それは、俺が大学3回生の時の事でした。
うちの大学のゼミでは、一番可愛い女の子(芸能人では戸田絵梨香似、これからはRとします)がいて、初めてのゼミの飲み会でRの番号をゲットして、内心テンション上がりまくりの俺。
また、この年のゼミ大会ではRと同じグループになり、よく大学近くのファミレスなどで話し合いをして、ゼミの話をする半分、Rを見てはいつも可愛いなぁと思っていた。
そして、それは夏休みに入る前のちょうど試験前くらいの日の事だったと思う。
それは、朝8時半過ぎの事だった。
その日、俺は1限の授業がなく、まだ布団の中で眠りについていた。(これぞ大学生の特権)
すると、そこに携帯電話がなり、寝ぼけながらも携帯電話を開くと、それはRからだった。
こんな朝っぱらからなんだろう?と思いながら電話に出ると、何やらRは自宅の鍵(ちなみにRも俺も一人暮らし)を食器棚の後ろに落としてしまったらしく、(てか、なんでそんなとこに…。)食器棚を動かしたいが、女の力だけ動かせなく男手が必要との事だった。
電話でのRの声がかなり焦っていたので、俺はとにかく急いで着替え、原付をもっぱら飛ばしてRの自宅へと向かった。(一度ゼミの話し合いをR宅で行ったので場所は知っていた)
そして、Rのマンションに着き、インターホンを鳴らすと、勢いよく扉が開き、Rが出てきた。
今日もやっぱり、可愛いな。
俺「うす、来たよ。」
R「おはよう。てか、ごめんね~。」
俺「いいよ。んで、鍵はこの下か?」
と言って、食器棚の下を覗き込んだ。
R「そう、かなり奥の方でしょ?絶対動かさないとダメだよね?」
俺「う~ん、そうだな。こりゃ相当奥だしな。」
俺はそこでまず、何故こんなとこに鍵が?とRを問い詰めたかったが、焦っているRを見て、とりあえず早くしなければという気持ちが先行した。
比較的、力仕事には自信のある俺。
ゼミの中でも、体格もでかい方で、Rもきっとそれを分かって俺を呼んだのだろう。
何度か力を入れると、少しずつ食器棚が動いた。
俺「グイ、グイ。はぁ、はぁ、これで、どうだ~!!」
そして、棚の下からは、鍵が出てきた。
R「すご~い、ありがとう!!」
俺「はぁ、はぁ。」
R「ほんとにありがとう!!」
俺「どういたしまして~。てか、なんでそんな焦ってんの?」
するとRは、
R「あたし今日1限授業なんだ。絶対に受けたい授業なんだよ~。」
やっぱりね。
そういう事かと、なんとなくは分かってた。
俺は、Rの真面目さに少し関心した。
俺「そうか、じゃあ早く大学行かないとな!急がないと!」
R「うん!」
そういって、Rと俺は部屋を出た。そして、Rが鍵をかけながら、
R「ねぇ、K(俺)。今日予定空いてる?もしよかったら今日ご馳走するよ。今日のお礼。」
俺はドキッとした。
俺「お、おぅ。そうだな…今日は別に何も予定ないし…。」
R「じゃあ決まりね。Kは今日授業何限まで?」
俺「俺は5限でまで。」
R「あっ、あたしも。じゃあ7時にまた、あたしの家来て。」
その瞬間、俺は内心テンション上がりまくりだった。ヤター\(^o^)/
そして、Rは颯爽と大学へと向かっていった。
そして、その日の5限終了後…。午後約6時45分頃。
大学の駐輪場付近にて、Rに連絡すると、Rが出て、
R「ごめん、7時半くらいに来て!」
とあり、少し大学で時間を潰した後、少し緊張しながらもRの家を目指した。
そして、この日2回目となるRの家へ。
R「あっ、いらっしゃ~い♪今日はほんとごめんね!ほんとに助かったよ☆」
うん、なんか、すごい良い雰囲気。
俺「い、いや!そ、それより今日授業間に合ったの?」
R「まぁちょっと遅れたけど、運よく今日は出席とるのが授業の最後だったんだ~♪」
俺「おぉ~そりゃついてるなぁ♪」
R「うん♪ほぉ~んとラッキィ~☆」
その時のRの笑顔がたまらなく可愛いかった。
そして、リビングで腰を下ろしてくつろぐ俺。
Rの家はいかにも女の子らしい部屋でピンクを基調とした可愛いらしい部屋。
俺、またちょっと緊張…。
動揺を隠し切れないながらも俺はRがキッチンで何やらしてるのを待つ。
そして、数分後。
めちゃめちゃ良い匂いがしてきた。
そして、出てきたのはロールキャベツ。
このRのロールキャベツ。めちゃくちゃ美味かった。
俺「美味い!これまじで美味い♪」
てか、もうRの作った料理ならなんでも美味しいよ!と、いいたいが、まぁそこまでは言えず…。
R「まじ~!?良かった~、いっぱい作ったからいっぱい食べてね♪」
俺は食べながら、1つ気になっていた事をRに尋ねてみた。
そう、それは何故鍵が、食器棚の下に?という事だ。
すると、Rがあぁ~。と顔をしかめながら答えた。
R「やっ、今日の朝ね。でっかいハエが家の中ブンブン飛んでて…。で、そのハエを取っ払おうとした時に、手に持ってた鍵を離しちゃって…。で、気付いたら食器棚の下に…ってわけ…。」
Rは恥ずかしそうに顔を赤くした。
俺「ハハハハハッ!」
するとRが
「もぉ~笑わないでよぉぉ!!」と顔をムスーッとさせる。
やべっ。超、可愛い。
ちょっとおっちょこちょいなRもそうだし、その顔。ちくしょー!
