怪我をして数週間、愛は毎日包帯を交換しに来てくれた。どうして僕みたいな勉強も運動もできず悪さばかりしていた男にこんな可愛い子が寄ってくるのだろう?幼なじみってだけでどうしてこんなに面倒見てくれるのだろう?正直学校のイケメン以上に優しくしてくれてるはず。まだ怪我の手当てをしてくれてた時に愛が「そういえば〇〇日誕生日だったよね?」と聞いてきた。僕は急にどうしたんだと思った。「そうだけど」と言い返すと「一成ん家は誕生日になるとお祝いとかするの?」僕「全く、ケーキすら食べない」と答えた。僕の家は昔から誕生日やクリスマスだからと言って特別なことはしなかったのだ。数日後、僕の誕生日が来た。僕は毎年誕生日なんて忘れてる。自分が生まれた日だなんて全く思ってもいなかった。僕はいつもどおり友達と夜まで遊んでいた。そしていつもどおり家に帰る。玄関を開けると見覚えあるスニーカーが置いてある。そのスニーカーは間違いなく愛の物だ。なぜ愛がと思っていたら「あっ一成が帰ってきました!」と愛が言いました。そしたら姉が来て「おかえり、あんた部屋に行ってて」なんで愛が家にいるんだと思いながら部屋でしばらく待っていました。なんだろうと疑問に思っていたら親も帰ってきて何やってんだろうと思ってました。なんか足音が沢山聞こえる、何やってんだと思っていたら足音がこっちに来たのです。足音は僕の部屋の前で止まり扉をノックしてきました。扉を開けると愛がいて「ちょっと来て!」と言われたので愛についていきました。そしてリビングに行くとテーブルの上にはケーキが置いてあったのです。ケーキの上に板チョコが乗っていてチョコに一成14歳の誕生日おめでとう!と書いてありました。僕は感動して涙が出ました。初めてのバースデーケーキだったのです。姉が「あんたのバースデーケーキ、愛ちゃんが作ってあげたいからってわざわざ部活休んで作りに来たんだよ」と聞き僕は愛に「愛、本当にありがとう!」と伝えました。愛もお礼を言われてあの天使のような笑顔を見せてくれた。そして愛が「あっみんなも食べてみてください!ウチの手作りケーキです!」僕も今まで食べたケーキで一番美味しかったケーキだと思いました。母親も「美味しい♪」父親も「店で買う奴より美味いよ!」と喜んでました。ケーキを食べ終わったら愛が「一成、誕生日おめでとう!はいこれ」とプレゼントをくれました。その中身は車の模型でした。今でも大事に飾ってます。