大学生の頃です。俺は教育学部でしたが、当時は小学校教員を目指していました。子供との関わりなど持ったこともないなか、教員になった先輩のつてもあり、民間学童でのアルバイトをすることになりました。
学童では未就学児~小学校中学年までを預かっていましたが、そこまで人員不足ではなく、むしろ若い職員が多い印象でした。アルバイト初日、俺の教育担当をしてくれたのが就職して三年目の女性職員のNさんでした。Nさんは元々小学校教員を目指していたけれども、色々あってここに就職したと話していました。歳は5歳ほど離れていましたが、姉貴肌が感じられる方でよく教育をしてくれた思い出があります。
俺が学童の仕事に少し慣れてきた頃、学童の子供達が将来何になりたいか、実際にその職業になりきるという企画がありました。聞いた感じだとパッとしませんが、俺がアルバイトしている学童は都内に20箇所近くあり、その全ての子供達が集まってする企画でした。なのでデカ目の会場を借りて二日間かけて行う大型企画でした。
当然俺も子供達が何になりたいかだとか、どうすればそれっぽい職業になりきれるのか、果てはその子の親のように夏休みの宿題を手伝うような作業でした。しかし、Nさんの仕事はよりハードで、企画全体を取り仕切る役職、その補佐をしていました。これまで姉貴肌で親身に接してくれたNさんだけに、俺のことも逐一確認してくれてはいたのですが、激務に追われるNさんをただ見るだけしかできない自分に何とも言えない虚無感がありました。
何かできることはと思いながらも何も出来ないかと思っていたときです。いつものように学童にきて作業を始めましたが、明らかにトイレから女性の声が聞こえてきて、気になりトイレに近づいていくと間違いなく喘ぎ声に近い声だとわかりました。