昼下がりの白新線、始発の新潟から電車に乗った俺は、向かい合わせのロ
ングシートに腰を下ろして、前を見ると髪の長い女子高生が髪を前に垂らし
ながら、うつむいている。最初に思ったのは「泣いているのかな?」
そのうちちょっと顔を上げた時に見ると、かなり可愛い細面の、二年生く
らいかな。でも泣いているわけじゃなかった。でも、どこか雰囲気が変。そ
もそも、学校では授業やっている時間帯なのに、かばんも荷物が何もない。
女子高生は座り直してスカートを――俺に覗き込まれないように、と思った
――股にたくし込んで、両手のこぶしを握り締めて脚の間で押さえている。
「オシッコを我慢してるのかな?」と次に思った。でも、この車両にはトイ
レがあるじゃないか! 何なんだ、これは。と、ずうっとうつむいている女
子高生の上半身が上下に揺れた。
えっ! オナニー?! 真昼間の電車の中で?! 女の子はまた座り直し
て、スカートを股の間にたくし込んで、両手でぎゅううっと下腹部に押し付
けている。オナニーだ! 俺はただで女子高生のオナニーを見ているんだ。
そういえば、周囲の大人の女性たちは、女子高生から目をそらすようにして
いる。また、上半身が大きく二度三度揺れた。「イッタんだ!凄い!これな
ら、彼女が降りる時に一緒に降りて、誘ったらついてくるかもしれない…」
俺の股間の息子は準備を始めた。この辺までが萌え~なのかな。
また女子高生は座り直して、丁寧にスカートをまとめて、お股の間にたく
し込んだ、その時、左の手首に数え切れないくらい多くの、リストカットの
跡が見えた。「ブルブル、ヤバイ、こんな子に声をかけたら、剃刀で切られ
るかもしれない、くわばらくわばら」
途中駅から、同い年くらいの男の子が乗ってきた。明らかに自閉症の子
で、何かぶつぶつ言いながら、車内を歩き回っていろんなボタンを押したり
している。で、俺の四人飛ばした右へ座った。すると女子高生はその男の子
の隣へ席を替えて、いきなり、「オイ、おめえ、長岡で会ったろう、ええ
っ!?」恐ろしげな言い方に、男の子はあわてて席を立って行った。ケラケ
ラと女子高生の笑い声が響く。「狂ってる…」
その女子高生は、終点の豊栄で降りた。俺もそこが目的地。女子高生はス
カートの後を気にしながら席を立つ。愛液が染みていないか確認してるんだ
なと思ったので、階段を後から登ってゆくと、風で超ミニのスカートが揺れ
て、黄色いパンティーが見えた。濡れて染みているようにも見えた。
女子高生はタクシー乗り場へゆくと小銭を取り出し、運転手と交渉を始め
た。どこそこへこの小銭で行ってくれ、という交渉のようだ。まとまったお
ゆで、女子高生はタクシーの助手席に乗って、どこかへ向かった。このあ
と、どこで何をしたんだろう。運転手はどうなったんだろう。俺の息子はし
ぼんで、パンツだけがヌルヌルしていた。