「夢みたいだよ…栗田の裸見られるなんて…ずっと欲しかった…」
「なにを…」
「栗田を…栗田を抱きたった…」
S田が私にむしゃぶりついてきた…
わりと着やせするタイプだったようで、抱きしめられるとその力強さに男を感じた。
気を使いながら切実そうに気持ちを打ち明けて口説いた姿からは別人のようだった。
神様のいたずらか…
同窓会で同じテーブルになり、最初からお互い意識しあって喋れなかった。
昔、彼が私に気があるのを知っていたからだ。
彼は私にあまり好かれてないと思っていたと言ってたが、確かに私は彼を歯牙にもかけない振りをしていた。
でも、それは少し違う。
私に気がある素振りを見せながら、先生や先輩などの年上から構われやすい体質に嫉妬していたのだ。
正確には彼のせいではないのに…
「吉原に贔屓されてる」
女子は女年増独身教師が彼を贔屓してることに気づいていた。
私はいつも彼と年増教師がセックスしてる様子が頭から離れなくなり、時には下着に指を滑らせたりもしていた。
軽蔑の対象でしかないくせに。
私に気があるなら押し倒せばいいのに。
彼はそんな無神経な事はしなそうだが、私は密かにそれを望んでいた。
特にオナニーして興奮してる時は。
なんのことはない。
私だって満更でもなかったのだ。
ただ、意にそぐわない事が多くて素直になれなかっただけだ。
だから何年も経って思いを打ち明けられたのは驚いたけど嬉しかった。
すぐに誘いになるような軽い女だと思われたくなかったけど、こういう事はタイミングもある。
日頃はもう接点がないだけに、機会を逃したらそれっきらだろう。
私はアルコールの力もあり、そう思われないように気を配りながらも同意した。
なんとかうまい具合にバラけた後におちあい、ホテルに行った。
そんなに持続しないながらもしっかり感じる事ができたから、謝りながらも早くいってしまった彼を愛しく思った。
それだけ私に思い入れがあると言われたら、それはそれで満足です。
出した後も少し私に甘えるようにしながらキスをしてきたり、ちゃんと後戯もしてくれる。
「良かった?」私は尋ねた。
「うん…でも、まだまだ全然足りない…」
「そんなに凄いんだ…見掛けによらないね」
「とりあえず一緒にいけるまでは離したくない…」
「泊まるの?」
「泊まろう…仮に帰るにしても、また会ってくれるって約束してくれないと嫌。帰さない…」
「んもう…」
「好き…」
「彼女いるんでしょ…」
「…K田は特別なんだよ…」
結局、人生で一番没頭して真夜中過ぎまでセックスした…
喜びを感じつつもだんだんと嫉妬が募ってくる。
彼にどんどん気持ちを引き付けられてる証拠だった。