最近、天気が不安定ですね。
他にも雨の日の投稿があったので迷いましたが、書きます。
突然の雷雨にうたれて、雷が大嫌いな私は近所のコンビニに飛び込みました。
自宅まであと少しなのに、と少しイライラしながら店内を物色してました。
立読み防止のテープが巻かれて雑誌を読むことさえ出来ませんでした。
困り果て、ふと横を見ると見覚えのある男性が男性誌コーナーに立っていました。使うバス停が一緒でバスの中で近くに立ったりしてました。
その人は、見かける時はスーツなのにその日は普段着でした。
雰囲気は佐藤浩市に似ていて、私はてっきり既婚者だと思ってました。
私の視線を感じたのか、彼が私を見ました。
一瞬、視線が絡みました。
私は恥ずかしくなり目線を雑誌に戻すと彼が近づいて来ました。
「こんばんは」
「あ…こんばんは」
「たまに会う方ですよね?」
「バスで…」
「そうそう」
彼は嬉しそうに顔をクシャとして笑いました。
「最近は立読みも出来ないね」
「そうなんですよ、時間潰しも出来ない」
「待ち合わせ?」
「雷が怖くて」
あぁと彼は言い外を眺めました。
「よかったら、俺のうちこの上なんだけど来ない?」
コンビニの上の二階から上は賃貸マンションでした。
「いや、でも…」
「そりゃそうか」
「傘買って帰ります」
「ちょっと待ってて。傘貸してあげる」
無駄な出費は控えたかった私は、その言葉に甘える事にしました。
傘を取ってきた彼は、コンビニのコーヒーサーバーを指差しました。
「飲んだことある?」
「あ、まだです」
「結構いけるよ。買ってあげる」
「いいです、いいです」
「遠慮するほどのもんじゃないって」
「でも…奥さんに悪いです」
「残念ながらバツイチ」
「え?すみません」
「いいって、コーヒーはブラック?」
「じゃあ、カフェオレで…」
「了解」
彼はレジでお金を払うと慣れた手つきでカフェオレを注ぎ渡してくれました。
「傘とコーヒーすみません。必ず返します」
「そのうちでいいよ」
ペコッと頭を下げコンビニを出ました。
振り返ると、彼も軽く頭を下げました。
ドキドキしながら家に帰り、暖かいシャワーを浴びてから湯上がりにカフェオレを頂きました。
バツイチか~
かっこいいのにね
頭を乾かしながらちょっとだけ一人言を言って横になりました。