元カノとは、様々な相性が良い関係でした。
お互い、自分のことより、相手を一番に考える純真で無垢な愛でした。
元カノの為なら、なんでもできました。
愛撫を30分しても、クンニを30分以上しても嫌じゃなかったし、愛しく思えました。
キスも長々としていましたし、フェラは・・・漏れそうになるから途中で止めてもらいました。
でも、元カノはずっと舐めていたいというので、元カノに生理が来た時には、好きなだけ舐めてもらっていました。
もちろん、途中で漏れましたが、元カノは射精も精液も愛しいと言ってくれました。
元カノとは、コンドームを使いませんでした。
元カノは、ゴムの隔たりが嫌いでした。
万が一妊娠したら、結婚するつもりでした。
だから、安全日には元カノの子宮に思い切り射精していました。
元カノの充血した膣口から、私の精液が流れ出る様子は感動的でした。
好きで好きで、大好きで、同棲することを考え始めた頃、私が異動して仕事のシフトが変わり、休みがカレンダー通りでなくなってしまいました。
そこからすれ違いが多くなり、会う頻度が激減しました。
無理して平日の夜に会ったり、土日、私の仕事明けで会ったりしていると、日常生活に支障げ出るようになっていきました。
もちろんセックスも減ってしまい、二人で朝を迎えるのは月に一回あるかないかになりました。
次第に、好きな気持ちだけでは上手くいかない状態になって、これ以上続けると色んなところに歪が出て、お互いを嫌いになりそうで、私から別れ話をしました。
久し振りに私が日曜日に休めた日、元カノと一日デートしましたが、夕方になるにつれ、別れの雰囲気が漂っていきました。
夕焼けに照らされた公園のジャングルジムにもたれて、いつもの別れじゃなく、最後のお別れという事が、私も元カノも感じていました。
でも、それを口にできない・・・今口にしないと、さよならも言わず、自然消滅しそうで、
「なあ・・・俺たち、終わりにしないか?」
「うん・・・」
「これ以上続けると、俺が壊れるか、お前が壊れるか・・・」
「うん・・・」
「キッパリ別れようや。ちゃんとお別れして、次に進もう。さよなら・・・」
「さよなら・・・元気でね・・・今までありがとう・・・」
元カノを公園において、一人、歩き出しました。
公園を出るとき、ちょっと振り向くと、反対側の出口にトボトボ歩く元カノのうなだれた後ろ姿と、夕焼けに照らされた影法師が寂しく見えました。
元カノ、泣いているようで、それを見たら私も涙が溢れ、悔しくて、
「ちくしょう・・・何でこんなことになっちまったんだ・・・」
と呟きながら、元カノの背中と影法師を見送りました。
あれから8年経ちました。
元カノが今、どこでどうしているのか、私は何も知りません。
私は、元カノと再会することなく、今の妻と結婚しました。
先週、仕事で元住んでいたあたりに行って、コンビニに入ったら、元カノと再会しました。
お互いしばらく見つめ合って、お互いの左手の薬指に光るリングを確認し合って、
「幸せそうだね。」
「うん・・・」
と短い会話を交わして、コンビニの前で別れました。
夕焼けの中を歩いて行く元カノの後ろ姿と影法師が、懐かしい別れを思い出させました。
でもそこには、寂しさはありませんでした。