にいた村井、早川の5名で紫式部幹部を呼び出したのだった。
夏菜子「どや?手柄とったんか?もしかしてそこにいる村井でもとったんか?」
(たぶんこの前の事をまだ恨んでる)
俺「いえ、違います。誰もとってません」
夏菜子「どういうことや?」
俺「美咲にシンナーやめさせました」
夏菜子「何眠たい事いうとんねん。コイツが辞めるわけないやろが」
村井「最後まで話きけや。」
それから美咲のシンナーやめます宣言が発表され、その言葉に神仙幹部12名の証言、そして俺と英子の証言が加わった。
夏菜子「おまえら、、そんな事してたんか。」
早川「あと、関係ないかもしれんが美咲をヤリ逃げ、つまり紫式部を侮辱した野郎も上げたったわ。これも俺クンの手柄ちゃうんか?」
(その件、俺は何もしてねーw)
美咲「え??」
夏菜子「そうか。ちゃんとケジメとったんやな」
村井「そういうこった」
夏菜子「特攻服とってきたるわ。ちょっと待っとけ」
それからしばらくし、夏菜子は帰って来た。三着の特攻服を持ちながら。
夏菜子「まず美咲!お前の特攻服や。アンパンに打ち勝ったという手柄でかえしたる」
美咲「え!本当にいいんですか!ありがとうございます!!」
夏菜子「次に俺。お前の特攻服や。よくやった。神仙にも後でちゃんと礼いうとけよ」
俺「はい!(
夏菜子「最後、英子!」
英子「はい!」
夏菜子「紫式部の三つの指針いうてみい」
英子「行動力、忍耐力、仲間を想う心です」
夏菜子「今日からコッチの特攻服着ろ。ホレっ」
英子が受け取った特攻服は紫色であり、背中に紫式部と刺繍が施されていた。
夏菜子「スキマに自分の好きな言葉刺繍してもええけどな。変なの入れんなよ」
英子「はい!やったあああ!!っていうか。ほんのちょっと大きないですか?」
夏菜子「お前まだ身長伸びるやろ?」
早川「胸も大きなるわw」
村井「俺に揉んでもらえ。夏菜子みたいにすぐ大きなるわw」
夏菜子「村井!テメーwww!」
アンパン騒動はこうして終わって行った。