これを可愛いと言わずに何と言う?ねぇ、民生さん?
そして、
俺「ご馳走さまでした~!」
Rの手料理を食べれた事に感動の俺。
俺「フゥゥゥ~食ったぁ!」
するとRが、
「なんかKくんって、ほんと美味しそうに食べるよね(笑)」
俺「いや、だってRの手料理、ほんとに美味かったんだもん!」
すると、
R「えっ…。あっ、お、お茶でも…入れる…ね!?」
といって、キッチンへ行ってしまった。
今のRの「えっ…。」は、なんだったんだろう。
まぁ、そして、数分後、お茶を淹れてRが再びリビングに。
そして、お茶を飲みながら俺たち2人はバラエティー番組を見ながらほのぼの時間を過ごした。
気付くと、時間は約11時過ぎ。
なんとなく妙な心境が俺、またはRに流れる。
Rとの2人だけの時間が、もうすぐ終わってしまおうとしている。
今年の春、Rと出会い、ゼミで初めてRの姿を見た時、俺の胸は苦しくも締め付けられた。
そして、ゼミ大会へ向けたグループでの話し合いでは、いつもリーダーシップをとって、皆の意見をまとめあげる俺。
何故、俺はこんなに頑張ってしまっているのか。
たかが、ゼミの皆で意見を出し合って、それらをまとめて話し合って、そして、それを発表するだけの事。俺は、何も自分が優等生になりたいなんてわけでは決してない。
その…なんだ…そう、それは、そこに、いつも、Rが、そこにRがいたからなんだ。
そして、Rはそんなゼミでの俺をいつも優しくサポートしてくれる。
何故、それは?
ゼミなんて意見の言い合いが普通だろ?
お前も本当はもっと自分の意見が言いたいんだろ?
それなのに何故、何故いつも自分を押し殺して、この俺を、この俺をかばってくれるんだ?
そんな事を考えながら、俺はボーッと時計の針を眺めていた。
午後11時27分。
なんとなく、寂しい。
初めて出来たRと2人きりの空間。
なんとなくRを見ると、そこには妙に麗しいRがいた。
そのRを見て、俺はたまらずにRを押し倒そうとした…が、やっぱり止めた。
これで拒まれたら、今まで築き上げたRとの関係が終わるだけでなく、ゼミ大会も終わりじゃねぇか。
幸い、Rは全く気付いていないようだった。
そして、俺がはぁ~↓と一ため息をついた、その時だった。
Rが、
「ねぇ、よかったら、このまま泊まってく?」
ん?
はい?
今、なんと?
その、と、とま…!
俺は頭が真っ白になりそうだった。
俺「えっ、え?」
するとR、
「あっ、明日って…ど、土曜日だし、だっ、大学も、や、休みでしょ?」
Rも少し声が強張っていた。
そして、そう、今日というは、まさに花の金曜日。
俺「そ、そうだな!あっ、明日は大学休みだなっ!アハッ、アハハハハッ!(笑)」
そして、次の瞬間、Rは俺のすぐ側にやって来、俺の唇にチュッ♪と軽くキスをした。
そして…。
この続き、すみませんがまた今度書きたいと思います。
最後まで読んで下さった皆様、誠にありがとうございました。