2019/07/15 21:52:42
(UZXQURkO)
沖浦との一席(の前の沖浦との対談)
一人称、「俺」のほうが書きやすいので、ここからは俺で行きたいと思います。
前回の終盤では、俺が沖浦に個人的に会って今後の仕事のやり方を相談しようという旨の社内メールを送付したところまで書いたと思う。
それを受け取った沖浦は、「いいですけど、いつの話ですか?」との返事があったのだ。それから俺は、仕事帰りがいいのか、それとも休日がいいのか聞いてみたところ、「そちらに問題なければ休日で。平日の仕事帰りだと長くなるのも嫌なので。というか、時間かかる?その話?」
との返事があった。俺は「短く済んだら30分。長くても1時間少しかな」と、そんな感じで俺は沖浦との対談の話を纏めたんだ。
もうメールの文面の段階で、俺に対する嫌悪感がたっぷりと含まれた上から目線の嫌な返事だと当時は思った。ともかく、沖浦との対談は月日までは忘れてしまったが、日曜日であるのは間違いなかった。
待ち合わせした場所は、俺と沖浦の住居の中間地点でもあり、なおかつ特急が止まる駅に設定し、時刻は沖浦都合で10時からとなった。
俺は待ち合わせ場所に、既に9時30分から到着しており、手元のスマートフォンでネットニュースでも見ながら、適当に沖浦が来るまでの時間を潰していた。俺が駅の改札口で立っている間、沢山の人が改札口から出てきたが55分になっても沖浦は現れなかった。
9時58分着。きっとこの電車に乗っているのだろう。心なしか、ドキドキとしてる俺がいるのを感じた。
対立している派閥の頭領との対面。休みの日まで、仕事の事で時間を使おうだなんてどうかしている。それほど、当時の俺は職場のストレスで身も心もやられていたのかもしれない(呪詛の話の時も、こんな感じだったよね俺w)
そして58分の電車が到着した。駅の改札にむかう階段からは、ゾロゾロと人が降りてくる。降りてくる・・・・・・が、、沖浦がいない。。。
と、次の瞬間、、
トントン。
(うわあ!!!!)背後からいきなり、俺は肩を叩かれたのだった。
俺「え、、沖浦さん?(陰口いうときは呼び捨てだけど、本人の目の前ではサン付けの小心者な俺w)
沖浦「改札からくると思った?実はもう来てたよ」
俺「あ、、そうなんだ・・・w」
俺は焦った、、何に焦ったか、、(え・・・・・沖浦って、こんな美人だったの・・?)という青天の霹靂であった。
俺がこの文章を書いた一番最初の投稿で、この会社で勤めるB班以外の女従業員の事を、こう例えたのを覚えているかな。
「作業着はけっこうブカブカのものを正規の方法で着用し、まったく「色っぽさ」なんていうのは皆無です。」
この例えば、俺は沖浦の事をイメージして書いたつもりだった。会社での沖浦は、髪をサイドポニーテールといえば聞こえはいいが、ただ紺色か黒のゴムで縛って片方の肩から出しているだけ。顔にメイクはなく、いつもスッピン。着てる服装は基本、紺色の作業着上下。
何にふてくされてるのか、いつもムスっとした感じの表情で、ただパソコンを叩いてたり書面に目を通したりしている姿しか俺は見た事がない。「地味、そして暗い。」それが俺の沖浦のイメージだった。
だが今の沖浦はどうだ。 髪の毛はべっ甲のブローチで艶のあるロングヘアを後頭部でまとめ、黒のレースがついた膝くらいまでの丈のフレアスカートに、お上品なクリーム色のブラウス、(ヤングママが子供の授業参観か、ピアノ発表会の時に着ていきそうな)顔もうっすらと化粧をしているではないか。
もともと、顔立ちだけは整っている人だったので、そんな沖浦が「オシャレ」をしてきた訳だから、俺は驚愕した。何より、透明のフチなし眼鏡は相変わらずだったが、これではまるで、どこかの名門のお嬢様ではないか。
嘘大げさ紛らわしい、これを一切!排除してもこの時の沖浦の「大人の女性オーラ」を忘れる事はないだろう。
俺(こりゃー会社では気取ってるとか、お上品とか言われるわ・・・・)
俺「と、ともかくどこ行く?そこ決めてなかったからw」
沖浦「どこでもいいよ」
俺「既に買い物してたとか?」
沖浦「別に関係ないじゃん」
俺「そ、そうだな・・w」
そんな感じで俺は、沖浦の大人のオーラに圧倒されながら、どこに行くかを考えた。そして当たり障りのないよう、普通のファミレス(格安ではない)に場所を設定し、日曜日であるがまだ10時という事もあってお昼前のファミレスは静かなものだった。
そして俺は、沖浦に「じゃ、呼び出したのも他ではないんだけど。。」と切り出し、前回の投稿で予め沖浦に伝えようと思っていた、今後の戦略の①~⑤を伝えていった。
すると離している間に、俺にとってかなり感触がよかったのが、沖浦からすれば俺から「文句」こそ言われても、まさか「一緒に職場を改善する為に手を組もうぜ」なんて言われるなんて予想すらしてなかったそうだ。
俺の話をウンウン。と聞いている沖浦の表情が話が進むにつれ、みるみる明るくなっていき、そして最終的には沖浦も今の環境には参ってる。と(涙まで浮かべて)本音を話してくれた。
このあたりは会社の内部事情しか話してないので、このシーンはこれくらいとするが、ただファミレスに入る前と、出た後では俺と沖浦の間に「絆」のようなものが芽生え始めていたんだ。
ファミレスを出てからは、もう仕事の話は一切なし。俺と沖浦は、珍しくただのオトコとオンナという関係か、趣味の話をしたり身の上話をしてゆく当てもなく、ただその街をひらすら散歩していった。
(この時に、沖浦がマラソンに挑戦しているとも聞いた)
この時の感覚がどんな感覚かと言えば、まるで10代の頃に好きな子と一緒に、時間を忘れてしゃべりまくった青春時代、それに近いものがあった。
ただ歩くだけ。なんども同じ場所も歩いた。だが話題は尽きず、疲れも感じなかった。
結局、16時くらいまで俺たちは散歩デートのような形となり、俺たちはその場で解散する事になった。
俺「じゃ、明日から今日の計画通り、まず部署長に話してみるわ。で、その解答をまって次のステップいこう。」
沖浦「わかったw その間、私はなるべくこれ以上、溝が深まらないようにできる限りの事やってみるね。部署長からの返事がきたら教えてw」
俺「おうw」
そんな感じでその日は別れた。そして翌日から、俺と沖浦は会社で顔を合わすのは当然だったが、今まで挨拶しても返事もないので俺から挨拶する事すら辞めていたが、そんな沖浦も俺の姿を見かけると、相変わらず挨拶はなかったものの、、、ニコ♪と微笑んでくれるようになっていた。
俺(もしかして、、、なんかめっちゃいい関係なってる?俺たち・・・)
そんな事を考えていた。正直にいれば、恋愛ではないのは確かだが、恋に近い感覚だといえばそうかもしれない。そんな矛盾した表現しかできない感覚に支配されていた。
だが、俺はこの1度目の対談の中で、はっきりと証拠を掴んでいた。それは沖浦が紛失した、中国の唐辛子がついてるキーホルダーがついた青いサイフを沖浦が使っているのを・・。
次回は2度目の対談。そして飲み。沖浦の崩壊。そして・・・Hへと続いていきます。