そろそろ八十に手が届きそうな年となりさすがにセックス
で性交して射精するということは本当に稀なことになって
しまったが、昭和も後半終わり近くの頃は、性欲精力全盛
の学生だった。あの時代はまだ、結婚して初めて処女と童
貞が結ばれてめでたしみたいな空気があって今の若者のよ
うに十代そこそこで簡単に性交するというのは男女ともな
かなか大変、というかチャンスがなかったもんだ。十代の
うちに性交体験をしたいと思っても実現できるのは気の利
いた彼女をつくるとか、近隣に童貞を食い物にしてくれる
と噂される後家さん、未亡人さんと知り合いになれるつて
のあるちょっとヤバい系の不良集団との知己がないと無理
な相談だった。そんな中、私はある意味大変恵まれていた
といえる。
性欲はオナニー射精で満たすしかなかった中学3年の時、
しばらく空き家になっていた隣の家に関西の方から一家
が引っ越してきた。高校三年生だという娘さんがいる一
家で引っ越しの挨拶に見えた時、その娘さんも一緒に来
てて、私はその女子高生に一目惚れ状態になって固まっ
てしまったのだ。今じゃ見る影もないかつての若かりし
頃の水沢アキのような女性が河合奈保子をかぶってるよ
うな感じだった。頭も良かったようで、この地区では優
秀な進学校の部類の高校に三年で編入してきたくらいだ。
でも、気位がたかいとか美しさを鼻にかけるような嫌味
なところは全くなく、通学時や、土日の休みなど顔を合
わせるとニッコリ笑って「お勉強、捗ってる?お互い来
年受験だから、頑張ろうね!」と声をかけてくれたり、
回覧板を回して来たり、田舎からのおすそ分けですなど
と家に来ると、母と仲良さそうに話していたりしていた。
そして、夏近い頃、二階にある私の部屋の掃除をしてい
るときにもう一つの幸運を見つけてしまったのだ。
天井近くに蜘蛛の巣がはられていたのを見つけた私は、
それを除去し、ついでに明り取りになってる小窓の酸